マイナーチェンジしたトヨタ「カローラ ツーリング」のハイブリッド モデルに小川フミオが試乗した。今や希少な和製ステーションワゴンの実力とは?
第5世代のハイブリッドを搭載
SUVばやりだけれど、機能性を考えると、ステーションワゴンの魅力は無視できない。トヨタ自動車が2022年10月に送り出した新しいカローラ ツーリングは、伸びやかなルーフラインが若々しく、ある種のスポーティさすらある。
マイナーチェンジを受けたカローラ ツーリングのラインナップは、1.5リッター ガソリンエンジン(セダンの「カローラ」と同じエンジン)と、1.8リッター ガソリン エンジン+モーターのハイブリッドからなる。前者は前輪駆動のみ、後者では前輪駆動と「E-Four」という4WDが選べる。
今回試乗したのは、ハイブリッドのE-Fourだ。エンジンの最高出力は72kWで最大トルクは142Nm。これに、185Nmのトルクをもつフロントモーターと、84NmのE-Four用リアモーターが組み合わせられる。
すべての電動モジュールが刷新された、と、トヨタが謳うとおり、システムが第5世代に進化した。具体的には、モーター出力が従来比プラス16%に上がり、E-Fourのモーターも従来比で出力が6倍、最大トルクが1.5倍に増加している。
結果として、ことにE-Fourでは、低ミュー路の発進がやりやすくなったことにくわえ、ドライ路面でも旋回時に積極的に後輪の駆動力をアシストすることでハンドリング向上にも寄与している、とトヨタではしているのだ。
このシステムは、さきにフルモデルチェンジした「ノア」および「ヴォクシー」に搭載され、実力が証明されているものだ。
乗ると、すぐに、トヨタ開発陣の意図したところが伝わってくる気がする。走り出しのスムーズさと、高速での中間加速は、期待いじょうだった。
車重が1.4tと比較的軽いのもありって、重い車体を大きなトルクで走らせる大きめサイズのSUVなどとまた異なり、アクセルペダルの踏み込みに対する加速のフィーリングは、なかなかよい感じだ。
パワートレインに関して、もうひとつ、私が感心した点がある。強めの加速をしたときのエンジン サウンドだ。ほかのノイズとともにうまく丸めてあり、耳ざわりでない。
ただし、路面からのノイズはけっこう大きくて、荷室がむきだしでキャビン背後にあるせいか、速度があがっていくと、ちょっとやかましい。
雰囲気のあるクロスオーバーいいところは、内外装における細やかな気配りを感じさせる仕上げだ。エクステリアは、さきに触れたとおり、長めの前後長をもつルーフと車体がつくるプロポーションのよさが魅力である。
くわえて、試乗車のボディは白色の「クリスタルパールホワイトシャイン」(オプション)で、ルーフとピラーの一部が「アティチュードブラックマイカ」なる黒色の2トーンの塗り分けをもつ仕様だった。これがなかなかよく合っていて、車体色の工夫で、クルマの印象がぐっとスポーティになるものだなぁと私は感心。
内装ではとくにシートがイイ。ホワイトと、濃淡のあるグレイの組み合わせが、ドアを開けたときに、はなやかで嬉しい驚きを与えてくれた。素材はサイド部分が合成皮革で、からだがつねに触れるところが滑りにくいレザテック。シートは、見た目だけでなく、座り心地も良好だった。
ダッシュボードやドアの内張りなどもクオリティが高く感じられて、実用的なステーションワゴンというより、雰囲気のあるクロスオーバーといった印象を受けた。
全長4495mmのボディに対して、ホイールベースは2640mm。数字からするとパッケージは悪くないはずだけれど、後席の乗り降りはややキツい。ドアを開けたときのサイドシルが高めで、足入れがややツラいのと、ドアの内張りがぶ厚くて、身体を入れるスペースが限られているからだ。
前席中心とか、後席には子どもが乗るというユーザーはともかく、つねに大人が後席を使うという場合は、実際に自分で体験してほしい。ドアヒンジまわりを改良してドアの開口角度をもうすこし大きくすることは出来ないのだろうか? そんなことも思った。
試乗したW×BハイブリッドE-Fourの燃費はリッターあたり27.3km(WLTC)と良好だ。高速を使ってのロングツーリングが多いというなら、ガソリン車を考慮してもいいかもしれないが、市街地を中心に使って、休日は郊外に足を延ばすなんてひとなら、ハイブリッドという選択がありだろう。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹
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それなら運転してるチー牛ヲタクもお洒落になっちゃうから