ホンダといえば、皆さんクルマとバイクを世界中で開発・生産・販売しているイメージを持っているだろう。しかし、「パワープロダクツ」として発電機、芝刈り機、耕運機を、「マリン」として船外機を、「ジェット」として飛行機を作り、陸・海・空すべての移動を手がけるメーカーなのだ。
創業者・本田宗一郎の「水上を走るもの、水を汚すべからず」を信念として、1964年からつくり続けているという4ストロークエンジン船外機。今回は、その船外機のなかから、国内シェアで4割を占めていて、免許不要で誰でも楽しめる2馬力船外機の人気モデル「BF2」を試乗したので、その楽しさを皆さんにお伝えしたい。
これぞホンダスピリット!! “俺たちのタイプR”は今いくらで買える?
文・写真/編集部
【画像ギャラリー】あなたも船長になれる! 2馬力船外機「BF2」で行く砂川運河をご覧あれ
■陸・海・空の移動すべてに参入するホンダ その船外機が面白い!
今回試乗したのは、ホンダマリンが製造する2馬力船外機「BF2」だ。国内の2馬力船外機市場にはホンダ以外にも、ヤマハやスズキ、トーハツといったメーカーが参入している。そのなかで、ホンダはそのうちおよそ4割を占める人気ぶりだ。
こちらがホンダの2馬力船外機「BF2」。4ストローク空冷エンジンなので、オイルが水面に流れ出ることもないし、2ストのような排ガスも出ない。全開時はクルマで言えば、1速6000rpmをずっと維持していることになる。耐久性の高さも、自動車やバイクで実績のあるホンダの強みだ
人気となっている理由は3つある。ひとつ目は、ほかのメーカーが水冷式エンジンを採用しているなか、ホンダは空冷式エンジンを採用している点だ。水冷式の場合、海水を用いてエンジンを冷却するため、使用後には腐食を防ぐために洗浄(フラッシング)をしなければならない。しかし、BF2は空冷エンジンのため、その必要がなくお手入れが楽なのだ。
ふたつ目は、ホンダが誇る名車「カブ」に採用されているような自動遠心クラッチを、クラスで唯一搭載している点だ。これにより、ニュートラルから加速まで、スロットルグリップひとつで簡単に操作可能になっている。
ホンダ「カブ」と同じように、スロットルグリップひとつで操作が可能なので、慣れない人でも簡単に扱うことができる
3つ目は、4ストローク2馬力船外機クラスで最軽量となる13.6kgという、一人でも楽に持ち運びできること、そしてセダンのトランクにも入るほどコンパクトな点だ。
ホンダの船外機は、高出力となる75馬力から90馬力モデルでは「フィット」の1.5L 直列4気筒エンジン、115馬力から150馬力モデルは「アコード」の2.4L 直列4気筒エンジンと同じものを使用している。
さらに、175馬力から上のモデルではホンダのフラッグシップセダン「レジェンド」に搭載される3.6L V型6気筒エンジンを採用するなど、四輪モデルのエンジンがベースとなっていることで、高い信頼性と耐久性も保証している。
価格は、Sサイズで13万4200円(税込)、Lサイズで14万800円(税込)となっている。これに今回試乗したようなゴムボート(サイズにより15~30万円)をつけて、30万~40万円ちょっとで入手することができるのは非常に魅力的だろう。
こちらが今回試乗したミニボート(4人乗り)。規格ギリギリサイズのボートだが、実勢価格は25万円くらいとのこと。小さいほうが小回りが利くが、大きめのボートのほうが安定感が高く、波に対する不安感が少ない
■免許不要の2馬力だが 非日常を満喫できる魅力がスゴイ!
船の操船には免許が必要と思っている方も多いと思うが、この2馬力船外機は3.33m未満のボートに取り付ければ免許不要で、誰でも扱うことができる。もちろんクルマと同じく、正しい水上での知識は必要なのだが、誰でも船長になれて、非日常を満喫できるという特筆すべきよさがある。
購入者の8割が釣りを目的としていて、陸から釣りをしていたが、ちょっと沖で釣りをしてみたいという欲求から手を出すパターンが多いそうだ。
さて今回の試乗だが、発着は新木場(東京都江東区)にある「東京夢の島マリーナ」で、そこから砂町運河や辰巳橋を経由して、マリーナに戻ってくるという往復約1時間の試乗コースだった。
ミニボートの操船経験がない担当(ベストカーWEB編集部員)が試乗したのだが、レーシングカートのように水面まで近いこともあり、慣れるまでは10km/h程度という最高時速でもかなりの速さに感じた。
そして何より、棒状のスロットルグリップを直に握るため、エンジンの振動をダイレクトに感じられ、クルマよりもさらに操っている感を味わうことができる。
砂川運河を進む、船舶免許を持っていない担当。2003年に船舶免許に関する法律が改正されたことで、3.33m未満のミニボート+2馬力船外機では免許が不要になった
試乗したミニボートからの視点がこちら。水面まで1mもないので、スピード感もあるし、慣れるまではドキドキする
慣れるまではドキドキするが、少し乗れば操船の勝手がつかめる。非日常ともいえる水面から東京の街を眺めるのは新鮮で、最高に楽しいと感じた。
2馬力だからこそ誰でも体感できる非日常。3密を避けることができる、アウトドアが人気となっている今、自分の船を持ちたいというニーズにこたえてくれる船外機をぜひ一考いただければと思う。
■誰でも船長になれるけど注意も必要
さて楽しい時間を満喫するためには、注意すべきこともある。まず忘れてはいけないのが航続時間だ。1.1Lの燃料を搭載できる「BF2」は、スロットル全開で1時間の航行が可能ということだ。予備タンクを積むことは必須だが、1時間で出発地へと戻ってくるような航路どりを意識してもらいたい。
また今回試乗したコースは運河だったため、波が穏やかだったが、中型船が起こした引き波が来ると思った以上に気を使うシーンもあった。いきなり海に飛び出すのではなく、湖や川で練習してからのほうがお薦めだ。
一般社団法人 日本マリン事業協会が、ミニボートの安全のためのビデオも制作しているので、ぜひ興味のある方はご覧いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=12&v=TOgMVXEwW4o
■ホンダ 「BF2」 諸元表
エンジン:空冷4ストロークOHV単気筒
定格出力:1.47kW(2ps)/6000rpm
始動方式:手動
チルト方式:手動
燃料タンク:1.1L
トランサム高:571mm(LCHJ)/418mm(SCHJ)
乾燥重量(プロペラ含む):14.3kg(LCHJ)/13.6kg(SCHJ)
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