現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 6年過ぎてなぜ?「フリード」がミニバン1位になったワケ そもそも競合がシエンタだけなのは

ここから本文です

6年過ぎてなぜ?「フリード」がミニバン1位になったワケ そもそも競合がシエンタだけなのは

掲載 14
6年過ぎてなぜ?「フリード」がミニバン1位になったワケ そもそも競合がシエンタだけなのは

追随許さず? 「シエンタ」差し置いて売れた「フリード」

 2022年の新車販売台数において、ホンダの「フリード」が3列シートのミニバンで、国内ナンバー1となりました。

スズキの新型3列ミニバン「ランディ」発売 顔が変わった? メーカー乗り換えたから!

 フリードは、初代モデルが2008(平成20)年に登場し、5ナンバーサイズのコンパクトなボディに3列シートを備え、「ちょうどいい」をキャッチフレーズに人気モデルとなりました。2代目となる現行モデルは2016(平成28)年のフルモデルチェンジ。それから6年目で初めて栄冠をつかむことができたのです。

 では、なぜナンバー1を得たのが、モデル末期とも言える6年目だったのでしょうか。

 まず言えるのは、フリードの人気の高さは、ポジショニングの良さにあるということです。3列シートのミニバンは、大きさごとに、ざっくりと3つのグループに分けることができます。一番小さいのが、1.5Lクラスのエンジンを搭載するBセグメント・クラスで、ホンダのフリード、トヨタの「シエンタ」が該当します。

 その上は、2LエンジンのCセグメント相当。該当するのは、ホンダ「ステップワゴン」、トヨタの「ノア/ヴォクシー」、日産の「セレナ」です。そして最後に、3L相当のエンジンを搭載する一番大きなクラス。トヨタの「アルファード」、日産の「エルグランド」となります。

 その中でフリードは、最も小さなクラス。そして小さいということは安いということ。そして安いということは数多くの販売が見込めることを意味します。

 さらに、現状でフリードのライバルとなるのは、シエンタただひとつです。ホンダ、トヨタ以外のメーカーの状況はどのようなものなのでしょうか。

 まず日産です。日産は2020年投入のキックスが10年ぶりの新車種であったように、日本市場向けの新規モデル投入には消極的でした。フリードクラスのBセグメント3列ミニバンが売れそうなのは、日本とアセアンくらいですから、中国と北米に注力する日産としては、新規開発は難しいと言えます。

フリード「逃げ切り」か

 マツダは、3列シートのSUVである「CX-8」を投入する代わりに3列シートのミニバンをやめています。スバルは、「エクシーガ」やその改良モデルの「クロスオーバー7」といった3列シート車はあったものの、いわゆる“ミニバン”には消極的で、3列シート車は全廃。そして、ダイハツとスズキは、フリードよりも下のクラスとなる、2列シートの「トール」と「ソリオ」で戦っており、3列シートミニバンには進出していません(OEM除く)。

 現状ではフリードのライバルは不在なのです。それだけナンバー1になりやすいというわけです。

 次にフリードが良かったのは時流です。端的に言えば、ライバルとなるシエンタのフルモデルチェンジ(FMC)の時期に恵まれました。シエンタは2022年8月23日の新型(3代目)登場に向かって、2022年前半は販売台数を落としていたのです。

 また、シエンタは生産の混乱や半導体不足などの打撃で、12月20日時点の納期は「詳しくは販売店にお問い合わせください」(トヨタHPの「生産遅延に基づく工場出荷時期目処の一覧」より)とあります。つまり、納期に半年以上かかりそうなのです。

 一方、フリードは2022年6月にマイナーチェンジして商品力を維持しつつ、納期も「半年程度」を堅持しました。その結果、1 8月の販売台数は、フリードが上回っており、その差を活かして、9月以降のシエンタの追撃から逃げ切り、ナンバー1の地位を獲得したというわけです。

 つまり、今年のフリードが販売台数ナンバー1になれたのは、「ライバルがシエンタのみという状況」「シエンタのFMCの落ち込みをうまく使った」という2つが理由と言えるでしょう。もちろん、デビュー6年目でも色褪せないフリードの高い商品力があったことも忘れてはいけません。

 ただし、シエンタの新型モデルが登場した2022年9月以降は、シエンタの販売が勝っています。2023年の販売はシエンタが有利なのは間違いありません。2023年こそが、フリードの真価が問われる年になるでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
一体何が!? シーズン終盤のF1レースディレクター交代劇にドライバーたちも驚き「ちょっと奇妙だよね……」
motorsport.com 日本版
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
VW、新型SUV「ティグアン」を発売 価格は487万1000~653万2000円
日刊自動車新聞
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
くるまのニュース

みんなのコメント

14件
  • フリードは確かに良いクルマだ。
    フィットの失敗もあり、旧フィットからの乗り換えもあり
    売れてるのは事実。
    ただし、いつも思うが販売台数1位ってのはいつも疑問だ。
    シエンタの様にバックオーダーを抱えているクルマもあり、正確には『納車台数』なのでは?
    販売台数だと1番売れたと勘違いしやすい。
  • フリード、ギラギラし過ぎず、かといってシエンタのような可愛らしい路線に行かず、今の世の中だとこのぐらいが一番売れるスタイルなんでしょうね。トヨタは勝負というよりは棲み分けを狙ったのかな?なので、フリードがFMCするんなら、丸っこいフィットをベースにどうやってキープコンセプトできるかが見ものです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.8343.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.2389.9万円

中古車を検索
フリードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.8343.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.2389.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村