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2025年のF1には卒業生が8名も! レッドブル・ジュニアとは? ユニークな“F1ドライバーの学校”に迫る

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2025年のF1には卒業生が8名も! レッドブル・ジュニアとは? ユニークな“F1ドライバーの学校”に迫る

 2025年シーズンのF1では、20名のうち半数近くがレッドブル・ジュニアことレッドブルの若手育成プログラムを経ている。

 その内訳を見てみると、ジャック・ドゥーハンとピエール・ガスリー(共にアルピーヌ)、アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.(共にウイリアムズ)、アイザック・ハジャーと角田裕毅(共にレーシングブルズ)、リアム・ローソンと現役世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)がモータースポーツ界で最も成功を収める育成プログラムを過去に経験した。

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 F1では、各チームが独自のドライバー育成プログラムを持っている。例えば、ジョージ・ラッセルはメルセデスのジュニアプログラムを卒業し、ウイリアムズを経てメルセデスへと昇格した。では、レッドブルの育成プログラムがユニークな理由はなんだろうか?

レッドブル・ジュニアとは?
 レッドブル・ジュニアは、エナジードリンクブランドで知られるオーストリアのコングロマリット、レッドブルGmbHが運営するドライバー育成プログラム。同社のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが代表を務めている。

 若手レーシングドライバーと契約し、業界内で輝かしいキャリアを築けるよう育成することを目的に、2001年に正式に設立された。

 レッドブルはF1直下のFIA F2からカートに至るまで、様々なドライバーを発掘し、最終的にF1へのステップアップを目指しシングルシーターシリーズを戦う若手ドライバーたちに資金を提供し、サポートしている。

 例えば、セバスチャン・ベッテルはカート時代に初めてレッドブルの支援を受け、リアム・ローソンはFIA F3初年度を前に17歳でプログラムに参加した。



 ジュニアプログラムの最終目標はF1世界チャンピオンの輩出。そのために、レッドブルはF1でふたつのチームを所有している。メインチームのレッドブル・レーシングと、2025年にはRBから正式にレーシングブルズへと変わる姉妹チームだ。

 レッドブルはジャガー・レーシングを買収し、イギリス・ミルトンキーンズにあるファクトリーを引き継いで、2005年にレッドブル・レーシングとしてF1デビューを飾った。

 クリスチャン・クリエンとビタントニオ・リウッツィがレッドブル・ジュニアとして初めてF1に参戦し、マクラーレンから移籍してきたデビッド・クルサードと共に2005年シーズンを戦った。

 レッドブル・レーシングのデビューイヤーはコンストラクターズランキング7位と振るわなかったが、翌シーズンは陣営としてのグリッドでの存在感を増した。レッドブルは1985年から2005年までF1に参戦していたイタリアのミナルディを買収し、イタリア語でレッドブルを指すトロロッソへとリブランディング。レッドブル陣営のジュニアチームとして稼働を開始したのだ。

 そのため、レッドブルのジュニアドライバーがF1デビューを飾る場合は、たいていイタリア・ファエンツァに拠点を置くトロロッソから出走し、印象的な活躍を見せればメインチームへと昇格する。



 2006年のデビュー以来、このイタリアンチームは様々な形でレースに参戦。トロロッソは2020年にレッドブルのファッションブランドであるアルファタウリへと変更され、2024年にRB、2025年からはレーシングブルズとなる。

 また、メインチームであるレッドブル・レーシングはF1史上最も成功を収めたチームのひとつとなった。

 レッドブル・レーシングはこれまでに、ドライバーズタイトルを8回(2010~2023年はベッテル、2021~2024年はフェルスタッペン)、コンストラクターズタイトルを6回(2020~2013年、2022~2023年)獲得し、21勝というシーズン最多優勝、15回の最多連勝、860ポイントというシーズン最多得点など数々の記録を更新してきた。

 ただ、全てのレッドブル・ジュニアがF1に踏み入れることができるわけない。プログラムの卒業生の多くは、世界耐久選手権(WEC)やインディカー・シリーズ、ドイツツーリングカー選手権(DTM)など、他のカテゴリーに参戦している。

レッドブル・ジュニアからF1に昇格できたドライバーは?
 2025年にレーシングブルズからシリーズデビューを果たす20歳のハジャーは、レッドブルの育成プログラムを経た17人目のF1ドライバーとなる。ローソンがレッドブル・レーシングへと昇格しフェルスタッペンのチームメイトとなるため、ハジャーは角田とコンビを組むこととなる。

 レッドブル・レーシングには長い間、姉妹チームから新進気鋭のドライバーが送り込まれてきた。2008年にイタリアGPで初優勝した後、2009年に昇格したベッテルがその第1号となった。

 ベッテルは、トロロッソからレッドブル・レーシングへ昇格する流れを作り、ダニエル・リカルドとフェルスタッペンがそれに続いた。ベッテルとフェルスタッペンはそれぞれレッドブル・レーシングでF1世界チャンピオンに4度輝き、リカルドは同チームで7勝をマークした。

 しかしレッドブル・ジュニアは同時に、非常にシビアなプログラムだ。すぐに好成績を残せなければ、そのドライバーの将来は疑問視されることになる。

 例を挙げると、ガスリーはトロロッソで1シーズンと4分の1を過ごした後、2019年にレッドブル・レーシングへ移籍。しかしフェルスタッペンを前に苦戦を強いられ、わずか12レースでBチームへと降格させられた。

 ガスリー後任のアルボンも同様の道筋を辿り、トロロッソでのF1ルーキーイヤー途中でレッドブル・レーシングへ昇格したものの、わずか1シーズン半でシートを降ろされた。

 アルボンにとって2020年シーズンは厳しい1年となり、ドライバーズランキングでは7位。3位のフェルスタッペンとは109ポイント差だった。2021年はF1グリッドから離れたものの、2022年からウイリアムズで現役復帰を果たした。

