現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 丁寧かつ大胆な進化──新型トヨタ・プリウス試乗記

ここから本文です

丁寧かつ大胆な進化──新型トヨタ・プリウス試乗記

掲載 11
丁寧かつ大胆な進化──新型トヨタ・プリウス試乗記

フルモデルチェンジしたトヨタの新しい「プリウス」。ひと足はやくプロトタイプに小川フミオが試乗した。

0~100km/h、7.5秒!

アルファロメオの新しいクーペはSZの復活か!? 新型ジュリアSWBザガートあらわる

トヨタ自動車が、2022年11月16日に公開した新型「プリウス」。2023年の発売を前に、プロトタイプに乗ることができた。走行性能が大幅に進化しているのが、うれしい驚きだ。

5代目となるプリウスは、ハイブリッドとプラグイン・ハイブリッドの、2種類のドライブトレインを持つ。

今回、私がドライブできたのは、ハイブリッド仕様のみ。といっても、1.8リッターと、あたらしい2.0リッター、2つのエンジンと、前輪駆動と4輪駆動(E-Four)という4つの組合せを試せた。

「プリウスはこれまであたらしい価値提案をしてきました。5代目で提供したいのは、デザインと運転する楽しさというエモーショナル価値です」

そう語ってくれたのは、トヨタ自動車コンパクトカーカンパニーの大矢賢樹(おおや・さとき)主査。

なかでも大矢主査がメインで開発したという、2.0リッターハイブリッド車は、実際に力強くて、そして楽しい。

現行プリウスは1797cc直列4気筒ガソリン・エンジンを使ったトヨタ独自のハイブリッドシステム「THS-II」搭載モデルがトップグレード(モノグレード)。

5代目は、現行の1.8リッターハイブリッドユニットは継続使用しつつ、1986cc直列4気筒ガソリン・エンジンにTHS-IIを組み合わせたユニットを新設定。

1.8リッター仕様がシステム最高出力103kWであるのに対して、2.0リッター仕様は144kWとなる。トップモデルとして比較すると、約1.6倍のパワーアップだ。

たとえば、静止から100km/hまでの加速が、9.3秒から7.5秒に短縮される。

技術の選択実際、2.0リッター仕様は、トルクがたっぷりある。

「アクセルをちょっと踏み込んだときの加速の力強さを意識しました」

2.0リッターエンジンを担当したクルマ開発センターの石泉和也氏が試乗会場で教えてくれた通りだった。

100km/hを少々超えるぐらいまでなら、どこでアクセルペダルを踏む足に力をこめても、瞬時に、という感じでクルマは加速する。これが実際に気持ちよい。

ステアリング・ホイールを切ったときのボディの動きの俊敏さや、ブレーキペダルを踏んだときの減速の立ち上がりの速さも、新しいプリウスのおおいなる魅力。

ひとことでいうと、洗練度が上がっている。

1.8リッター仕様は、エンジンこそ、現行モデルからの継続使用となるものの、プラットフォームが新しいので、楽しさが拡大している印象だ。

とくに1.8リッターのE-Four使用は、大きく変わった。後輪を駆動するモーターのパワーが大きくアップしているからだ。現行プリウスでは、リアモーターの出力は5.3kWだが、新型は30kWへと大きくパワーアップ(ノア/ボクシーやカローラのハイブリッドと同様)。

今回の試乗は、短いテストコースのため、上りあり下りあり、きついカーブありだったが、グイグイとリアが押しだしてくれた。

シャシーは、基本的に現行モデルと共用だが、手を入れるべきところは、ちゃんと改良している、という。剛性アップがひとつ。くわえて、動きの自由度が上がったサスペンションアームや、反応が速くなったステアリング・システムなどが実現。あきらかにクルマとして一ランク上がった印象だ。

同時に、先述したとおり、ハンドリングが向上しているため、大きなトルクがかかっても、車両の姿勢はつねに安定。タイヤが橫方向にかかるGに負けそうになることもなく、カーブでは入口から出口での加速にいたるまで、一定して速い。

