世界中のファンから支持されているホイールブランドRAYS。自動車産業が右肩上がりの中国で、改めてメイドインジャパンの技術力、そしてデザイン性の高さをアピールするために2017年に開催したRAYS WORLD TOURの第2段が、中国・東莞市で開催された。まさに世界初公開となるモデルもあり、中国メディアやディストリビューター、そして中国自動車工業会からも高い関心が寄せられた。
メイドインジャパンの技術力、そしてデザイン性が、国内はもちろん多くの海外ファンからも支持されているホイールメーカー・レイズ。ここ数年、アメリカ・SEMAショーへの出展なども積極的に行ってきたが、アジア地域各国への販売拡大を目指し、2017年に初めて香港にて新商品発表会を開催し、ベルサスブランドの新作を世界初公開。現地のメディアや販売代理店から高い評価を得た。
そして今回、2018年12月14日(金)から中国・広東州の東莞で開催されたカスタム&チューニングカーイベント「AIT(オールインチューニング)」の展示会場にて、大きなRAYSブースを展開すると同時に、現地販売代理店や現地メディアを対象とした第2回目となるレイズワールドツアー in 中国が開催された。
レイズが中国でワールドプレミアを開催する理由のひとつが、アジア地域の昨今の市場変化にある。
「自動車産業を見てみると2017年実績としてアメリカの1723万台日本の970万台、対して中国市場では世界第一位の2888万台の生産を達成しています。アジアは急激なクルマの伸び率と共にクルマを楽しむ文化としてのカスタマイズ市場が活性化し、すでにグローバル化された情報を基にしたトレンドと需要が始まっています。アフター市場はクルマを持つから楽しむという切り口がベースになるのでこれからまだまだ伸びて行く市場と考えています」と、レイズ・三根茂留代表取締役社長。
今回の発表会で多くの現地コーディネイターが招待されたが、中国での販売総代理店となるZERO SPORTSのヤン氏は、レイズが中国市場で人気を得ている最大の理由はやはりクオリティの高さだという。
「中国ではレイズ=ハイブランドという位置付けで、ユーザーにとっては憧れの存在として認知されています。単純にカッコイイデザインはもちろんですが、中国の国内モデルにはない複雑なデザイン、それでいて強度にも優れている。メイドインジャパンのクオリティ=安心して履けるという事も重要な要素だと思います」とヤンさん。(写真左から3人目)
また2018年は、ホイールサプライヤーとして参戦しているTOYOTA GAZOO Racingによるル・マン24時間レースでは、ハイブリットカーTOYOTA TS050が悲願の総合優勝を達成。そんなレースフィールドの技術を投入するとともに、技術特許を取得したのがAMT技術だ。
「AMT(アドバンスド マシニング テクノロジー)。ラインを入れたりロゴ部分に色を付けるといった従来のホイールデコレーションは、洗車機テストや防錆の面で塗装の強度が保てませんでした。しかし、今回技術特許を取得したAMTは文字を立体的に削って色を入れクリア塗装でフィニッシュすることで、3次元的な造型と性能を持たすことができました。又特許取得したことによるコピー品の抑止としても効果を期待しています」三根と代表取締役。
そんなAMT技術を投入した新作を2018年は数多くラインアップされ、今回、中国で初公開されたNEWモデルにも積極的に採用している。
「THE CONCEPT IS RACING」
それは、レイズのテーマであり、レース活動で得たノウハウをそのままモノ創りに生かしていくというモノ作りへのこだわりだ。また、環境に留意しながら安心安全を担保した魅力ある商品提供を考える姿勢は、アジア各国のクルマ好きに響き、確実に需要を広めつつある。
鍛造スポーツホイールのトップブランド『VOLK Racing』
レイズの中心的存在であり、鍛造スポーツホイールのトップブランドとして数多くのモデルをラインアップしているボルクレーシング。最新の解析技術によって徹底した軽量化をはかりながらも強靱さも追求。レーシングフィールドで培った技術を惜しみなく投入される最高峰ホイールのひとつだ。
そんなボルクレーシングのトピックは、ベストセラーモデルTE37に設定された『ウルトラトラックエディションII』。一般的なマットブラックとは異なる漆黒のカラーリングで、ギャラリーを吸い付けるような魔力を放つ。その秘密は極小の粒子にあり、ディスク表面を触ってみると少々ザラザラした印象。この独自の塗料によって、マットブラックでも独自の質感を表現することに成功している。
また同じくマットカラーとしてTE037 6061に設定されたのが『ブラストブロンズ』。こちは海外専売モデルとなっているが、ぜひ国内でも発売して欲しい魅力的なカラーリングだ。
「軽量化や機能性を追求することばかりに目がいきがちですが、カラーリングに関してもボルク独自の技術力が求められます。今回のブラストブラックに関しても、この質感を出す技術がなくては出せない色です。今後は他のホイールでの展開も検討しております」と山口氏。
スポーツライクなデザインでミニバン、ワゴン、SUV、オールジャンル展開する『HOMURA』
