ベントレー・モーターズはこのほど、同社のビスポーク部門「マリナー」が手がけた世界12台の限定モデル「ベントレー・マリナー・バカラル」(以下バカラル)を、英国のクルー本社で発表した。
2019年夏に発表されたコンセプトカー「EXP 100 GT」に導入されたデザインDNAとサスティナブルな素材を踏襲
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バカラルは、ベントレー創立100周年を記念して製作され、2019年の夏に発表されたコンセプトカー「EXP 100 GT」で導入されたデザインDNAとサスティナブルな素材を踏襲したモデル。ラグジュアリーカーメーカーとして初めてカーボンニュートラル認定取得工場でハンドメイドされ、ラグジュアリーカーの未来をマリナーが示すものである。
バカラルというネーミングは、メキシコ・ユカタン半島にある現実離れした美しさで知られるバカラル湖に由来。世界の素晴らしいランドマークにちなんで命名するのは、2015年のベンテイガから始まった手法だ。
「バルケッタ(小舟)」デザインのエクステリアは、個性的な前後のライトを含めて、コンセプトカー「EXP 100 GT」を踏襲した彫刻のような美しさが際立っている。キーレスエントリーシステムを搭載する関係で、ドアハンドルはコンチネンタルGTと共有しているが、それ以外のボディパネルはオリジナルだ。テーパー形状のドライマティックなリヤカウルは、乗員を心地良く包み込みながらダイナミックな走りでドライバーを楽しませる実力の持ち主であることを示している。
ラップアラウンドデザインのコックピットはすっきりと美しく、角度をつけた新設計のセンターコンソールからダッシュボード、ドアへとシームレスなラインを描き、包み込むようにそのままリヤへと流れていく。シート後方に半密閉式のラゲッジスペースが設置されている点もキャビンの特色として挙げられる。
「EXP 100 GT」では、環境に配慮した方法で採取されたサスティナブルな素材が初めて採用されたが、このバカラルでもそれを実現している。深みのあるメタリックな塗装の仕上がりは、もみ殻の灰を原料に使用。英国産ウールやイーストアングリア地方フェンランドで発見された5千年以上前の倒木「リバーウッド」も用いられている。
世界でわずか12台のみが発売されるこのバカラル、そのオーナーはすでに決定しているとのこと。
このバカラルの誕生を機に、マリナーはとくに目の肥えたカスタマーのためだけに特別なクルマをコーチビルドするという原点に立ち返るとともに、新たな体制として、「コーチビルド」「クラシック」「コレクション」の3本柱で展開していく。
今回発表されたバカラルは「コーチビルド」部門が手がけた第一号車。今後ベントレーのビスポーク車両は、すべてこのコーチビルド部門が製作することになる。
昨年同社は1929年製「ブロワー・ベントレー」をオリジナルに忠実に復刻させることを発表しているが、この復刻作業を手がけるのが「クラシック」部門。戦前のレーシングカーの復刻モデルを、「継続」の意味を込めて「コンティニュエーションシリーズ」として一台一台を手作業で製作するのは世界で初めてとなる。
そして「コレクション」は、先ごろ発表された「新型コンチネンタルGTマリナー・コンバーチブル」のように、ベントレー・ラインナップからラグジュアリー性をさらに高めた派生モデルを製作する。新車を購入するカスタマーのためのカスタマイズにも対応するのがこの部門となる。
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