先月、IMSAスポーツカー選手権の開幕戦として行なわれた伝統のデイトナ24時間レース。2月末になって、同レースのGTD ProクラスとGTDクラスでBMWとフェラーリのバランス・オブ・パフォーマンス(通称BoP/性能調整)違反が発覚した。
これにより、BMWとフェラーリに対して2万5000ドル(約376万円)の罰金とIMSAマニュファクチャラーポイントの剥奪という処分が下った。一方、デイトナ24時間レースの最終リザルトに変更はなく、ドライバーやチームのポイントも維持される。
■IMSA、デイトナでのチェッカーフラッグ提示ミスを認める。早とちりで24時間レースが”23時間58分25秒”レースに
2024年のデイトナ24時間レースは、IMSAの新たなGTD用BoPシステム下で行なわれた最初のイベントとなり、メーカー自らがパフォーマンスレベルを申告することになっていた。
GTD Proクラスでは、リシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ296 GT3が優勝。AOレーシングの77号車ポルシェ911 GT3 Rを挟んで、ポール・ミュラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3が3位に入った。
またプロ・アマカテゴリーであるGTDクラスでは、ウィンワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3が優勝。2位と3位はAFコルセ21号車、コンクエスト・レーシング34号車の296 GT3が掴んだ。
ただ今回のBoP違反によって罰金の他、IMSAマニュファクチャラー選手権でフェラーリは300点のGTD Proポイント、250点のGTDポイント、耐久カップで15点のGTD Proポイントと9点のGTDポイントを剥奪された。
一方でBMWはIMSAマニュファクチャラー選手権で350点のGTD Proポイントと320点のGTDポイント、耐久カップで15点のGTD Proポイントと14点のGTDポイントを剥奪された。
BMWとフェラーリに対しての処分は、IMSA技術委員会と監督オフィシャル両者の声明で「デイトナ24時間レースにおいて実証されたパフォーマンスは、GTマニュファクチャラー技術ワーキンググループで共有されたIMSAの予想を上回るモノであった」として“全会一致”で決定された。
声明には次のようにも記されている。
「目的は、各マニュファクチャラーのベストな例の実証されたパフォーマンスが、目標とするパフォーマンスウィンドウ内に収まるようにすることであり、競争上の同等性を確保することだった」
なお、IMSAのBoPに関する決定に対して、不服申し立てや抗議はできない。
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