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採石場ではスタック不可能? フォード・レンジャー・ラプター ジープ・ラングラー 直接比較 後編

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採石場ではスタック不可能? フォード・レンジャー・ラプター ジープ・ラングラー 直接比較 後編

最高出力272psの2.0L直4ターボを積むジープ

グレートブリテン島は、今日も曇っていた。採石場の地面はグレーとブラウン。実際に2台を競わせてみたが、先へ進めなくなる状況へは簡単に持ち込めない。ガソリンタンクへ水を注いだり、80km/hで岩にぶつけない限り、延々と走り続けそうに思える。

【画像】採石場ではスタック不可能? レンジャーとラングラー グラディエーターとブロンコも 全114枚

それでも、両車の処理能力には違いがある。ラングラーのスペックシートを見比べると、グレードによって四輪駆動システムが異なることがわかる。今回試乗車にやってきたのは、英国のトップグレードに位置するアンリミテッドの「ルビコン」だ。

エンジンは2.0Lの直列4気筒ターボガソリンで、最高出力272ps、最大トルク40.7kg-mを発揮する。車重は1903kgと、フォード・レンジャー・ラプターより軽い。

トランスミッションは8速オートマティックで、2WDハイ、4WDハイ、4WDローのトランスファー・レシオを備える。足回りは前後ともリジットアクスルにコイルスプリングという組み合わせ。前後のデフはロックできる。

起伏の大きい場所でサスペンションのストロークを長くしたい場合は、アンチロールバーをアクスルから切り離せる。路面とボディの角度は、フロント側のアプローチ・アングルが43.9度、リア側のデパーチャー・アングルが37度もある。

ホイールベース間のブレークオーバー・アングルは22.5度。最低地上高は274mm、最大渡河性能は760mmとなっている。タイヤは17インチのBFグッドリッチで、255/75を履く。オプション次第で、これらの数字は変化するが。

ラングラーには、ショートボディの2ドアもある。深い水場に備えて、シュノーケルも装備できる。

路面とボディとの角度が示す走破性

レンジャー・ラプターは、そこまでシリアスではない。トランスファーで2WDハイ、4WDハイ、4WDローを選べ、前後にデフロックが備わり、BFグッドリッチ・タイヤを履くことは、ラングラーと共通している。

ただし、サスペンションはフロントにウイッシュボーン式を採用。リアはリジットアクスルとなる。アンチロールバーを切り離すことはできないが、先述の通りダンパーは高性能なものが組まれる。トランスミッションは10速オートマティックだ。

レンジャー・ラプターはピックアップトラックだから、ボディは長い。路面とボディの角度は、フロントのアプローチが32度、リアのデパーチャーは24度、最低地上高は272mmと若干劣る。ブレークオーバーは24度、渡河性能は850mmと僅かに優れる。

オフローダーにとって、これらの数字はとても重要になる。シャシーやボディをこすらずに走れる性能を示しているといっていい。ラングラーの場合、急勾配に差し掛かっても前後のバンパーが地面に当たる割合は大幅に少ないといえる。

小回りが利くのもラングラー。前後のアクスルを伸ばし、路面を巧みに掴み続ける。複雑な岩場では、確かに能力の差が出る。過酷な場所へ、より簡単に立ち向かえる。

全長4882mm、全幅1894mmとひと回り小さく、ボディの見切りが良いという特長が活きる。必要ならルーフやドア、フロントガラスを取り外し、より軽くもできる。筆者がカリフォルニアに住んでいたら、ラングラーを普段の足に使いたい。

テールスライドさせながら豪快に周回

とはいえ、レンジャー・ラプターも問題なく走破してみせた。今回の環境で同様に挑ませてみると、まったく引けを取らない。

一方で、採石場の周囲を回る平坦なオフロードコースでは、テールスライドさせながら豪快に周回できる。乗り心地は跳ねるものの、3速に入れたままハイスピードを保てる。

ドライブモードでダンパーをバハ・モードへ切り替えると、順応性が高まる。ボディをフラットを保ちつつ、タイヤが高速で上下に動き、路面を捉える様子には驚かされる。

車内では、比較的リラックスしたまま会話も楽しめる。ステアリングが不意に取られることもない。

ラングラーで同じコースを飛ばしてみると、前後のアクスルが引き締まっていることを実感する。速度域が低くなると、フロントが上下に動くピッチングが増える。ステアリングホイールの感触は褒めにくく、風切り音も大きい。

もっとも、ラングラー・アンリミテッドは砂漠でのラリーを前提としたようなモデルではない。フォードも、ラングラーのライバルとして新しいブロンコをリリースしている。今回の2台は、本来は別のカテゴリーにある。

主に活躍するであろうシーンによって、レンジャー・ラプターを選ぶべきか、ラングラーを選ぶべきか、候補の順位は変わるだろう。英国の場合、後者の方がより一緒に暮らしやすいとは思う。オフロードも楽しみやすい。

しかし、レンジャー・ラプターに適した場所があることも間違いない。どちらも非常に魅力的なオフローダーなことは事実だ。

レンジャー・ラプターとラングラー・アンリミテッドのスペック

フォード・レンジャー・ラプター(英国仕様)

英国価格:5万8900ポンド(約948万円)
全長:5381mm
全幅:2028mm
全高:1922mm
最高速度:178km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:7.2km/L
CO2排出量:315g/km
車両重量:2454kg
パワートレイン:V型6気筒2956ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:292ps/5500rpm
最大トルク:49.9kg-m/2300rpm
ギアボックス:10速オートマティック

ジープ・ラングラー・アンリミテッド 2.0ルビコン(英国仕様)

英国価格:6万2280ポンド(約1002万円)
全長:4882mm
全幅:1894mm
全高:1848mm
最高速度:180km/h
0-97km/h加速:7.1秒
燃費:8.4km/L
CO2排出量:269g/km
車両重量:1903kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:272ps/5250rpm
最大トルク:40.7kg-m/3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • スタック不可能って、日本語の使い方としては、どうだろう?
    違和感あるなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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