ハリアーは新車より中古車が高い？ それでも狙えるおすすめグレード

　2020年にモデルチェンジを行ったトヨタハリアーは、高い商品性を持つ大人気のSUVだ。そのため納期が長く、一部グレードが受注停止となっている。そこで気になるのが中古車の相場だ。現行型ハリアーの中古車相場と、ねらい目のグレードを調査した！

文／萩原文博、写真／ベストカー編集部

■復活を遂げた日本専売のハリアー

2020年にモデルチェンジを行った現行型トヨタハリアー

　世界的な半導体不足やコロナウイルス感染拡大による人材不足そしてロシアのウクライナ侵攻による燃料代高騰など様々な要因によって新車の納期遅延が起きた。

　現在、納期の長期化が解消しつつある国産メーカーも見られるが、人気車を多く抱えるトヨタは依然として、納車が長期に渡っている車種もある。

　そこで、今回はプレミアムSUVとして抜群の人気を誇るトヨタハリアーの新車の納車タイミングをチェックし、新車で狙いたいグレードそして中古車で狙うべきグレードを検証してみたい。

　トヨタハリアーといえば、本当ならば現存していない車種だった。2000年に販売開始したハリアーは海外ではレクサスRXとして販売されていた。日本市場へのレクサスRX導入時にハリアーの販売終了が決定し、一度は車種ラインナップから姿を消した。

　しかし、国産SUVの中で強いブランド力をもつハリアーをなくさないでほしいという営業現場からの声に押され、2013年11月に登場した3代目ハリアーはレクサスRXとは別のモデルとなり日本市場専売モデルとなった。

　自動車メーカーが一旦絶版車としたモデルが営業現場の声によって復活することも稀だが、こうして現在でも高い人気を誇っていることを考えれば、メーカーとしても英断だったと言えるだろう。

　現行型ハリアーは2020年6月から販売開始されたが、発表直後からオーダーが殺到。半導体不足などが起きる前からグレードによっては納期が1年といわれていた人気モデルとなっているのだ。

■エレガントな外観と優れた走り

TNGAプラットフォーム（GA-K）を採用してボディの高剛性化・低重心化を実現している

　現行型ハリアーは、見て、乗って、走り出した瞬間に心に響く感性品質を重視し、実用性や数値一辺倒ではない、人の心を満たしてくれる存在を目指して開発された。

　そして、現行型ハリアーは新しい価値を提供するために、クルマの骨格であるプラットフォームにはTNGAプラットフォーム（GA-K）を採用。ボディの高剛性化・低重心化を実現し、ドライバーの感性を重視した乗り心地と走りを両立させている。

　また、走り出した瞬間や高速走行時の車両の挙動の収束性を向上させるため、新しいショックアブソーバーを採用。接地感あるフラットな乗り心地が特長となっている。

　現行型ハリアーの外観デザインは他のSUVとは一線を画す、シンプルさとエレガントさそして逞しさが融合した流麗なクーペスタイルを採用したのが特長。一方インテリアは、馬の鞍をイメージした幅広く堂々としたセンターコンソールを採用。

　それを挟み込むインストルメントパネルとの組み合わせが「大らかな逞しさ」を演出し、その個性を強調している。さらに調光ガラスを用いた電動シェード付パノラマルーフをトヨタ自動車初採用。調光時には、障子越しのような柔らかい光が差し込む上質な空間を演出する。

　現行型ハリアーに搭載されるパワートレインは2.5L直列4気筒ガソリンエンジン＋モーターのハイブリッドシステムと2L直列4気筒ガソリンエンジン＋CVTの2種類で、それぞれ駆動方式は2WDと4WD（ハイブリッド車はE-Four）を設定。


　安全装備では歩行者（昼夜）や自転車運転者（昼間）を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティ採用の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を装備。

　さらに、駐車場など低速走行時における衝突緩和、被害軽減に寄与するインテリジェントクリアランスソナー［パーキングサポートブレーキ（静止物）］などの安全・安心をサポートする装備も充実。

　加えて走行中の前後方向映像を録画可能なデジタルインナーミラーをトヨタ自動車として初採用している。

■一部改良でプラグインハイブリッドを追加

ハリアーは2022年10月の一部改良でプラグインハイブリッド（PHEV）を追加した

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　ハリアーのグレード構成はガソリン車、ハイブリッド車ともにZ、G、Sの3グレードに加えて、ZとGにレザーパッケージを設定し、合計10グレードだ。

　そして、現行型ハリアーは2022年10月に一部改良とプラグインハイブリッド（PHEV）の追加を行っている。

　一部改良のメニューは、プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車及び右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能を追加。そして、コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオを採用。

