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『トヨタ・カローラレビン(AE101型)』先代ほどの栄華を誇れなかったラストウエポン【忘れがたき銘車たち】

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『トヨタ・カローラレビン(AE101型)』先代ほどの栄華を誇れなかったラストウエポン【忘れがたき銘車たち】

 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは、グループAレースに参戦したトヨタ・カローラレビン(AE101型)です。

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 1985年にスタートして、グループA規定のマシンがしのぎを削った全日本ツーリングカー選手権(JTC)。このJTCは、ディビジョン1、2、3と3つのクラスに分けられ(初年度の1985年だけは、3つではなく5つだった)、それぞれのクラス内でバトルを繰り広げながら混走をするレースであった。

 しかし、1990年にニッサンBNR32型スカイラインGT-Rが登場して以降、ディビジョン1はニッサン最大のライバルであったフォード・シエラが駆逐されていき、最終的にはGT-Rのワンメイク状態になった。

 ディビジョン2もディビジョン1と同様に、参戦車種がこのクラスの最適解マシンだったBMW M3のみとなっていき、異なる車種が競うことはなくなっていた。

 そんななか、唯一グループA最終年までライバル車種が毎戦激しいバトルを繰り広げていたクラスがあった。それが、最小排気量クラスのディビジョン3だ。

 このクラスで主役となったのはホンダ・シビック、そしてトヨタ・カローラレビンだ。今回は、このディビジョン3において最後に投入されたトヨタ・カローラレビンAE101型を紹介しよう。

 AE101型のカローラレビンがレースデビューを果たしたのは、1991年シリーズ最終戦のインターTECだった。市販車が1991年6月に登場したばかりで、このレースで新車を投入することになるトムスと土屋エンジニアリングに車両がデリバリーされたのは、インターTECのひと月前だったこともあり、かなり急ピッチな参戦となった。

 このシーズンでは、トヨタ勢のなかでも土屋エンジニアリングの走らせるAE92がインターTEC前までに2勝をマークしていた。最終戦は、タイトルの懸かった1戦でもあり、この新車によってタイトルを決めるという思惑もあったようだが、結果的にその通りにはいかなかった。

 やはり熟成不足がたたり、レースでは同じくAE101を投入したトムスとともにトップ争いを繰り広げるもトラブルによって脱落。AE101のデビューを華々しい結果で飾ることはできなかった。

 AE101は、先代のAE92型と比較して全幅が1695mmと5ナンバー枠いっぱいとなるなど、全体的にボディが大型化。これによってボディ剛性も向上した。

 さらに、エンジンも同じ4A-G型でありながらヘッドが5バルブ化されて進化を遂げていたが。しかし、ボディの大型化とエンジンの5バルブ化により、レーシングカーとしてはシャシー側、エンジン側共にAE92のレベルに達するまでに、かなり苦労があったとされる。

 AE101のフル参戦初年度となる1992年にはトムスの2台、土屋エンジニアリングの1台に加えて、トーヨータイヤを履くランドマーク・カローラも参戦。

 トムスの37号車と土屋、ランドマークがそれぞれ1勝づつを挙げるも、ホンダ勢に力が及ばぬことも多く、各車ともシリーズ上位に食い込めなかった。

 そして、グループA最終年となる1993年。この年は、シーズン途中に市販車で採用されていたスーパーストラットサスペンションのFIA公認を取得し、フロントタイヤを17インチ化。

 エンジンも可変バルブタイミング機構『VVT』の採用などにより、土屋エンジニアリングの車両では、最終的に227psという出力を発揮するに至ったが、結局、この年AE101が勝利を挙げたのは5ZIGENによる第6戦のレース・ド・ニッポンのみとなり、シリーズ全9戦中8勝をライバルのシビックに奪われてしまった。

 先代AE92時代には1989年、1990年とドライバー部門で土屋エンジニアリングが連覇を果たすなど、ホンダ勢と互角ともいえる戦いを繰り広げていたカローラレビン。しかしAE101では、その再現とはならなかった。レビンは、シビックの後塵を排したまま、グループAレースは幕は閉じられた。

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みんなのコメント

8件
  • 101トレノに乗ってましたがボディ剛性は高くなりましたが重かったですね。
    エンジンもカタログ値から程遠いスペックだったように記憶しています。
  • 坂東さんちのレースカーは
    打倒!無限!
    とか書いてたな、怖いよあそこ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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