 F1から離れていた1年間、アルボンはフェラーリ488 GT3でDTMに参戦していた。これはレッドブル・ジュニア出身ドライバーがF1とその直下シリーズとは異なるカテゴリーに参戦していた数多くのレースのひとつに過ぎない。

 例えば、セバスチャン・ブエミはトロロッソでの3年間を経て、WECやフォーミュラEで成功を収めた。

 一方で岩佐歩夢はレッドブル・ジュニアとしてスーパーフォーミュラに参加し、2015年をこのプログラムで過ごしたカラム・アイロットは現在インディカーに挑戦。どちらもグランプリに出走したことはない。

 レッドブル・レーシングは稀にジュニア以外のドライバーを起用することもある。2021年には、アルボンの代わりとしてセルジオ・ペレスと契約を結び、ペレスは2024年まで在籍した。

 2011年にザウバーからF1デビューを飾ったペレスは、それまでレッドブル陣営に所属しておらず、2021年の移籍まで優勝1回、表彰台10回というF1キャリアを送っていた。

 しかし前所属チームのレーシングポイント(現アストンマーティン)が2021年からベッテルを起用することを決めていたため、ペレスは当時のキャリア最高位となるドライバーズランキング4位を獲得したものの、翌年のシートがないという状況に追い込まれた。

 そしてレッドブル・レーシングはアルボンの苦戦、そしてトップチームに足るレッドブル・ジュニアの不在も考慮し、2020年のアブダビGP終了後にフリーエージェント状態のペレスと契約した。

 クルサードとマーク・ウェーバーもレッドブル・レーシングから参戦したが、レッドブルの若手育成プログラムを経たわけではない。トロロッソ/アルファタウリのセバスチャン・ブルデーとニック・デ・フリーズもそうだ。

■レッドブル・ジュニア出身のF1ドライバー

ビタントニオ・リウッツィ
レッドブル・レーシング、トロロッソ、フォースインディア、HRT

スコット・スピード
トロロッソ

クリスチャン・クリエン
ジャガー、レッドブル・レーシング、HRT

セバスチャン・ベッテル
BMWザウバー、トロロッソ、レッドブル・レーシング、フェラーリ、アストンマーティン

セバスチャン・ブエミ
トロロッソ

ハイメ・アルグエルスアリ
トロロッソ

ダニエル・リカルド
HRT、トロロッソ、レッドブル・レーシング、ルノー、マクラーレン、アルファタウリ、RB

ジャン-エリック・ベルニュトロロッソ

ダニール・クビアト
トロロッソ、レッドブル・レーシング、アルファタウリ

カルロス・サインツJr.
トロロッソ、ルノー、マクラーレン、フェラーリ、ウイリアムズ

マックス・フェルスタッペン
トロロッソ、レッドブル・レーシング

ブレンドン・ハートレー
トロロッソ

ピエール・ガスリー
トロロッソ、レッドブル・レーシング、トロロッソ、アルファタウリ、アルピーヌ


アレクサンダー・アルボン
トロロッソ、レッドブル・レーシング、ウイリアムズ

角田裕毅
アルファタウリ、RB、レーシングブルズ
2021 - present

リアム・ローソン
RB、レッドブル・レーシング
2023 - present

アイザック・ハジャー
レーシングブルズ
Incoming for 2025


■レッドブル・ジュニアの現状は?

 2024年のスーパーフォーミュラでドライバーズランキング5位となった岩佐を筆頭に、現在は16名がレッドブル・ジュニアに所属している。

 岩佐は2021年にレッドブルの若手育成プログラムに加入し、F3に1年参戦した後、翌年からF2に昇格。F2で2年間を過ごし、2023年には5勝を挙げてドライバーズランキング4位となった後、母国日本に戻りスーパーフォーミュラに参戦した。

 その岩佐は2024年のF1日本GPフリー走行1回目にRBから出走。F1初セッションデビューを果たし、最終戦アブダビGPにも同チームから参加した。

 その他、2024年にF2でレースウィナーとなったジョゼップ・マリア-マルティや、F3ルーキーイヤーでドライバーズランキング4位となり2025年はF2昇格を果たすアービッド・リンドブラッドなどが所属。2025年からはニコラ・ツォロフやニクラス・シャウフラーもレッドブルの若手育成プログラムに加入する。

現在レッドブル・ジュニア所属のドライバー

ドライバー
加入年
2024年参戦シリーズ
岩佐歩夢
2021
スーパーフォーミュラ
ジョゼップ・マリア-マルティ
2023
FIA F2
オリバー・ゲーテ
2023
FIA F3
FIA F2
アービッド・リンドブラッド
2021
フォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト
FIA F3
ティム・トラムニッツ
2023
FIA F3
ニコラ・ツォロフ
2025
FIA F3
ユーロカップ3
エンツォ・デリニー
2023
フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ
F4 UAE
ジュール・カランタ
2024
F4 UAE
フランスF4
エンツォ・タルンヴァニチクル
2023
スペインF4
フォーミュラ・ウィンター・シリーズ
ジェームス・エゴジ
2024
スペインF4
フォーミュラ・ウィンター・シリーズ
エルネスト・リベラ
2024
スペインF4
フォーミュラ・ウィンター・シリーズ
フィオン・マクラフリン
2024
カート
スコット・リンドブロム
2024
カート
ロッコ・コロネル
2024
カート
クリストファー・フェガリ
2024
カート
ニクラス・シャウフラー
2025
カート

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みんなのコメント

3件
  • sky********
    角田があそこまでやられたのに
    こんな記事書けるの驚きだよ
  • やふーた
    ドライバー育成と言いながら、金づるドラ集め?!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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