現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > レッドブルF1の風洞建設作業に遅れが生じる。使用できるのは「2027年型マシンの開発から」と代表

ここから本文です

レッドブルF1の風洞建設作業に遅れが生じる。使用できるのは「2027年型マシンの開発から」と代表

掲載 2
レッドブルF1の風洞建設作業に遅れが生じる。使用できるのは「2027年型マシンの開発から」と代表

 レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、チーム待望の新しい風洞は2026年まで稼働しないことを明かした。

 レッドブルの新しい風洞は最高性能の設備を有する施設だが、建設地の変更があり、新たに建設許可を取得する必要が生じ竣工が遅れている。そのため風洞の建設開始は2024年にずれ込み、完成は2026年となる見込みだが、これによりチームがこの風洞の機能を活用できるのは2027年型マシンの開発からということになる。

2024年はチーム間の差が縮まると予想も、フェルスタッペンはF1タイトル争いに自信「10勝しかできなくてもいい」

 現在、レッドブルはベッドフォードにある風洞を利用している。2004年にジャガーF1チームを買収した際に取得した施設だ。元々は1940年代に航空機の開発のために建設されたものだが、数十年を経るうちにさまざまな機能が強化されてきた。だがレッドブルは2021年の予算制限違反によりFIAから12カ月間の空力開発制限を科されたので、2023年シーズンは10月になるまでこの風洞をほとんど利用できなかった。

「ペナルティを消化するにつれ、10月には風洞の利用可能時間が少し増えた」とホーナーは『Speedcafe』に語った。

「利用可能時間が7%増えた。だが、これは他のチームに比べて8%も少ない数値だ。レギュレーションでそう定められており、いかんともしがたい」

「我々が持っている風洞は冷戦時代の遺物であり、あまり効率がよくない。とりわけ、イギリスでよくある寒い天候下ではそうだ。だから、何に風洞を使うかについて厳選に厳選を重ねなければならない。我々のチームはそこのところを非常にうまくやった。開発をどこに振り分けるか、選択が非常にうまかった」

「風洞は未来においてあらゆる意味で重要になる施設なので、我々も時流に乗り、新たな風洞に投資しなければならない。その建設が2024年中に開始する」

 レッドブルが新しい風洞の成果を手にするのはいつかと質問されたホーナーは、2027年型マシンから開発の一部を新風洞で行うことになるだろうと述べた。

「多分2027年型に向けてだ。シーズンの途中で導入したくない。年間を通じて単一の風洞を使用する必要がある。となると、2027年型のマシン以降ということになる」

 レッドブルは過去2年間、ミルトンキーンズのキャンパスに対して多大な投資を行ってきた。エンジン開発を行うレッドブル・パワートレインズの新建屋を建設し、各種設備を設置してきた。新たな風洞の建設はさらなる巨額の投資を要する。レッドブルの共同創設者ディートリッヒ・マテシッツが昨年この世を去ったものの、レッドブル・レーシングは依然としてオーストリアに拠点を置く親会社から潤沢な資金を受け取っている。

「ディートリッヒの逝去後、株主、タイの株主、ディートリッヒの子息を通じたマテシッツ家などから支援を受け、今年はかつてないほど多くの建屋を建設できた」

「イギリスのキャンパスへの資金提供は莫大だ。最高性能の風洞を持つことについて、この19年間にわたって議論が行われてきた」

「パワートレインズは3年間で500人近くのスタッフを雇用し、我々自身の製造能力を備えた最新鋭の施設を建設できるところまできたが、このことからいかに株主が我々を支援してくれているかがわかる。またチームの長期存続に向けた彼らの支援を示すものでもある」

 ホーナーは、レッドブル本社による多大な支援は、F1が親会社のマーケティングにとっていかに強力な武器となっているかを物語るものだと話す。

「F1が利益を生むことも示されている。F1がもたらす販売本数の増加を調べると、通常の売り上げに加えて、F1活動が3億2000万本以上の販売本数を生んでいることがわかる」

「これはレッドブル・レーシングがレッドブル販売本数で世界のトップ10カ国に入るほどの数だ。つまり、F1は利益を生むのだ。株主やレッドブル本社に利益をもたらし、パートナー企業にも利益をもたらす。だからF1に参入してくるパートナー企業が引きも切らない。F1というスポーツの健全性、もたらす利益、新たなファンなど、かつてないほどの強さがいまのF1にはある」

「だからこそ、未来を正しく見据え、2026年以降のレギュレーションを適切に定めることが大事なのだ。我々みなが責任を共有している。チームとして、運営母体として、商業権保持者として、2026年に向けた材料を適切に獲得することが重要だ」

