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ホンダ「シビック e:HEV」大幅に進化したハイブリッドシステム徹底解説

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ホンダ「シビック e:HEV」大幅に進化したハイブリッドシステム徹底解説

ホンダは、まもなく正式発表を予定しているシビックのハイブリッドモデル「シビック e:HEV」のデザインやハイブリッド・システムの概要を公表した。

シビック e:HEVのデザインは、標準モデルと比べてサイドウインドウ周りやフロントグリル部をブラックアウトしたスポーティな仕上げで、e:HEVのバッジをアクセントとして使用している。インテリアでは、液晶メーターパネルがe:HEV専用となり、スピードメーターの左に、あたかもタコメーターのような動きをするパワーメーターを配置。このパワーメーターは加速状況に応じて指針が動き、擬似的な変速を思わせるような動きをするようになっている。

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シビック e:HEVの位置付けは、1.5Lターボの標準モデルに対してより走りのパフォーマンスを高めるとともに、燃費、環境性能を追求したモデルとされ、「爽快スポーツ e:HEV」がコンセプトワードとされている。

そのため、2モーター式のe:HEVシステムを採用して、軽快感のある加速フィールと気持ちよいサウンド、意のままのレスポンスの優れた加速を追求し、軽快で一体感のある俊敏なハンドリングや走りの質感の向上を訴求している。

新開発のエンジンと次世代ハイブリッドユニット

パッケージング面では、e:HEV専用に新開発された高効率な2.0Lエンジンと、出力をアップしたモーターを組み合わせ、リチウムイオン・バッテリーはリヤ席の下側に配置。そのためキャビン内のパッケージは標準モデルと共通だ。また副次的にリヤシート下にバッテリーを搭載し、スチールのカバーで取り付けすることで、標準モデルより重心は10mm低下し、リヤの剛性が高められているために、ハンドリング性能も向上している。

シビック e:HEVのハイブリッドシステムは、基本的にはアコードのシステムを継承しているが、エンジン、ハイブリッドシステムともに大幅に進化していることがアピールポイントだ。

2モーターのe:HEVシステムにより、バッテリー電力によるEV走行、エンジンの発電によるモーター走行、そして中高速域ではエンジンを駆動系に直結したエンジン走行となるシリーズ・パラレル切り替えシステムが特長だ。

エンジンは、アコード用と同じ2.0Lの4気筒を搭載するが、新設計の次世代を担う高効率エンジンで、最高熱効率はアコード用の40%から41%に高められている。出力は141ps/182Nm。

燃料噴射は高圧直噴を採用し、4段階の多段噴射が可能になっている。圧縮比13.9で、エキゾースト側は油圧式VTCとし、アトキンソンサイクル運転を継承。さらに高流動インテーク・マニホールド、タンブル保持形状のピストンを組み合わせることで強いタンブル流を形成する燃焼室を持つ。さらに大量のクールドEGRの導入を組み合わせることで、全域での燃焼の改善、ポンピング損失の低減を図り、同時に高回転域まで理想空燃比が維持できる革新的なエンジンとなっている。そのためより高いエンジン回転域まで効率的に使用でき、これがドライビングの気持ちよさを生み出せる要因にもなっている。

またこの新エンジンは、静粛性を高めるためにバランサーシャフトを備え、シリンダーヘッド部の遮音カバーなども装備し、発電時、直結走行時の静粛性を高めている。

この最新エンジンの採用により、燃費効率の高い回転転域が大幅に拡大されたため、中高速域でのエンジン直結モードで走行中でも、その時の負荷に応じて駆動用モーターが発電したり、駆動アシストする機能が有効に作動できるようになり、より滑らかで効率のよい走りが実現している。

ハイブリッド・ユニットはモーターの出力は39kWアップされて135kW(184ps)/315Nmに向上。リチウムイオン・バッテリーはよりコンパクト化させながら電池のエネルギー密度を高め、従来より広範囲に使用できるように改良。またインバーターなどのパワーコントロールユニットも新開発で、軽量化され出力密度も高められているなど、システム全体で効率、走る性能が向上している。

これらの結果、さらなる燃費の向上と、ハイブリッドのイメージを打ち破るレスポンがよいスポーティな走りが実現しているのだ。

気持ちよいドライビング感覚

まず加速では、アクセルに応じてトルクが瞬時に立ち上がり、そのまま意思通りに加速することができ、よりアクセルを踏み込んだ加速時にはあたかもスポーティなエンジン車のような擬似アップシフトの演出による加速感を強調している。さらにスポーツモード時にはエンジンに呼応した爽快な擬似エンジンサウンドがアクティブサウンドコントロールにより発生され、気持ちよいドライビング感覚が得られるようになっている。

その一方で、50~60km/hの速度域でもエンジンがストップしたままのEV走行が可能で、アクセルの踏み方に慣れると、市街地や郊外などの幅広い速度域でエンジンを使用せず走行することができ、実用燃費は大幅に改善されている。

シャシー性能は、低重心で高剛性のボディを生かし、一体感があり、操舵に対する遅れのないコーナリングにより、意のままのハンドリング性能と、多様な路面でもスムーズで抑制された振動、騒音レベルにより、質感の高い走りが実現している。

なおドライブモードは標準モデルはECON、ノーマル、スポーツの3モードだが、シビック e:HEVはインディビジャル・モードが追加されている。このモードではパワー特性、ステアリング特性、メーター表示を好みに合わせて設定することができるようになっている。

シビック e:HEVは、ハイブリッドとしての優れた燃費と、シビックという個性に合わせたスポーティで気持ちよい走りを高いレベルで両立させており、今後のホンダのハイブリッド車の新たな基準となる存在と考えることができる。<レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>

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