2025年1月30日に発表され、わずか発表4日後に受注台数が5万台を突破したのを受けて、スズキはジムニーノマドの受注停止を発表した。はたして納期はいつなのか? その後、スズキが増産および転売対策をしていると報道があった。今後、ジムニーノマドはどうなっていくのか、探ってみた。
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb、スズキ
ジムニーノマドの受注再開は2026年夏!? 増産と受注再開の時期を探る!! さほど高くならないので転売ヤーが狙っても意味なしか!?
【画像ギャラリー】5ドアのジムニーノマドと3ドアのジムニーシエラとは何が違う? 写真でチェック!!!(4枚)
ジムニーノマドの納期は4年? 受注再開はいつ?
発表から4日で受注台数5万台を突破し受注停止されたジムニーノマド
スズキジムニーの5ドアモデル、ジムニーノマドは2025年1月30日に発表されたが、4日後の2月3日に受注を停止した。スズキによると「約5万台を受注したから」とのことで、このまま販売を続けると納期の遅延が著しくなるため、受注を停止している。
ちなみにジムニーノマドは、発売日よりも前に受注を開始する「予約受注」をほとんど行わなかった。ほとんど、と書いたのは、スズキディーラーでは、すでにシエラを予約していた顧客にノマドに切り替えませんかと打診していて、長納期となっているシエラからノマドに切り替える顧客を優先的に列の前に並ばせていた。
そして前代未聞となる、正味4日間で約5万台を受注した。以前からジムニーノマドの輸入開始は予想され、発売を待っていたユーザーが多かったことは事実だが、物凄い受注実績だ。
ほかの車種を見ると、現行ホンダフリードは、予約受注も含めて約2カ月半で3万8000台を受注した。現行トヨタハリアーは、約1カ月で4万5000台だった。フリードやハリアーはこの時にフルモデルチェンジを実施しており、従来型の販売も好調で、現行型への乗り替え需要も多かった。
短期間で約5万台も受注を抱えると、納期が極端に延びてしまう。そこで大急ぎで受注を停止させた。納期は最長でどの程度まで延びているのか、販売店に尋ねた。「受注が停止する直前に契約されたお客様の納期は、現時点ではハッキリしていない。最終的な納車までに、約4年を要するともいわれている」。
ジムニーノマドの目標販売台数は、1カ月当たり1200台と公表されている。仮に1カ月に納車できる台数が1200台なら、5万台に達するまでに3年5カ月を要する。発売から3年半を経過すると、例えば安全装備に関する法規変更が実施され、車両に改良を加える必要も生じる。受注した時と3年半後の納車時では、価格が変更されていることも想定され、新車の納期としては限界を超えている。
販売店に受注の再開時期を尋ねると「いつになるか分からない」という。一般的に受注を再開する時期は、受注したすべての車両を納車できるメドが立った頃だ。仮に前述の通り納車が終了するまでに3年半を要すると、受注の再開は3年近くを経過した2027年の末頃になってしまう。
メーカーのスズキからは、以下のような話が聞かれる。「ジムニーノマドの納期を短縮して、受注の再開も早めるため、目下のところ日本仕様の増産体制を整えている。インドにある工場の生産体制に加えて、輸送する船の手配、湖西工場に設けられた納車前点検を行うPDI施設の拡大なども調整中だ。ただし何台まで増産できるか、いつから増産体制に切り替えられるかは未定だ」。
長く待たされているジムニーシエラの顧客からノマドへ切り替える案内をし、納期が早くなるよう優先しているという
増産台数については1200台から2500台に増産されると新聞報道があったがこれはスズキが正式発表したものではない。増産の規模と開始時期は未定だが、3ドアボディを備えたジムニーシエラの売れ行きは参考になる。ジムニーシエラは2024年に、1カ月平均で2154台を登録した。
ジムニーノマドもこれに近い台数、つまり1カ月に2200台前後は輸入するのではないか。現在の目標販売台数に比べて1000台の上乗せで、比率に換算すれば1.8倍の増産だ。この程度が限界だと思う。
仮に、今後迅速に1カ月当たり2200台の生産と輸入を可能にすれば、約5万台の受注台数を2年弱で納車できる。そうなれば1年半後の2026年夏頃には、ジムニーノマドの受注を再開できるかもしれない。ジムニーノマドに対する関心や購買意欲が低下するのも防げるだろう。
また従来から設定されていた3ドアボディのジムニーシエラ、軽自動車のジムニーは、受注や納期がどのように推移しているのか。この点も販売店に尋ねた。「ジムニーシエラの納期は、以前は約1年だった。ジムニーノマドが発表されると、最短では約3カ月まで縮まった」。
販売店によっては、ジムニーシエラの納車を待つ顧客の希望に応じて、ジムニーノマドへの切り替えも可能にしたからだ。そのためジムニーシエラの納期は、一時は大幅に短縮されたが、直近では再び6カ月前後まで延びている。
なぜジムニーシエラの納期が再び延びたのか。「ジムニーノマドの受注停止を受けて、ジムニーシエラにお客様が再び戻っているからだ。最近はジムニーシエラの納期が大きく変動しており、今は6カ月でも、今後はさらに延びる可能性もある。軽自動車のジムニーは、以前は納期が約1年だったが、最近は8カ月前後で安定している」。
【画像ギャラリー】5ドアのジムニーノマドと3ドアのジムニーシエラとは何が違う? 写真でチェック!!!(4枚)
5万台のうち、5000台が転売目的! 1人1台の販売!
