■間近で見られるプロトタイプにファン興奮!
2020年9月16日に世界初公開された日産の次期型「フェアレディZプロトタイプ」ですが、ユーザーが間近に見られる機会が開催されました。
間近に見られる場として設けられたのが、10月11日に東京都渋谷区の代官山T-SITEで開催された「モーニングクルーズ」というイベントです。
モーニングクルーズはイベントごとにテーマが設定され、そのテーマに合ったクルマとファンが集まるオーナー参加型のイベントです。
毎月1回のペースで開催され、「フランス車」や「青いクルマ」といったテーマでおこなわれます。そして今回のテーマは、もちろん「フェアレディZ」でした。
モーニングクルーズの名の通り、イベントは朝の7時から10時までの開催となりますが、日曜日の朝にもかかわらず、およそ30台の歴代フェアレディZが集ったのです。
当日は小雨模様ながら、懸念されていた台風の影響はほとんどなく、多くのオーナーとファンがそれぞれのフェアレディZをネタに話に花を咲かせていました。
フェアレディZは1969年に初代となるS30型が登場して以来、5度のフルモデルチェンジを経て、現行モデルは2008年に登場したZ34型です。
日産「GT-R」と並んで、日産はもちろん日本を代表するスポーツカーであり、海外にも多くのファンを持っています。前述の通り、7代目となる新型フェアレディZのプロトタイプが発表されたこともあり、にわかに注目が集まっている1台でもあります。
モーニングクルーズでは、そのプロトタイプも展示されました。9月16日にオンライン発表されて以来、日産パビリオンなどごく一部で公開されていましたが、間近で見られる数少ない機会ということもあって、多くのファンやメディアが来場しました。
また、イベントには日産からチーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏と、エグゼクティブデザインダイレクターの田井悟氏も登場。
さらには、非公式ながら社長兼最高経営責任者である内田誠氏も来場し、プロトタイプを囲んでオーナーやファンと交流していました。
■歴代Zオーナーも新型には興味津々?
イベントのなかでおこなわれたトークショーで、田井氏は新型フェアレディZについて次のように話しました。
「新型フェアレディZのプロトタイプには、歴代Zの記憶が散りばめられています。
例えば、テールランプはZ32型からの引用となっていますが、そのZ32のテールランプは、S30のテールランプを再解釈したものでした。このように、伝統と未来は分かれておらず、伝統のなかに未来があります」
実際に、プロトタイプではZ32型から引用されたというテールランプ以外に、全体のボディラインやフロントグリル、ヘッドライトなど、随所に初代であるS30型のモチーフを採用しています。
さらに、リアゲート右側にあるバッジには、S30型と同じ書体で「Fairlady Z」の文字が書かれているなど、歴代モデルへの敬意を感じられるデザインです。
イベント会場に訪れたファンの男性は「歴代モデルのなかで新型を見ることにより、新型が過去のデザインを上手に受け継いでいることがわかった」と話します。
また、別の参加者の男性は「近年、往年の名車が復活することが多いが、同じなのは名前だけで、事実上ぜんぜん違うクルマということも少なくない。しかし、新型フェアレディZは歴代オーナーから見ても違和感なく受け入れられるのではないか」と好意的な反応でした。
ファンが気になる「本当にこのままのデザインで出るのか」という点に対して、田村氏は「ほとんどこのまま出ます」と改めて強調しました。
新型フェアレディZのエンジンについては、V型6気筒のターボエンジンであるという以外に詳細は明かされていません。
イベントでもボンネットをわずかに開けるシーンはありましたが、中身を拝むことはできませんでした。
イベントも終盤に差し掛かった頃、プロトタイプの展示場所を変更するために、スタッフがドライバーズシートに乗り込んだため、エンジンを掛かるのではないかとファンを期待して見守りましたが、残念ながら手押しで移動となりました。
とはいえ、歴代フェアレディZのオーナーや日産の開発者・デザイナー、そして新型フェアレディZプロトタイプと交流できるまたとない機会ということもあって、会場に足を運んだファンは終始満足そうな表情でイベントを楽しんでいました。
※ ※ ※
このプロトタイプは、今後はデモンストレーションで世界を回るといいます。そのため、次に会えるのは、いよいよ公式発表の場かもしれません。
気になる発表のタイミングについて田村氏は「GT-Rのプロトタイプが発表されてから実際に発売されるまでが参考になると思います」とヒントを与えてくれました。
ちなみに、GT-Rのプロトタイプは2005年秋の東京モーターショーで発表され、2007年の12月に発売されています。ただ、デザインの完成度を見ると、新型フェアレディZの登場はもう少し早くなるのではないかと期待してしまいます。
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みんなのコメント
全体的に"間"が抜けている様に見える。
S30の様な伸びやかさもなければグラマラスさも感じない。
20年前のデザインと言われても誰も疑わないだろう。
なぜ日本車のデザインと言うのはこんなにも…