　12.3インチの大画面ディスプレイを設定したほか、車載ナビの搭載、クルマがWi-Fiスポットになる「車内Wi-Fi」を採用したことなどだ。

　追加されたPHEVは最上級グレードのZに設定され、専用のフロントグリルをはじめ、専用のボディカラーを設定している。随所にブラック塗装を施したほか、内装にはインストルメントパネルからドアトリムへ、金属メッシュ質感のダークレッドパイピングオーナメントを採用している。

　現行型ハリアーには、人気の4つの要素があり、これが多いほど納車時期が長くなると言われている。1つめはHEV（ハイブリッド）、2つめはPHEVだ。ガソリン車よりもHEV、そして登場したばかりのPHEVは納期が長い。

　そして3つめがZレザーパッケージ。最上級グレードのZ、なかでも本革シートを採用したレザーパッケージは納期が長期化する。そして最後が調光パノラマサンルーフ。この4つの要素が重なると納車まで1年以上は確実となる。

■中古車で狙うべき現行型のグレード

ハリアーハイブリッドの2.5Lエンジン

　実際、現在新車の納期について調べてみるとトヨタの販社のホームページに掲載されていて、ハリアーのガソリン車でSとGグレードは2023年11月以降。Z、Z“レザーパッケージ”はご注文受付を停止しております。という文字が……。

　ハイブリッド車はSとGグレードは2023年12月以降。Z、Z“レザーパッケージ”は「ご注文受付を停止しております」、Z PHEVは2024年1月以降となっている。

　つまり、SとGはガソリン車、ハイブリッド車ともにオーダーすることはできるが、Z、Z“レザーパッケージ”は現状オーダーすることもできない状況なのだ。Z PHEVは2024年1月以降となっているので、ガソリン車、ハイブリッド車のZ、Z“レザーパッケージ”は圧倒的と言える状況なので。

　この状況を鑑みれば、自分の好みにオーダーできるS、G、Z PHEVは新車。現状オーダーもできないZ、Zレザーパッケージは中古車で狙うべきグレードと言えるだろう。これを踏まえて最新の現行型ハリアーの中古車相場をチェックしてみたい。

　現状、ハリアーの中古車は約5,860台流通していて、最も多いのが2013年～2020年まで販売された旧型ハリアーで約3,155台。続いて2020年から販売された現行モデルで約2,200台となっている。

　現行型ハリアーの中古車相場は、平均価格が約400万円。流通している中古車の価格帯は約259万～約707万円と新車価格を超えるプレミアム価格の中古車も流通している。

　現行型ハリアーの中古車で、2022年9月の一部改良前が約1.930台。そして一部改良後が約289台で、そのうち2023年式、走行距離500km以下という登録済み未使用車に絞っても約256台もヒットした。

　流通している中古車のグレード構成を見ると、一部改良前後で大きく異なっている。一部改良前は、2.0Zの2WD車が最も多く、2.OZ レザーパッケージ2WD車、ハイブリッドZレザーパッケージ2WD車とZグレードの2WD車が独占している。

　一方、一部改良後は2.OGの2WD車が最も多く、次いで2.0Z 2WD車そしてハイブリッドZレザーパッケージとなり、納車できるグレードも大きく異なっていることがハッキリと表れている。

　現行型ハリアーの中古車で狙い目は、現状新車がオーダーできない2.OZ レザーパッケージ2WD車、ハイブリッドZレザーパッケージ2WD車で、流通台数が豊富で自分の好みの仕様が見つけやすい一部改良前のモデルだ。

　人気車だけに多少割高だがリセールバリューが高いので、手放すときにもハリアーの人気の高さを再認識できるはずだ。

先代ハリアーは2017年のマイチェン後がねらい目

　現行型は「ちょっと手が出させない……」という人には中古車の流通台数が歴代最も多い旧型ハリアーがオススメだ。

　2013年に登場した旧型ハリアーは2017年にマイナーチェンジを実施。ターボエンジンの追加や安全装備の拡充を行っている。旧型ハリアーを狙うのであれば、この2017年のマイナーチェンジ以降を狙いたい。

　2017年のマイナーチェンジ以降だけでの約1,600台の中古車が流通しているし、現行モデルの中古車の流通台数が増加しているので、これまでの高値安定傾向から値落ち傾向へと動きが変わっているので買いのチャンス到来だ。

Comments

年明けからかなり買取価格下がっているのカー雑誌なのに知らずに記事書いてるのか？
あー価値ない記事。

先日、2021・Zレザーパケ・ハイブリッド売却しましたが、残価率80%超えでした。