ミニバン、ワゴン、SUV、オールジャンルでスポーツライクなデザインをテーマに展開するホムラ。ホムラといえば2×7J、2×9JといったY字スポークをスタンダードにしてきたが、今回発表されたHYUGA(ヒューガ)は、直線基調で性能面をより強化したスポーツホイールとして開発。レイズ独自のRCFスピニング技法により、鋳造で極限まで軽量化を目指し、鋳造でありながら鍛造並の質量を具現化。さらに強度基準もSスペックと呼ばれる鍛造並に仕上げられている。
意匠変更の分かりやすいアイコンとしてセンターキャップを新デザインに。またホムラ=メイドインジャパンのわかりやすい意思表示同様、ヒューガも日本の強さ気高さを強く主張する思いを込められ名が付けられている。新色展開となったHOMURA 2×9 JET BLACK EDITION IIは、奥行き感のある艶深いブラックカラーがポイント。ブラッククロームコーティングをベースに処理し、さらにリムエッジ部分などをDMC処理し、エッジ感の強いフォルムを強調している。
「ヒューガは、早そう強うということがストレートに伝わるネーミング。カスタムの中にも機能的な美しさを表現しました」と山口氏。
鋳造製法の限界を攻め、極限のパフォーマンスを獲得した『gram LIGHTS』
鋳造製法でありながら、高い解析技術によって鍛造並の高いパフォーマンスを発揮するグラムライツシリーズ。ここ最近、新たな展開として打ち出しているのがリム外周をタイムアタックカラーで包んだレブリミットエディションだ。レイズ伝統のタイムアタックカラーである、ブラックボディ×レッドラインだが、過去、同様のモデルは何度かラインアップしてきた。しかし10数年前はマスキングによる塗装で仕上げていたが、現在は電着塗装と呼ばれる技法を使うことで、その完成度が劇的に進化している。特にスポーク側面に刻まれたロゴとラインは、レブリミットまで吹き上がるメーターの針をイメージしたもの。レーシングムードを一気にかき立てるポイントのひとつでもある。
今回初お披露目されたレブリミットエディションは、SUVをターゲットにした57トランス-X、そしてジムニー/ジムニーシエラを対象にした57JV。細くシェイプアップされた10本スポークとブラックカラーに映えるレッドラインが、プレミアム感満点の足元を演出する。
「スポーク側面のロゴ&ラインは、2カ所、左右異なる側面へ入れています。これは前から見ても、後ろから見ても縦のラインがハッキリと見えるように考えての作り込みです。来年に向け、レブリミットシリーズのラインアップはさらに拡充していく予定です」と加藤さん。
ミニバンのドレスアップをターゲットにしたブランド『ベルサス』
レーシングブランドを根幹とするレイズの中で、ドレスアップ、それもミニバンをターゲットにしたブランドがベルサス。特にアルファード&ヴェルファイアやノア&ヴォクシー、セレナに乗るドレスアッパーに向けたモデルを数多く送り出してきた。
今回のワールドプレミアが初お披露目となったのがベルサス ストラテジーア サルヴァトーレ。2×5のスポークデザインだが、フローティングエッジと呼ばれるマシニング加工でスポーク側面を削り込み、スポークが浮き上がって見えるような印象に。スポーティかつメカニカルなルックスは、レイズの加工技術が集約された1本に仕立てられている。19、20、21インチの設定で、M/Lクラスミニバンの他、SUVの装着も視野に。既に日本で発表済みのベルサス ストラテジーア トリアイナ、ベルサス ストラテジーア ヴォウジェの新色・フローズンメタルコーティングも会場でお披露目された。
「ベルサスの特徴は他にはない独自のデザイン、そして色。サルヴァトーレに設定されるダイヤモンドカットサイドブラックマイカは、光の当たり方によって全く違った印象に見えます。色でカスタムを味わうことができます」と小角さん。
レイズ唯一のオフロードブランド『DAYTONA』
レイズ唯一のオフロードブランドとして、ダイナミックかつアグレッシブなスタイルを主張してきたチームデイトナ。
2019年は、ダートの匂いを意識したゴツゴツ系デザインを一新。4WDを全網羅するというテーマのもと、今回のメインターゲットはランクル200。以前のクロカン4WDのイメージが強かった100系から進化した200系に合わせたアーバンテイストのFANG(ファング)をお披露目した。デイトナのオフロード感を残しながらも新しさを注入した5本スポークは、先太り&枝分かれするY字スポークに。ただしオーソドックスなY字メッシュではなく、あくまでも5本スポークを核としたダイナミックなデザインとしている。またスポーク天面をダイヤモンドカットし、スポーク側面をハイブリッドマシニングで仕上げるレイズ独自の製法も注入している。
「デイトナらしさを残しつつ、新しい道を考えたのがファング。センターキャップのデザインも一新しています」と河西氏。
これら中国でワールドプレミアとなったRAYSの新作ホイールは、2019年1月11日(金)~13日(日)まで、千葉・幕張メッセで開催される『東京オートサロン2019』で日本初公開となる。RAYSホイールの美しい手の込んだ造形美をぜひご堪能いただきたい!
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