圏央道開通で加速する埼玉経済効果
埼玉県は首都圏の北部に位置し、東北自動車道(東北道)、関越自動車道、常磐自動車道の三つの主要高速道路が交差する重要な地域である。この立地により、北関東や東北地方、さらには北陸地方へのアクセス拠点としての役割を担っている。
【画像】34年前の「越谷レイクタウン」を見る! 航空写真で見る驚きの変化とは?(16枚)
さらに、
・東京外環自動車道(外環道)
・首都圏中央連絡自動車道(圏央道)
といった環状道路も整備され、首都圏内外の移動が一層便利になっている。特に、2015年に圏央道の埼玉県内区間が全線開通したことで、地域間のアクセスが大幅に向上し、それに伴い経済効果も増大した。
実際、東京都に住む私(都野塚也、ドライブライター)も、圏央道の開通前後で埼玉県への訪問頻度が増え、
「埼玉に行こう」
と感じることが多くなった。
また、圏央道を走行していると、物流向けの大型トラックをよく見かけ、埼玉県が物流の拠点として着実に発展していることを実感する。とはいえ、交通に関しては依然として解決すべき課題が残っており、今後のさらなる発展を実現するためには、これらの課題に対応することが急務である。
本稿では、圏央道の開通による埼玉県の交通インフラの成長と経済効果、そして今後の課題について詳しく探っていく。
圏央道効果と地価上昇
圏央道は1996(平成8)年、東京都青梅市の青梅インターチェンジ(IC)から埼玉県鶴ヶ島市の鶴ヶ島ICが開通し、その後、順次区間が延びていった。2015年10月には桶川北本ICから白岡菖蒲ICまでの区間が開通し、埼玉県内の圏央道は全線開通した。
圏央道の開通により、埼玉県から関東の主要都市(東京、神奈川、千葉、茨城、栃木、群馬)へのアクセスが約1時間30分で可能となり、特に神奈川県厚木市の大型工業地帯と直接結ばれたことで、埼玉県内の物流が活性化した。
埼玉県内では、日高狭山ICや白岡菖蒲IC周辺に大規模な物流センターが設置され、入間IC近くにはアウトレットモールが開業するなど、経済効果が大きく促進された。
実際、2005年1月から2015年12月までの11年間で、838社が埼玉県に本社や物流拠点を新たに設置し、そのうち約6割が圏央道周辺に集中した。その結果、1万85人の雇用が創出され、企業の投資額は約6749億円に達した。
さらに、県民税や事業税などの税収も増加し、2010年から2015年の5年間で約560億円増加した。2014年度の地価上昇率は、県平均0.6%に対して圏央道沿道では2.3%、幸手市では
「5.6%」
となり、圏央道開通が地域経済に与えた影響が数字にも表れた。
開通後の交通集中問題
圏央道の開通は、埼玉県内のアクセス改善や経済効果の向上に大きく貢献した。
しかし、便利で快適な路線である一方で、いくつかの課題が依然として残っており、それらへの対応が急務となっている。
そのなかでも、最も顕著な問題のひとつは
「渋滞の頻発」
である。圏央道開通後、例えば東名高速道路(東名)~東北道経由の首都高速道路の交通量は、1日平均約4300台から
「約2300台」(47%減)
となり、圏央道を通過する車両数も約3割減少した。しかし、これが交通インフラ全体の効率的な運用につながったかというと、必ずしもそうではない。
圏央道内では、平日・休日を問わず、特定の時間帯に渋滞が発生する区間が目立つ。埼玉県内では、例えば
・入間IC~鶴ヶ島JCT
・久喜白岡JCT~幸手IC
などで頻繁に渋滞が発生しており、通行の円滑化が求められる。
また、幸手IC~茨城県境の古河IC間では、2024年12月時点でも片側1車線の暫定2車線通行となっており、快適な走行や緊急時の迂回路としての機能には改善の余地がある。
外環道開通がもたらす期待
圏央道の開通は、埼玉県にとって交通と経済の両面で大きな成果をもたらした。
しかし、さらなる成長を実現するためには、依然として解決すべき課題が存在している。これらの課題を克服することで、長期的な経済効果を最大化し、持続可能な発展を促進することができるだろう。
そのなかでも、最も重要なのは
「渋滞の緩和」
だ。圏央道の拡張に加え、一般道や他の高規格道路の整備を進めることで、既存の道路の負担を軽減し、渋滞を解消することが可能となる。これにより、経済活動の活性化が期待され、さらなる成長が促されるだろう。
また、既存道路についても、渋滞ポイントに
「速度回復を促す看板や音声アナウンス」
を設置することで、一定の改善が見込まれる。全国的に渋滞対策が進行中であり、すでに一定の効果が現れている。
さらに、埼玉県内の圏央道以外の高速道路に関しては、外環道の東京都区間の未開通が大きな課題となっている。東京都区間は、東名や中央自動車道との接続を予定しており、その開通が実現すれば、埼玉県にさらなる経済的利益をもたらすと期待されている。
埼玉県の成長潜力と未来展望
圏央道の開通は、埼玉県にとって重要な転換点となった。
これまでは東西の移動が非常に困難だった埼玉県内での交通の課題が、圏央道の整備によって大きく解消された。しかし、県が持つ本来の魅力を最大限に引き出すためには、今後もさらなる取り組みが求められる。
埼玉県は全国でも最も多くの市を有する県であり、その人口規模から期待される経済効果は非常に大きい。さらに、首都圏と北方面を結ぶ交通の要所として、利便性の向上は地域全体にとって大きなメリットをもたらすだろう。
私自身もよく埼玉県内を車で移動しているが、今後、この地域がどのように魅力を増していくのか、とても楽しみだ。埼玉県のさらなる成長と、その展開に今後も注目していきたい。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
【愚かなあおり運転の結末】このドライバーが時速178kmで後方から煽っていた先行車の正体は?バカで愚かな行為の非常に痛い代償とは?
リッター「約29km」走れるミニバンは“家庭の味方”!? 「ガソリン価格高騰」の“今”検討したい新車200万円以下のモデルも! 低燃費モデル“トップ5”とは?
【中国】トヨタの“クラウン ミニバン”こと「クラウン ヴェルファイア」がスゴイ! “超豪華”「王冠仕様」の「高級車」! デカすぎグリルがカッコイイ「迫力ミニバン」とは
約183万円! スバル新型「シフォントライ」登場の反響は? 660cc「直3」エンジン&スライドドア搭載! タフ顔の「5ドア“軽”SUV」に「興味ある」声も
横須賀~房総半島直結!? 第二アクアライン「東京湾口道路」計画が進行中!? ついに「期成同盟会」も誕生 海老名~富津が「約60km」でつながる“すごい計画”とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
鶴ヶ島も欠陥
事故渋滞多すぎて使いづらくなったわ