こんな記事も読まれています

えぇ……エンブレム多すぎじゃない?! 主張が激しすぎた日産ミニバンのパイオニアがヤバすぎ
えぇ……エンブレム多すぎじゃない?! 主張が激しすぎた日産ミニバンのパイオニアがヤバすぎ
ベストカーWeb
椅子取りゲームとプラマック×ヤマハ。ヤマハが新型エンジンで試す事/MotoGPの御意見番に聞くオランダGP
椅子取りゲームとプラマック×ヤマハ。ヤマハが新型エンジンで試す事/MotoGPの御意見番に聞くオランダGP
AUTOSPORT web
KINTO 法人・個人事業主向けサポートデスク開設 ユーザーごとに専任担当が対応
KINTO 法人・個人事業主向けサポートデスク開設 ユーザーごとに専任担当が対応
グーネット
参加型イベント「マツダファンフェスタ2024」開催!家族でマツダ車を満喫する2日間に
参加型イベント「マツダファンフェスタ2024」開催!家族でマツダ車を満喫する2日間に
グーネット
軽自動車にナンバーの[封印なし]!! [車庫証明]も不要な意外なワケ
軽自動車にナンバーの[封印なし]!! [車庫証明]も不要な意外なワケ
ベストカーWeb
アバルト「695」最後を飾る限定車!ゴールド×黒のコントラストで重厚感を演出
アバルト「695」最後を飾る限定車!ゴールド×黒のコントラストで重厚感を演出
グーネット
三菱「トライトン」が“移動するDJブース”に!全国のダンスイベントを盛り上げる
三菱「トライトン」が“移動するDJブース”に!全国のダンスイベントを盛り上げる
グーネット
333馬力を放つ『ゴルフR』『Rヴァリアント』が世界初公開。進化を続けるフォルクスワーゲン最強モデル
333馬力を放つ『ゴルフR』『Rヴァリアント』が世界初公開。進化を続けるフォルクスワーゲン最強モデル
AUTOSPORT web
大変失礼だけど[イタフラ車]だけで大丈夫なの!? しかも土地代バカ高い世田谷だよ!? 老舗ラテン系専門中古車店のビジネスの実態が衝撃
大変失礼だけど[イタフラ車]だけで大丈夫なの!? しかも土地代バカ高い世田谷だよ!? 老舗ラテン系専門中古車店のビジネスの実態が衝撃
ベストカーWeb
アロンソの“個人的な要望”から生まれたV12+6MTの限定車『ヴァリアント』がグッドウッド出走へ
アロンソの“個人的な要望”から生まれたV12+6MTの限定車『ヴァリアント』がグッドウッド出走へ
AUTOSPORT web
「失敗作の汚名挽回!!」大胆イメチェンで一発逆転!! 大成功したクルマたち
「失敗作の汚名挽回!!」大胆イメチェンで一発逆転!! 大成功したクルマたち
ベストカーWeb
ガソリンがリッター424円! 激高なアウトバーンのスタンドで給油せずに節約するためにとった方法とは?【みどり独乙通信】
ガソリンがリッター424円! 激高なアウトバーンのスタンドで給油せずに節約するためにとった方法とは?【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
フォルクスワーゲンが新型車5モデルを同時に発表|Volkswagen
フォルクスワーゲンが新型車5モデルを同時に発表|Volkswagen
OPENERS
【635ps/750Nm】トップ・オブ・新時代ディフェンダーあらわる ランドローバーからディフェンダー・オクタ発表
【635ps/750Nm】トップ・オブ・新時代ディフェンダーあらわる ランドローバーからディフェンダー・オクタ発表
AUTOCAR JAPAN
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
AUTOCAR JAPAN
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
AUTOSPORT web
中国からの刺客 BYD新型EVスポーツセダン「SEAL(シール)」販売開始 
中国からの刺客 BYD新型EVスポーツセダン「SEAL(シール)」販売開始 
AUTOCAR JAPAN
フォルクスワーゲン、5つの新型車を同時発表『Tクロス』『ティグアン』『パサート』『ゴルフ/同ヴァリアント』が順次発売
フォルクスワーゲン、5つの新型車を同時発表『Tクロス』『ティグアン』『パサート』『ゴルフ/同ヴァリアント』が順次発売
AUTOSPORT web

みんなのコメント

2件
  • よしたろう
    しかしその古い風洞で開発したマシンが3年連続チャンピオン。
  • wat********
    コイツらには バジェットキャップは無いw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村