現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ「軽商用車」はMT車が多い? 日本の新車は「99%がAT」でも「軽トラ・軽バン」はMT車が主流! ユーザーが語る理由とは

ここから本文です

なぜ「軽商用車」はMT車が多い? 日本の新車は「99%がAT」でも「軽トラ・軽バン」はMT車が主流! ユーザーが語る理由とは

掲載 81
なぜ「軽商用車」はMT車が多い? 日本の新車は「99%がAT」でも「軽トラ・軽バン」はMT車が主流! ユーザーが語る理由とは

■「軽商用車」のユーザーはMT好き?

 現在、日本で販売されるクルマの99%は、AT車(CVTを含む)となっており、多くのモデルがMT車の設定を無くしています。

【画像】いまや貴重!「MT」の残っている国産車を画像で見る(17枚)

 その一方で、今でもMT車の残っている比率の高いカテゴリが、スポーツカーなどの限られたモデルと「商用車」です。

 実は商用車などのバンやトラック、とくに軽自動車の商用車である「軽商用車」は、現在においても数多くのモデルがMT車を設定しています。

 しかし、なぜ軽商用車には依然として多くのMT車が残されているのでしょうか。

 これについて、実際に軽商用車を使用しているユーザーを中心に、SNSなどでは多くのコメントが寄せられていますので、その理由とあわせて見ていきます。

 まず、AT車とMT車の違いやそれぞれのメリットですが、MTのメリットは「軽量で伝達効率に優れる」ことが挙げられるでしょう。

 ただし、少し前までは「MTのほうが燃費性能が優れている」という声もありましたが、CVTの普及やトルコンATの進化もあり、いまや燃費性能に関しては同等か場合によってはATのほうが優れていることも増えてきました。

 また、ストップ&ゴーが多い日本の道路環境では、操作性の観点からATのほうが好まれるという事情もあります。

 しかし、スズキの軽トラック「キャリイ」は、2022年度における購入者の割合にして約5割がMT車を選択しています。

 また、同車のライバルであるダイハツ「ハイゼットトラック」も3割から4割がMT車です。

 他の乗用車では9割以上がAT車というなか、このMT比率は驚異的といえます。

その理由として、実際に農業や林業、建設業で軽トラックを愛用するユーザーが挙げるのは、畑などの未舗装路を走ることが多いためだといいます。

つまり、日本の山間部や農地、建設用地などに多い「未舗装路×斜面」というシチュエーションで660ccという限られたパワーのエンジンを引き出すためには、MT車の伝達効率の高さやダイレクト感が重宝されていると考えられます。

 この他にも、SNSなどを見ると商用車、とくに軽商用車においては、トランスミッションはMTが良いという声が多く見られます。

 いくつか取り上げると、「MTは構造的にシンプルな分、正しく操作すれば長い間壊れることなく乗れます」「価格も大事。MTはATより構造が簡単なので販売価格が安くできる」「MTはメンテナンスコストも安いです。適切なメンテナンスをしていれば本当に壊れません」といった、車両価格が安くて丈夫で、かつ維持費も安いという意見がたくさん集まりました。

 また、「MT車のほうがAT車より軽いけれど“最大積載量”は変わりません。そのためMT車の方が同じ重さの荷物を積んでもエンジンへの負担が少ないです」「ATはハイテクな機能が付きすぎて、逆に使い勝手が悪く感じる」「最近のATはバックするときにドアを開けると動かない。後ろをちょっと確認したいと思ったときに不便だった」などの、MT車の“軽さ”という点にメリットを感じる意見や、ハイテクな機能が搭載されがちなAT車を逆に使いにくいという声も。

 そのほか、「走行中のシフトを自分で選べるMT車の方が運転が楽しいし、ATはちょっとした時に意図した通りに動いてくれない」「ミッドシップ形式で2シーター、そしてMTという構造の組み合わせが好き」「MT車はAT車よりペダルが1個多いのに安いからお買い得!」と、MT車ならではの運転の楽しさや、思いのままの操作が可能だというコメントもたくさん寄せられました。