「なるべく多くのかたに乗ってもらいたい」と、前出の大矢主査が語るプリウス。

コストが大きくかかる新技術は採用できなかったかもしれないが、丁寧な改良がしっかり成果を上げている。その印象が強いモデルだ。

文・小川フミオ 写真・トヨタ自動車

こんな記事も読まれています

最高時速349.4キロは当時の世界最速市販車! 30年前の個体なのに走行距離5600キロの極上ジャガー「XJ220」を発見 どんなスーパーカー?
最高時速349.4キロは当時の世界最速市販車! 30年前の個体なのに走行距離5600キロの極上ジャガー「XJ220」を発見 どんなスーパーカー?
VAGUE
トヨタ新型「和製スーパーカー」まもなく登場に期待の声! 爆速「V型10気筒エンジン」搭載もある「超ロングノーズ」がスゴイ! 開発進む「GR最強モデル」に反響殺到!
トヨタ新型「和製スーパーカー」まもなく登場に期待の声! 爆速「V型10気筒エンジン」搭載もある「超ロングノーズ」がスゴイ! 開発進む「GR最強モデル」に反響殺到!
くるまのニュース
メルセデスベンツ、アップルウォッチで車両情報を確認可能に
メルセデスベンツ、アップルウォッチで車両情報を確認可能に
レスポンス
製造期間わずか[10カ月]!? 初代[シビック]のスポーツモデルである[シビック1200RS]が想像以上にヤバい
製造期間わずか[10カ月]!? 初代[シビック]のスポーツモデルである[シビック1200RS]が想像以上にヤバい
ベストカーWeb
同乗者が12歳未満だらけなら7人乗りミニバンに10人乗れるってマジ!? 安全面で問題のある道交法の「乗車定員」の考え方は見直すべきだろ!
同乗者が12歳未満だらけなら7人乗りミニバンに10人乗れるってマジ!? 安全面で問題のある道交法の「乗車定員」の考え方は見直すべきだろ!
WEB CARTOP
トランプ再選で「台湾軽視」加速? 日本企業3000社以上進出、有事リスクをどう捉えるべきか
トランプ再選で「台湾軽視」加速? 日本企業3000社以上進出、有事リスクをどう捉えるべきか
Merkmal
「すごい横転事故…」 首都高羽田線が一時「通行止め!」 東品川の“合流部”で「衝突事故」発生 「完全ストップ」で2車線ふさぐ… 湾岸線や海岸通りも大混雑に
「すごい横転事故…」 首都高羽田線が一時「通行止め!」 東品川の“合流部”で「衝突事故」発生 「完全ストップ」で2車線ふさぐ… 湾岸線や海岸通りも大混雑に
くるまのニュース
ソニー・ホンダの次世代EV『AFEELA』にZoom導入、車内会議が可能に
ソニー・ホンダの次世代EV『AFEELA』にZoom導入、車内会議が可能に
レスポンス
トヨタ、WRCマニュファクチャラー選手権4連覇。エバンス今季初優勝、全3台がラリージャパンの上位占める
トヨタ、WRCマニュファクチャラー選手権4連覇。エバンス今季初優勝、全3台がラリージャパンの上位占める
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:バトルよりタイヤ温存を優先。ノリスの前でフィニッシュするための戦略を遂行したフェルスタッペン
レッドブル&HRC密着:バトルよりタイヤ温存を優先。ノリスの前でフィニッシュするための戦略を遂行したフェルスタッペン
AUTOSPORT web
マーベリック・ビニャーレスの最新レプリカモデル「RX-7X マーベリックオークリー」がアライヘルメットから登場!
マーベリック・ビニャーレスの最新レプリカモデル「RX-7X マーベリックオークリー」がアライヘルメットから登場!
バイクブロス
ガッチリ固定・ワイヤレス充電「スマートフォンホルダー +e」がデイトナから発売!
ガッチリ固定・ワイヤレス充電「スマートフォンホルダー +e」がデイトナから発売!
バイクブロス
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
レスポンス
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
くるまのニュース
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
バイクブロス
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
レスポンス
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
ベストカーWeb
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

11件
  • さっそくユーチューバーがベタ褒めですな
  • 走り云々の前に現代の実用車としてあのフロントの乗降性はないと思う…。
    頭ぶつけるどころか耳ぶつけるレベル。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村