三菱を代表する名機、4G63型2L直列4気筒ターボエンジンを搭載したスポーティモデルの三菱ランサーエボリューション。
ラインアップはI~X(10)まであり、各モデルに思い入れの強いファンがいて、中古車となってからでも非常に人気の高いモデルだ。
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ランサーエボリューションというとWRC(世界ラリー選手権)でも圧倒的な強さを誇った4ドアセダンを思い浮かべるが、2005~2007年という短い期間だけ台数限定で販売されたランサーエボリューションワゴンがある。
セダン譲りの高い走行性能と利便性を両立したステーションワゴンなのだ。
今回はこのハイパワーエンジンを搭載した豪快ワゴンのランサーエボリューションワゴンの中古車事情を紹介する。
文:萩原文博/写真:MITSUBISHI
【画像ギャラリー】不世出の豪傑ワゴンのランサーエボリューションワゴンは走りと利便性を両立した希少モデル
ランサーエボリューション史上唯一のステーションワゴン
セダンボディのランエボIXをベースにステーションワゴン化したのがランエボワゴンで、2005年に2500台限定で販売された
ランサーエボリューションワゴン(以下ランエボワゴン)は2005年9月7日に車両本体価格341万2500~346万5000円として限定2500台で販売開始された。
ランエボワゴンは2005年に登場したランエボIX(9)セダンをベースにランサーワゴンのボディサイドパネルやルーフパネルを流用。
さらに高出力エンジンに合わせてリア周りを重点的に補強した軽量かつ高剛性のワゴンボディを採用。
ルーフラインは一直線で少々武骨なイメージを覚えるが、前後のフェンダーはボリューム感があるので迫力満点
エンジン出力は組み合わされるミッションによって異なり、6速MTのGTグレードは最高出力280ps、最大トルク392Nmを発生。いっぽう5速ATのGT-Aグレードは最高出力272ps、最大トルク343Nmを発生している。
後輪の左右の駆動力をコントロールするスーパーAYCは装着されていないが、ACD(アクティブセンターデフ)により路面状況に関係なく優れた走行性能を発揮
ハイパワーエンジンを搭載するため、ボディは補強を施されている。
A、B、C、Dの各ピラーとルーフの結合部の補強に加えて、大型リアクロスメンバーの追加、リアフロアとリアホイールハウスそしてボディサイドストラクチャーの結合を強化して、ボディの捻り剛性を大幅に向上させている。
さらに、リアショックアブソーバー上部のボディ取付部周辺へ補強材の追加に加えて、テールゲート開口部には約50点のスポット溶接増しを行い、必要最低限の重量増で効果的に補強を行っている。
また、ランエボIXで採用したアルミフード、アルミフロントブリスターフェンダーなどを採用している。
ラゲージルームはランサーワゴンより少ない530L(5人乗車時)となっているが、6:4分割可倒式リアシートや3分割式のラゲッジアンダーBOXなどを装備し、使いやすい仕様となっている。
ノーマルのランサーワゴンよりはラゲッジ容量は小さいが、セダンに比べると積載量、積載性とも優れている。実用性の高さもランエボワゴンの魅力
バリエーションは合計で4パターン
2006年8月29日には、セダンのランエボIXと同様に、ランエボワゴンもミツビシレーシングの頭文字を取ったMRの冠を与えられた、ランサーエボリューションワゴンMRへと進化する。
変更点は6速MT車に搭載されるエンジンのMIVECを最適化させたほか、ターボチャージャーのタービンホイール材質をチタン合金に変更。
2006年にランエボIX MRと合計で1500台限定販売されたランエボワゴンMR。実際の生産台数は401台とランエボワゴンの約6分の1
同時にコンプレッサーホイール入口径を縮小させたことにより、レスポンスを向上させている。
外観では、フロントバンパー左右株のエアダム形状を若干下方に延長することで、空気抵抗の低減とフトントダウンフォースの強化を実現。
さらに、ホイールハウス内にこもる空気を効果的に排除できるようになった。車両本体価格341万2500円~348万6000円となっている。
この結果、ランエボワゴンはランサーエボリューションワゴンとランサーエボリューションMRの2モデルがあり、ミッションはそれぞれ6速MTと5速ATの合計4モデルが存在している。
それでは、最新の中古車事情はどのようになっているのだろうか。
生産台数はわずか3000台弱
2500台の限定販売とされたランエボワゴン、ランエボIX MRと合わせて1500台限定販売とされたランエボワゴンMRだが、実際の販売台数はランエボワゴンが2446台、ランエボワゴンMRは401台の合計2847台だった。
現在、ランエボワゴンの中古車の流通台数は約29台。
コロナ禍前となる3カ月前の流通台数が約33台なので、横這いといえる状態だ。
直線で速いワゴンは数多く存在するが、ランエボワゴンは世界ナンバーワンクラスのコーナリングパフォーマンスを有し、路面の状況を問わず速く走れるのが凄い
その内訳はランサーエボリューションワゴンが22台で、6速MT車は13台、5速AT車が9台。
ランサーエボリューションワゴンMRは7台で、6速MT車は3台、5速AT車が4台とMRのほうがかなりレアとなっている。
中古車の平均走行距離は3カ月前が約8.7万kmで、今月は約8.8万kmとほぼ横這いで推移している。
注目の平均価格の推移は、3カ月前が約158万円で、一時は約130万円まで値落ちが進んだが、現在は149万円まで戻している。
インテリアは基本的にランエボIX、IX MRと同じだが、メーターパネルはMTのGTとATのGT-Aでは若干違う
三菱ランエボワゴン&ランエボワゴンMRの中古車情報はこちら
MTとATでは平均価格は倍以上の差
流通台数の多いランサーエボリューションで平均価格を見てみると、6速MT車は約216万円に対して、5速AT車は約98万円とミッションが異なると平均価格が倍以上違うという特長がある。
ランエボワゴンの中古車の価格帯は約60万~約270万円で、100万円以下で流している中古車はすべて5速ATのGT-Aとなっていて、MT車は最も安い中古車でも約140万だ。
MTのGTの人気が高く中古相場も高い。しかし、イージーにスポーツドライビングを楽しむことができるATのGT-Aも魅力的
GTとGT MRというモデルよる価格差はなく、走行距離やコンディションを重視した価格設定となっている。
登場からすでに15年が経過したモデルであるが、国産車でモンスターワゴンと言えるのは、このランサーエボリューションワゴンとRB26DETTを搭載したステージア260RSぐらい。
走行距離5万km以下という高コンディションのクルマが見つかる今が買い時と言えるのではないだろうか。
ランエボワゴンはステージア260RSと並び、日本車ではもう出てくる可能性が低い豪傑ワゴンだ。両モデルとも値上がり傾向が顕著なをお忘れなく!!
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みんなのコメント
こうやって説明されると欲しくなる