※ ※ ※

 このように、軽トラックをはじめとした商用車では、まだまだMTが主流の時代は続きそうです。

 いつか技術の進化によって、商用車でも多くの人がATで満足できる日が来るのか、今後も自動車業界の動きに注目していきましょう。

こんな記事も読まれています

"三浦半島の先端"に悲願のバイパス道路!? 「地獄の渋滞」解消へ三崎口~油壷を直結「西海岸線」計画が進行中!
"三浦半島の先端"に悲願のバイパス道路!? 「地獄の渋滞」解消へ三崎口~油壷を直結「西海岸線」計画が進行中!
くるまのニュース
上位勢のギャップが消えつつあることは「F1にとって良いニュース」とフェラーリF1代表
上位勢のギャップが消えつつあることは「F1にとって良いニュース」とフェラーリF1代表
AUTOSPORT web
佐藤琢磨が3度目の制覇に挑むインディ500をNHK BSで完全放送。琢磨優勝の2020年大会を振り返る特集も
佐藤琢磨が3度目の制覇に挑むインディ500をNHK BSで完全放送。琢磨優勝の2020年大会を振り返る特集も
AUTOSPORT web
【カワサキ】Ninja ZX-25R オーナーのためのレーシングスクール「Ninja Team Green Trial in SPA直入」のレポートを公開
【カワサキ】Ninja ZX-25R オーナーのためのレーシングスクール「Ninja Team Green Trial in SPA直入」のレポートを公開
バイクブロス
苦戦続くBMW Mハイブリッド V8が2戦目で得た自信。三味線は「一目瞭然でバレる」とレネ・ラスト
苦戦続くBMW Mハイブリッド V8が2戦目で得た自信。三味線は「一目瞭然でバレる」とレネ・ラスト
AUTOSPORT web
2回のテストを行ったアントネッリの適応能力をメルセデスが高く評価「長い間F1に乗っていたかのような走りを見せた」
2回のテストを行ったアントネッリの適応能力をメルセデスが高く評価「長い間F1に乗っていたかのような走りを見せた」
AUTOSPORT web
【カワサキ】映える!遊べる! 新しいKCBM「カワサキコーヒーブレイクミーティング in とっとり花回廊」が6/23に開催
【カワサキ】映える!遊べる! 新しいKCBM「カワサキコーヒーブレイクミーティング in とっとり花回廊」が6/23に開催
バイクブロス
フェラーリがレッドブルに勝てないのは、エンジンパワーで劣っているから? “完敗”したイモラ戦を終えて考察
フェラーリがレッドブルに勝てないのは、エンジンパワーで劣っているから? “完敗”したイモラ戦を終えて考察
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型プレリュード」25年頃に登場へ “22年ぶり復活”する「スペシャリティモデル」 そもそもどんなクルマだった? 5世代に渡る歴史とは
ホンダ「新型プレリュード」25年頃に登場へ “22年ぶり復活”する「スペシャリティモデル」 そもそもどんなクルマだった? 5世代に渡る歴史とは
くるまのニュース
いまやミニ「1275GT」が300万円オーバーに! かつての不人気車はビミョーなスタイリングと台数の少なさから価格上昇中です
いまやミニ「1275GT」が300万円オーバーに! かつての不人気車はビミョーなスタイリングと台数の少なさから価格上昇中です
Auto Messe Web
メルセデスF1のラッセルがバンディーニ賞を受賞。100年前のタルガ・フローリオ優勝マシンでのドライブも楽しむ
メルセデスF1のラッセルがバンディーニ賞を受賞。100年前のタルガ・フローリオ優勝マシンでのドライブも楽しむ
AUTOSPORT web
【ベンテイガに次ぐ稼ぎ頭】 ベントレー新型コンチネンタルGTを予告 第四世代はハイブリッドへ
【ベンテイガに次ぐ稼ぎ頭】 ベントレー新型コンチネンタルGTを予告 第四世代はハイブリッドへ
AUTOCAR JAPAN
ボタンがポイントの新コスチュームも注目度抜群!! 今年もサーキットに「ZENT Sweeties」の花が咲く!!!
ボタンがポイントの新コスチュームも注目度抜群!! 今年もサーキットに「ZENT Sweeties」の花が咲く!!!
ベストカーWeb
テスラが社名変更、エネルギー事業拡大へ
テスラが社名変更、エネルギー事業拡大へ
レスポンス
脇道を出るときに忘れがちな「歩行者保護」|長山先生の「危険予知」よもやま話 第26回
脇道を出るときに忘れがちな「歩行者保護」|長山先生の「危険予知」よもやま話 第26回
くるくら
全国に5台のみ!! ミニバンなのに3ドアを採用!? 個性派すぎる[アヴァンタイム]
全国に5台のみ!! ミニバンなのに3ドアを採用!? 個性派すぎる[アヴァンタイム]
ベストカーWeb
BYDがカスタムカーや旧車イベントに出展する意義とは?「シール」の導入でセダンの復権なるか!?
BYDがカスタムカーや旧車イベントに出展する意義とは?「シール」の導入でセダンの復権なるか!?
Auto Messe Web
【ドゥカティ】「ディアベルV4」が2024 レッド・ドット・アワードのプロダクトデザイン部門で最高評価を獲得
【ドゥカティ】「ディアベルV4」が2024 レッド・ドット・アワードのプロダクトデザイン部門で最高評価を獲得
バイクブロス

みんなのコメント

81件
  • エブリイやハイゼットは近年まで3AT、1つのギアでのカバー範囲が広い。それに対してマニュアルは5MT、特に未舗装路では意図した意図したギアに入れることができるし、舗装路においてもギアが適切なら低燃費で走行することができる。
  • 難しいこと書いているけど、スズキのHPで価格を比較すると、ATのほうがMTより10万円ほど高くなる。それだけの話ではないかと。
    10万円追加で払うことに、その価値を見出せない。
    欧州で、MTが多いのも同じだよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村