ホンダがバイク向け「電子式クラッチ」の商標を出願中だ。レバー操作が圧倒的に軽くなる上に、クラッチレバー操作を伴う手動変速とオートマに切り替えられるのがメリット。本誌予想では、第1弾モデルが2024年春にも登場する!?
文/ベストカー編集部、写真/ホンダ
ホンダがバイク用電子クラッチ導入? 変速の楽しさもバッチリ! 24年本格導入が見えてきた
「ホンダE-クラッチ」の特許が公開
2019年3月にホンダが出願した特許。レバー根元にあるピストンらしきものが反力を発生。回転角センサーがレバーの動きを感知し、電気信号としてクラッチに送る
スクーターを除いて、バイクの変速機構はクラッチレバーとシフトペダルを使うマニュアル式が一般的。握りを軽くするアシスト機構付きのクラッチも増えてきたが、特に半クラッチを多用する渋滞ではレバーを握るのがツラいケースもある。
そんな中、ホンダが「電子式クラッチ」を導入する模様。2022年11月2日に「Honda Pro Clutch」、2023年1月18日に「Honda E-Clutch」という商標を日本で出願したほか、2021~2022年に大量の電子クラッチに関する特許を出願している。
本誌がつかんだ情報によると、名称は「Honda E-Clutch」で、2023年秋のショーに搭載モデル第1弾が発表されるようだ(詳細は後述)。
現在バイクのクラッチは、クラッチレバーからの入力をワイヤーか油圧で機械的に伝達しているが、こうした入力を電気信号とするのが電子クラッチ。
スロットルも近年までクラッチと同様にワイヤーで機械的に入力していた。しかし現在ではスロットルグリップのセンサーが入力を感知し、ワイヤ(電線)を通して電気信号でスロットルボディを操作する“スロットルバイワイヤ”が増加中。電子クラッチも同様の機構で、“クラッチバイワイヤ”と言い換えられる。
DCTと似ているが、レバー操作が可能
NC750XのようなDCT搭載バイクはクラッチレバーを備えず、オートマのほか、ボタンでの変速が可能。オプションのシフトペダルを装着すれば足元でも変速できる
この電子クラッチはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)とかなり似ている。
ホンダは2010年のVFR1200Fを皮切りにDCTをバイクに採用し、採用車種を拡大してきた。DCTはオートマモードとマニュアルモードを搭載。クラッチレバーは備えないが、ボタンやペダルでの変速も可能だ。
数々の特許を見ると、電子クラッチはクラッチレバーとシフトペダルを備えるが、使い勝手としてはDCTに近い。
特許によると電子クラッチは「自動制御を行うオートモードM1」「ライダー手動操作を行うマニュアルモードM2」「一時的な手動操作を行うマニュアル介入モードM3」という3種類の制御モードを装備。
オートモードM1は、多彩なセンサーによってクラッチ容量をコントロールし、スロットル操作だけでエンストすることなく発進可能。レバー不要で、シフト操作のみで変速でき、アイドリング相当の極低速時には自動でクラッチが切断される。
オートモードM1では、クラッチレバーを握ることで自動的にマニュアル介入モードM3となり、クラッチを任意に切ることも可能。マニュアル操作も受け付けるが、クラッチレバーを完全にリリースするとオートモードM1に戻る。
完全マニュアルのモードM2では極低速時でもクラッチが切れずに走行できる。レバー操作によってはエンストすることがあり、スロットル操作のみでの自動発進も不可。クラッチ制御の自動アシストは行うものの、従来のクラッチ操作とほぼ同じと言えるだろう。
なおオートとマニュアルモードは、停車中にモード切替スイッチを操作することで変更できる。
ラクチンなのに操る楽しさも忘れない
出願特許にあった図面。メーター上部のランプなどで3種類のモードの状態を示す
電子クラッチのメリットとして、まず大きいのは軽い操作感。ワイヤーや油圧が不要のため、レバー操作のために必要な力は従来以上に軽くて済む。
そして、ライダーサポート機能が充実している点もポイント。マニュアルモードでもエンジン回転数が極端に低くなり、エンスト間際になった場合、エンジン回転数や車速、慣性センサーなどが状況を感知し、自動的にある程度の回転数を上げる。
さらに、状況に応じてクラッチ接続を最適化する。一般的なバイクでは、スロットルを大きく開けた状態でクラッチをつないだ場合、急発進してウイリーしたり、変速ショックが大きくなる。また、急制動や過度のエンジンブレーキがかかった場合も後輪がロックしたり、浮き上がることも。
こうしたケースでも、電子クラッチは状況を検知して最適なクラッチを接続を行い、スムーズな駆動伝達を行うという。
加えて、ライダーがバーンナウト(車両停止状態でフロントブレーキをかけながら後輪をスピンさせる)を行い、突然終了した際に、クラッチ切断の遅れを防ぐ方法の記述もあった。
電子クラッチは、ビギナーに大きなメリットがあるはもちろんだが、ベテランにも有用。長距離や疲れた際はオートマモードを選び、スポーツランなど気合いを入れて走りたい場合は従来通りのマニュアルと使い分けられるのだから便利だ。ラクちんさと操る楽しさを両立できるのは、トップメーカーのホンダらしい心意気だろう。
第1弾はCBR650RとCB650Rに搭載か!?
スポーツ走行からツーリングまで幅広く使えるCBR650R(写真)と兄弟車のCB650Rに電子クラッチが搭載される?
情報筋によると、この電子クラッチは2024年型のCBR650RとCB650Rを皮切りに搭載される模様。日本や欧州に幅広く展開される普及モデルの並列4気筒スポーツにまずは採用され、激戦区であるミドルクラスのライバルと差別化を図ると見られる。
発表は今年秋のミラノショーまたはジャパンモビリティショー(旧称 東京モーターショー)になるらしく、国内には2024年型として春頃登場か。
なお、DCT搭載車は、マニュアルミッションから+6万6000円(NC750Xの場合)。電子クラッチもこれぐらいで収まるかもしれない。
まずはミドルクラスに搭載されるようだが、よりエントリー向けのクラスでも需要が高いと思われる。登場にぜひ期待したい。
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