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33歳、フェラーリを買う──Vol.3 購入

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33歳、フェラーリを買う──Vol.3 購入

29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?

ライバル登場!

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前回、提示された“1070万円”の見積もり総額について、おもわず「高い!」と、声が出たことは記した通り。

アルミホイールの巨大な傷を筆頭に、内外装のコンディションが微妙だったからだ。もっともエクステリアの小傷も、ボディカラーがホワイト(ルーフはブラック)のためにあまり目立たないし、インテリアのレザーの傷みも許容範囲。だから、価格次第では購入しても良いのでは? と、気持ちはやや前向きに。

「SKY TIMELESS Azabu」(東京都港区)の担当セールスには無茶を承知で「900万円なら即決します!」と、伝えた。すると、「さすがに難しいです」と、苦笑。たしかに、5万km近いカリフォルニアの中古車相場は、1100万円前後だ。いくら内外装のコンディションが微妙といっても、900万円は相場からかけ離れている。

「なるほど。そしたら1000万円以下だったら前向きに検討します!」と、伝えてその日は帰宅した。そして数日後、1本の電話が……。

「イナガキ様が検討されているカリフォルニアを、ほかのお客様が購入したいと申しております。どういたしましょうか?」

訊くと、検討中の“ライバル”は総額1070万円で購入を考えているらしい。むむむ……手強い敵、あらわる。

担当セールスから煽られたものの、元々、どうしてもフェラーリに乗りたかったわけでもないので、ほんの少し考えたあと「もし、別の方が購入されるとしたらしょうがないですから、諦めます」と、返答した。

ご縁がなかったということでキッパリあきらめるしかない。理想の1台というわけはないので後悔はナシ。と、思いきや数日後、再び担当セールスから連絡が届く。

「実はお客様の自動車ローンの審査が通らなかったため、購入を見送られました」

すっかり購入は諦めていただけに、晴天の霹靂! しかも、900万円とはならずとも、できる限り価格は“勉強”するそうだ。

もはやあとには引けなくなった。取り急ぎ、きちんと試乗すべくSKY TIMELESS Azabuに向かった。

機関良好あらためて昼間に見たカリフォルニアは、思ったよりも美しかった。小傷は多いかもしれないが、それほど気にならなかった。自然光のほうが目立たないのかもしれない。

ドアを開け、シートに座る。以前の360モデナより乗降性は良好。ステアリングホイールが電動で跳ね上がるのが嬉しい。シートポジションを電動で調整し、いざ発進。

パドルシフトを使い1速にチェンジし、発進。電動パーキングブレーキが自動で解除され、ゆっくりと進む。見切りは悪くなく、スーパーカーというよりGTカーに近い。

DCTがAUTOモードだったので、ゆるやかな加速とともに1→2→3……と、シフトアップする。「360モデナ」のF1マチックのAUTOモードは、ドライバーの意志に忠実ではなくギクシャクする場面が多かったのとは対照的で、実にスムーズ。そして、シフトが引っかかるような違和感や異音はゼロ。製造年が10年も違うと(360モデナは2000年製、カリフォルニアは2010年製)これほど進化したのか! と、感激した。

試乗は一般道のみだったので、スピードこそあまり出せなかったが、それでも魅力は十分わかった。

クルマには、任意でマフラーのバルブを開閉できるスイッチも備わっていた。オンとオフで明確にサウンドが異なる。オンにすると加速とともに爆音を轟かせる。ちょっと恥ずかしい半面、ちょっと快感。360モデナのサウンドはやや物足りなかっただけに、この機構はありがたい。

途中、電動開閉式のハードトップも開けた。オープンの必要性はなかったけれども、担当セールスが「動作確認もあるので開けませんか?」と、提案。赤信号での停車中、センターコンソールのスイッチを押すと“ウイーン”という音とともにドアウインドウが下がり、ルーフがリヤに格納されていく。ぎこちない動きは一切なく、DCTとおなじくスムーズに動く。

南麻布から広尾、麻布十番、六本木を駆け抜けた試乗はあっという間に終了。機関の調子は悪くなさそう。あとは価格次第だ。

総額は納得だが、内訳は「?」試乗から数日後、担当セールスから電話があった。

「995万円でいかがでしょうか?」

1000万円を切った。もうあと戻りはできない。「わかりました、買います!」と、即答した。

ただし、受け取った見積りは若干の「?」があった。車両本体価格が1050万円で、「特別お値引き」が115万8970円、そして「特別仕様/付属品」として40万2400円が計上されていた。

特別仕様/付属品の内訳はオイル交換10万円、バッテリー交換10万円、納車前点検19万8000円、そしてETCセットアップ4400円だ。

いずれの整備も正規ディーラーではなく、提携工場という。説明を受けたあと「ちょっと高いなぁ……」と、思わざるを得なかった。

360モデナ所有時、ディーラー(フェラーリ横浜サービスセンター)におけるバッテリー交換の工賃は1万5000円(バッテリーは約4万円)、オイル交換費用は工賃込みで3万5000円、1年点検の基本工賃は3万2000円だったからだ。

提携工場の工賃が正規ディーラーより高い可能性もあるし、超高級オイル(交換銘柄は不明)を使っているのかもしれないし、ミッドシップモデルとフロントエンジン搭載モデルとでは整備性も異なるはずだから、上記が適性額か否かは判断が難しい。

もっとも、総額が1000万円以下になれば購入するつもりでいたので、内訳はどうでも良いし、なにより担当セールスが非常に親身かつ丁寧で、「価格次第でこの人から買いたい!」と、思っていたから大きな不満はない。

ただ、個人的には、整備費用をもう少し抑えてもらい、特別お値引き増額のほうが、おなじ995万円でもしっくりきた。なぜならフェラーリ正規ディーラーの整備費用を知っているからだ。

いずれにせよ希望だったアンダー1000万円となったのは嬉しい。やっぱり、このカリフォルニアは運命の1台だった。

無事に契約を交わし、納車準備に入った。が、こんなにも早く購入、納車するとは夢にも思わなかったので、わがシボレー「コルベット」(1987年式)の売却方法をまったく考えていなかった。

「誰か買ってくるだろう」と、呑気に構えたのがいけなかった。今なお(10月13日時点)売却先が決まらず困り果てている。このエピソードは後日、記そうと思う。

さて、次回はいよいよ納車! くわえて、購入車両の知られざるヒストリーも判明!2回目の跳ね馬ライフはもっと面白くなりそうだ。

【過去記事】33歳、フェラーリを買うVol.1 転機はある日、突然やってくる
Vol.2 そのフェラーリ、安くなりませんか?

文と編集・稲垣邦康(GQ)

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