収益性の低さとラインナップ刷新で
英国の自動車メーカーであるJLR(ジャガー・ランドローバー)は、ジャガーブランドの刷新に伴いFペイスを除く全車種を廃止する。EV専用の高級ブランドとして立て直す計画だ。
【画像】ジャガー初のコンパクトSUVも生産終了へ【ジャガーEペイスを写真で見る】 全16枚
今回、オーストリアのマグナ・シュタイヤーが組み立てている小型SUVのEペイスとバッテリーEVのIペイスの廃止が明らかになった。6月にはすでに英国製のXE、XF、Fタイプが生産終了している。
JLRのエイドリアン・マーデルCEOはこの決定について、「どれも採算ゼロに近い製品だ」と述べた。正式な生産終了時期についてはまだ明らかにしていない。
昨年の販売台数は、Fペイスが2万1943台、EVペイスが7897台、Iペイスが4874台だった。英国では、Fペイス単体で他の6車種の合計販売台数を上回り、7000台を達成した。
JLR全体の販売台数は現在、レンジローバー、レンジローバー・スポーツ、ディフェンダーが大半を占めており、これも決定打となったと考えられる。これら3車種のSUVで、JLRの半期世界販売台数11万1180台の59%を占めている。
「当社は5つの製品を廃止します。すべて低価格の車種です。どれも収益性の高いものではないため、新たに設計したアーキテクチャーを持つ新型車に置き換えます」と、マーデルCEOは投資家向けの説明会で語ったという。業界誌Automotive News Europeが報じている。
ジャガーの新世代ラインナップの筆頭となるのが、来年導入予定の最高出力600psの電動4人乗りGTモデルである。これに続き、2026年には高級SUV、そして大型高級セダンが登場すると考えられている。これらはすべて、ジャガーブランド専用のJEAプラットフォームを採用し、現行ラインナップとはまったく関係のないものとなる。
北米部門のジャガー・ノースアメリカのジョー・エバーハートCEOは以前、次のように語っていた。
「新型車が登場するまで、継続的に車両を供給できるような生産スケジュールを組むつもりです。新製品の発売まで十分な量を確保し、問題なく引き継ぎできるようなタイミングを計っています」
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