2020年シーズンのF1は新型コロナウイルスの大流行によって開催カレンダーを大幅に変更せざるを得なくなった。そのおかげと言ってはなんだが、今季は非常にユニークなカレンダーが実現した。
モンツァ、スパ、シルバーストンといったヨーロッパのお馴染みのコースはカレンダーに残ったが、初開催のムジェロ、そして久しぶりの開催となるイモラ、トルコ、ニュルブルクリンクといったサーキットでのグランプリが、中止となったフライアウェイ戦を埋める形となった。
■みんなムジェロが大好き……多くのF1ドライバーがコースを称賛。再びの開催なるか?
先日行なわれたムジェロでのトスカーナGPは、ドライバーやファンからも概ね好意的な感想が聞かれ、来年以降の開催を望む声も多い。これは、F1が毎年同じスケジュールを繰り返すのではなく、新しいイベントをカレンダーに入れることで新鮮な感動をファンに提供できるということを示したと言える。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、こういったドライバーやファンの声からF1は学ぶべきだと考えており、将来的には特別枠のようなものを設けるべきだと提案した。
「F1が様々な場所で開催されるのは素晴らしいことだし、今後もイスタンブールやイモラでの開催が控えている」
ホーナーはムジェロでの週末を終えて、そう語った。
「このような異なるサーキットでレースをするための“招待枠”のようなものを、各シーズンでいくつか設けるのも良いと思う」
ウイリアムズのジョージ・ラッセルもこの意見に同意。毎年異なるチャレンジをすることは、F1に関わる全ての人間にとってプラスになるだろうと語った。
「F1がこのチャンスをくれたのは素晴らしいことだよ」
ムジェロでのレースについて尋ねられたラッセルはそう語った。
「僕たちはもっと頻繁にこういったことをするべきかもしれない。毎年、2回くらい“ジョーカーレース”をやってもいいかもね」
開催権料が莫大であるという観点から、ムジェロやポルティマオといったサーキットで毎年F1レースを開催するのは現実的ではないが、数年に一度、これらのサーキットがローテーションでレースを開催するというアイデアは、あながち悪いものではないかもしれない。
現在FIAによって、F1開催可能な“グレード1”のライセンスを獲得しているサーキットは30以上ある。もちろん、今季復活した開催地の中にも、イモラやニュルブルクリンクのようにローテーション開催に適したサーキットもいくつかあるが、その他にもいくつか候補となり得るサーキットがある。今回はその中から4つを挙げる。
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