今季シボレーに敗れ続けたホンダが大一番で奇跡をみせた!
1911年から2度の大戦を挟み、今回で100戦という節目を迎えたインディアナポリス500マイル・レース。晴天のもと超満員の観衆を集めてスタートが切られた。
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序盤はポールシッターのジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)とライアン・ハンターレイ(アンドレッティ・オートスポート)というホンダ・エンジンユーザーふたりの目まぐるしいリード・チェンジで展開した。
最初の脱落者が出たのは200周レースの64周目だった。なんと昨年のウィナー、ファンパブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)がバックストレートで単独スピンを喫し、クラッシュを演じたのだ。それに先立つ54周目に、ピットでのアクシデントでウィル・パワーがペナルティを受けていたチーム・ペンスキーとしては、早くもこの時点でエリオ・カストロネベスとシモン・パジェノーのふたりで戦うという苦しい状況に追い込まれた。
一方、ホンダの有力チーム、アンドレッティ・オートスポートも117周目のピットストップで、ライアン・ハンターレイとタウンゼント・ベルが同士討ちするアクシデントに遭い、残された駒はマルコ・アンドレッティとカルロス・ムニョスだけとなった。
レースは史上2位となる54回もリーダーが入れ替わる混戦となる。そして勝負の大きな分かれ目を作ったのは終盤163周目の佐藤琢磨のクラッシュだった。
一時は6位まで順位を上げ、優勝争いにすら加わる可能性を見せていた琢磨だが、26位でレースを終える。その際のイエロー・コーションで各車はピットへ滑り込み、タイヤ交換と燃料補給を済ませた。
まさかの36周無給油作戦でロッシが栄冠!
ただ問題だったのは残りの周回数が36周も残っていたことだ。マイレージが30周程度と計算されていただけに、ラスト数周で、燃料が足りなくなるため、スプラッシュ・アンド・ゴーのピットストップは各車必須と思われた。
そんななか、ムニョスは2年前に優勝を阻まれたトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)を蹴散らし、ジョセフ・ニューガーデン(エド・カーペンター・レーシング)を競り落として優勝を目指した。ラスト4周で予定通りピットストップを済ませると彼の前にはもう敵はいないと思われた。
しかし、ムニョスとはまったく違う戦法で栄冠を狙ったドライバーがひとりだけいたのだ。アンドレッティ・ハータ・オートスポートwithカーブ・アガジャニアンのアレキサンダー・ロッシだ。このオフには存続が危ぶまれたブライアン・ハータのチームをアンドレッティが合併したチームで、いわばムニョスのチーム・メイトだ。ロッシもまたF1からこぼれ落ちて路頭を迷いたどり着いたチームだった。ハータは、ロッシに不可能と思われた36周のロングランに挑ませた。
最終ラップには無線でチームから「セーブ・フューエル!」と何度も叫ばれながら、ロッシはクラッチを切り、ガス欠のマシンをゴールへと運んだ。カーナンバー98のマシンがよろよろとチェッカーを受けたとき、ムニョスはまだ後方にいた。
アメリカ人ルーキーによる第100回記念大会制覇だった。最後のハラハラ感は2011年大会を思い出させた。あの時は最終ラップの最終ターンでリーダーのJ.R.ヒルデブランドがクラッシュし、惰性でチェッカーにたどり着く前にダン・ウェルドンが逆転し、優勝を奪ったのだ。その時のウェルドンのチーム・オーナーもハータだった。今回は逆に首位を守り切った形での栄冠だ。
ウィナーズ・サークルではこれまで見たどのチャンピオンよりも冷静に見えたロッシだったが、その目は明らかに赤かった。
「なにを言えばいいんだろう。ブライアン(ハータ)は信じられない作戦を取った。ライアン(ハンターレイ)はトウで引っ張ってくれ、信じられないくらい協力してくれた」と、燃費走行へのチーム・プレーを明かした。
倒すべき相手をすべて倒しながらチームメイトと呼ぶべき相手に敗れ、2年前に続く2位となったムニョスの涙も止まらなかった。
今季これまでの5戦すべてでシボレーに敗れてきたホンダ・エンジンだったが、この大一番では燃費もパワーもアピールし、ワンツー・フィニッシュで飾った。
(Text・Photo Naoki Shigenobu)
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