現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【初試乗】ベントレー ベンテイガV8は、W12と肩を並べる存在!《短評動画つき》

ここから本文です

【初試乗】ベントレー ベンテイガV8は、W12と肩を並べる存在!《短評動画つき》

掲載 更新
【初試乗】ベントレー ベンテイガV8は、W12と肩を並べる存在!《短評動画つき》

ベントレーが誇るスーパーラグジュアリーSUV「ベンテイガ」。上級モデルのW12に続いて、その弟分としてV8モデルがラインナップに加わった。しかし、このベンテイガV8、けっして控えめな存在ではなく、実は兄貴と比較しても遜色なしの出来栄えであった。REPORT/大谷達也(Tatsuya OTANI)

好感触のV8ツインターボエンジン!

驚異の運転感覚 ストレート6の新時代! メルセデス・ベンツSクラス S450エクスクルーシブ



V8だからといって、みくびってもらっては困る。

なにしろベンテイガV8に搭載されるV型8気筒 4.0リッター・ターボ・エンジンの最高出力は550ps/6000rpm、最大トルクは770Nm/1960~4500rpmで、先ごろ旧型となったコンチネンタルGTのV8モデル(507ps/660Nm)をしのぎ、W型12気筒モデル(590ps/720Nm)と肩を並べるレベルなのだ。

なぜ、ベンテイガV8のエンジンはこれほどのハイパフォーマンスを手に入れることができたのか?  そのプレスキットには“まったくの新設計”であることと、“ツインスクロール・ターボチャージャーを用いたホットインサイド式(吸気系をVバンクの内側にレイアウトしてレスポンスの向上を図ったV型ターボ・エンジンのこと)”としか記述はないが、もう少し深掘りしてみると興味深い事実が浮かび上がってきた。

第一に新型V8エンジンのボアストロークは86.0×86.0mmのスクエアで、84.5×89.0mmのロングストローク・タイプだった旧コンチネンタルGT V8用とは明らかに異なる。圧縮比も従来の9.3:1を大きく上回る10.1:1に設定されている。

実はこれらのスペック、最新のポルシェ・パナメーラ・ターボと基本的に共通。唯一異なるのは、ベンテイガV8の最高出力が6000rpmで生み出されるのに対し、パナメーラ・ターボでは5750~6000rpmと幅を持った表示になっているだけ。これをのぞけば最高出力、最大トルク、ボア☓ストローク、圧縮比などは完全に同じ。

さらに試乗会当日の取材ノートを改めて確認してみると、ベントレーでベンテイガのプロダクト・ライン・マネジャーを務めるピーター・ゲストのコメントとして「エンジンはポルシェとの共同開発」という記述があった。いずれも状況証拠に過ぎないが、ふたつのエンジンは基本的に同じと見てまず間違いないだろう。

実際のところ、試乗中にも“これまでのベントレーV8とは明らかに異なる……”と感じる部分があった。

その最たるものが、エンジンのレスポンス。巡航状態からスロットルペダルを踏み込んだ瞬間にグンとトルクが立ち上がり、力強く背中を押される感触が明確に伝わってくる。ここまでの軽快感というか、素早いエンジンの反応を旧コンチネンタルGT V8で感じたことはなかった。

いっぽうで、低速域の柔軟性や高速域の伸びやかさではベンテイガW12と遜色がなかった。ベンテイガV8の0→100km/h加速はW12より0.4秒遅くなって4.5秒、最高速度は11km/h低くなって290km/hと記されているが、前述したレスポンスの向上が絶対的なパフォーマンス低下分を補って余りあるものがある。したがって“W12より遅い”ことを理由にV8を敬遠する向きはまずいないだろう。

快適性の向上と高いスタビリティ。

足まわりの印象も興味深いものだった。前述のゲストは、V8のサスペンションについて「W12との50kgの重量差を補正するためにサスペンションの設定を変更したが、味付けの方向性はまったく変わらない」と語っていたが、なるほどベンテイガV8はアウトバーンの速度無制限区間で試した200km/hオーバーの超高速域であろうと、チロル地方の山間部を縫うように続くワインディングロードを流していても、しっかりとした足まわりでボディが支えられている印象が強く、いずれの状況でも不安を覚えなかった。

また、今回試乗したV8モデルは、これまで私が試したことのあるW12モデルよりもハーシュネスの処理が巧みで、快適性が大きく向上しているように感じられた。だからといってハンドリングがあいまいになったり、タイヤのダンピングが悪化して不快な振動が残ることもなく、きわめて快適。ちなみに、試乗車に装着されていたのは21インチのウィンタータイヤ。これに対して、私がこれまで試乗したW12モデルはいずれも22インチのサマータイヤを履いていたので、強いゴツゴツ感が苦手な向きは21インチをチョイスしたほうがいいだろう。

ベンテイガが道を選ぶことなく高いスタビリティを発揮するのは、48V電源を用いたアクティブアンチロールバーに依るところが大きい。ただし、W12モデルで標準装備だったこのシステムがV8モデルではオプション設定とされた。アクティブアンチロールバーを持たないベンテイガがどんな走りを見せてくれるのか実に興味深いところだが、残念ながらアクティブアンチロールバー非装着車に試乗するチャンスは得られなかった。この点は今後の宿題とさせていただこう。

今回は特別に用意された雪上コースで試乗する機会も短時間ながらあった。オンロードではあれほどしっかりしたロール剛性を発揮したベンテイガV8だったが、走行モード切り替えでスノーもしくはトレイル&マッドを選べば、アクティブアンチロールバーが柔軟にロールを許すことで滑りやすい路面から最大限のグリップを確保。スタッドレスタイヤほど雪や氷に強くない最高速度230km/hのウィンタータイヤでも充分なトラクション性能を生み出してくれたほか、雪上でのコントロール性も容易だった。とりわけロール剛性が一段と下がるトレイル&マッドではスタビリティコントロールが実質的に介入しなくなることもあって、豪快なオーバーステアの姿勢を作り出すことができた。

オンロードとオフロードの両方でこれほど優れた走行性能を発揮するのに、しっとりと落ち着いたキャビンでは最上級の寛ぎも味わえる。道を選ばないラグジュアリーSUVとして、ベンテイガは孤高のモデルといえるだろう。

【SPECIFICATIONS】
ベントレー ベンテイガ V8
■ボディサイズ:全長5140×全幅1998×全高1742mm ホイールベース:2995mm ■車両重量:2395kg(5席仕様) ■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ 総排気量:3996cc 最高出力:404kW(550ps)/6000rpm 最大トルク:770Nm/1960~4500rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク ■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク ■パフォーマンス 最高速度:290km/h 0→100km/h加速:4.5秒 車両本体価格:1994万6000円(税込)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2450.84006.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

950.04280.0万円

中古車を検索
ベンテイガの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2450.84006.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

950.04280.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村