日本では歴代モデルのルノー カングーが驚くほどの人気ぶりを見せている。新型3代目の受注状況も好調と伝わるが、欧州ではすでにコマーシャルモデルとともに、乗用のワゴンモデルにもBEV仕様がデビュー済み。今回、そのハンドルを握る機会を得た。(Motor Magazine 2023年6月号より)
ヨーロッパでは2023年春から販売が開始されている
1997年に誕生したルノーカングーは、日本で異例なほどの人気を博したフレンチハイルーフワゴンだ。2020年に3世代目が登場したが日本でのデビューは遅れて、ようやくデリバリーが始まったところである。しかし、実は22年のパリサロンで乗用車タイプのBEV版「Eテック」が発表されており、23年春からヨーロッパで発売が開始されている。
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そのEテック版の外観だが、フロントグリルのデザインとリアのバッジを除けば、エンジン車との違いを見つけることはほとんどできない。2列シート、5人乗りのハイルーフキャビンは搭載バッテリーによる空間上の制約はなく、通常で850L、リアシートをたためば最大で2500Lのカーゴスペースも誕生する。
運転席からの眺めもほぼ同じで、ハンドルの奥にはBEV専用のメニューを持ったインチのデジタルコクピット、そしてダッシュボード中央にはタッチスクリーンがレイアウトされている。またメーターナセルの上やルーフの隙間など小物入れも豊富で、こうした気配りのある使いやすさがファミリーカーとしての人気の秘密かも知れない。ただし、ラゲッジルームでむき出しの充電ケーブルは感心できない。フロア下などに収納したいところだ。
フロントボンネットの下には、90kW(122ps)の最大出力と245Nmの最大トルクを発生する電気モーターを搭載して、前輪を駆動する。BEV専用プラットフォームではないため、フロントのトランクルーム(フランク)は存在しない。
日常的な利便性には満足。航続距離への意識は必要
容量45kWhのリチウムイオンバッテリーは8つの空冷モジュールから構成され、フロア下に収められている。カタログにはWLTPモードの最大航続距離285kmと表記されている。
リモコンキーで開くフロント中央エンブレム、あるいはボディ右サイド後部の充電口を開けてバッテリー容量20%→80%まで充電するには、通常の家庭用電源では2.5時間、3.7kWのウォールボックスで14時間、11kWでは4時間、さらに22kWの公共充電器では90分で5%→80%に、さらにCCS急速充電器では37分で80%までの充電が可能になる。
エンジン車とまったく同一のセレクターをDポジションに引き寄せて、アクセルペダルを踏み込む。重さ320kgのリチウムイオンバッテリーなどで車重が1.9トンになるため、Eテックの0→50km/h加速は4.7秒、0→100km/h加速は12.6秒、最高速度は132km/hとなるが、欧州ではともかく、日本では十分に実用的な性能である。瞬時に十分なトルクを発生する電気モーターのおかげで街中ではスイスイと水すましのように敏捷で、高速道路への進入路などでも他車の交通の妨げになることはない。
2.7mのホイールベースによって乗り心地は快適。さらに床下バッテリーのおかげで1.8mを超える全高でも終始安定したハンドリングを見せた。
バッテリーをほぼ使い切っての220kmほどの半日テストは、一般道路、峠道、そして高速道路を含むコースだったが、人間工学的に優れた形状とクッション、微妙な調整が可能な快適性重視のシートには感心させられた。
カングーEテックはエンジン搭載版のカングーが提供するユーティリティをすべて備えている。ワンチャージで最大285kmの航続距離はやや心配ながら、計画充電を行えば郊外のキャンピング場へのアクセスも可能だろう。ただ、欧州でのベース価格は3万9300ユーロ(約585万円)で、標準モデルより1万3000ユーロ(約195万円)も高価なのは残念だ。
このEテックにも観音開きのリアドアやブラックバンパーなどを装備した日本仕様が用意されるかは不明だが、環境保護自然派ファミリーには絶好のゼロエミッションハイルーフワゴンである。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
ルノー カングーEテック主要諸元
●全長×全幅×全高4486×1860×1864mm
●ホイールベース:2716mm
●車両重量:1945kg
●モーター:交流同期電動機×1
●モーター最高出力:90kW(122ps)
●モーター最大トルク:245Nm
●バッテリー総電力量:45kWh
●WLTPモード航続距離:285km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:205/60R16
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