メーカーのスズキは転売防止対策を徹底しているようだ
3月初旬、ジムニーノマドが転売の標的になっているのをスズキが見かねて転売対策をしていると新聞報道があった。それによると同一名義同一住所の複数台発注の場合には、スズキが受注内容を精査したうえで、発注のキャンセルを促すという。受注約5万台のうち、1割にあたる5000台が転売目的である可能性があるとのことだった。
この報道を受けて首都圏のスズキの販売店に聞いてみたが、都道府県をまたいでの複数台注文も行った人も多かったらしく、過去に転売目的でジムニーやジムニーシエラを早期に売却した人は強制キャンセルになっているという。またオプション選択がまったくない場合も転売目的が疑われる場合もあるという。
もともとジムニーノマドの発注に際しては、転売しない趣旨の誓約書にサインすることが必要で、「オプションを選択しないとメーカーから転売ヤーと思われるので選んでくださいと言われた」という証言も多く寄せられている。
後席を倒すとフルフラットにはならないがディーラーオプションで設定されているラゲッジボックスを装着するとフルフラットになる
アルファード&ヴェルファイアやランクル250などでは、1年間の転売禁止の誓約書に加え、抽選販売または残クレ、下取り車、コーティング、メンテナンスパックなどを抱き合わせ販売をしているトヨタディーラーほどの縛りはないものの、スズキの日本向け増産と転売対策はメーカーとしての良心を感じる。
大手中古車検索サイトを見ると、1年間の転売禁止の誓約書があるにもかかわらず、2025年式、走行2桁の「即出し車(納車してすぐに買取店に売ったりオークションに出品)」が多いアルファード(30台以上)&ヴェルファイア(10台以上)が販売されている現状。
ジムニーノマドは、受注5万台、月販1200台で納期は3年5カ月だが、報道された内容を照らしあわせ、転売対策の5000台を引くと4万5000台、増産された月産2500台で割ると納期は1年5カ月となる!
ジムニーノマドの価格はMTが265万1000円、ATが275万円。諸費用は20万円弱だからオプションなしでも約300万円、フロアマット、ナビ(7インチ)、セットアップ込みETC車載器を入れると乗り出し価格は330万円ほどになる。
アルファード&ヴェルファイア、ランクル250のように高額車でもないし、パキスタンやマレーシアなど輸出向けが狙えるクルマでもないので、プレ値はそれほど高騰せず転売ヤーが狙うクルマではない気もするが、さすがにこれはどうなるのかわからない。
いずれにしても、本当に欲しい人のもとへ届くように、転売ヤーをなくすためにもジムニーノマドもなるべく早い時期に増産体制を整えてほしい。
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みんなのコメント
大手中古車販売店に、登録落ちや低走行距離が溢れてるのはなぜなんだろ?
しかも、新車価格より30万以上上乗せで販売されている。
転売対策するのなら、生産日及び新車から3年以内は新車価格以上で販売してはいけない・・・って法を作ればいい。
最初の5日間の異常な注文数は
かなりの転売ヤーがいたと思いますよ。