直6ターボエンジンは今も現役で走り屋を魅了
グリップ/ドリフト/ドラッグなどカテゴリーを問わず、パワー系チューニングの代名詞といえる直6エンジン。とくにトヨタの「2JZ-GTE」と日産の「RB26DETT」は今も現役で、本来の搭載車であるスープラやスカイラインGT-Rどころか、メーカーの枠を超えてスワップされるほどの人気ぶりだ。ふたつの名機が時代を超えて愛される理由や、代表的なチューニングのメニューを紹介しよう。
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3Lターボで力強い走りを味わえる「2JZ-GTE」
いずれもパワーは当時の自主規制だった280psを発揮し、排気量にこそ差はあれどツインターボであることも共通。トヨタ最強のエンジンとも評される2JZ-GTEは排気量が3000cc、ベースである2500ccの1JZ-GTEも280psをマークしていた。より高いポテンシャルを持ちながらあえて280psに抑えていたワケで、マフラーとエアクリーナーを交換するだけでも300psは楽勝といわれ、プラス500ccの排気量で最大トルクは44kg-m(VVT-i仕様は46kg-m)に及ぶ。
チューニングにおいて魅力だったのは頑強さ。ブロックは熱に強いとされる鋳鉄を採用しており、さらにヘッドガスケットもメタル製を使用していた。ブーストアップの450psやタービン交換の600psといった出力にも対応でき、近年ではロングストローク化によって3565ccまで排気量を増やすキットも登場。現在のD1では900psや1000psを誇る2JZ-GTEも珍しくなく、トヨタだけじゃなくシルビアなどの日産車にも搭載される。
レースで勝つために排気量を決めた「RB26DETT」
いっぽうRB26DETTはエンジン型式から分かるとおり2600cc。一見すると中途半端にも感じる排気量をあえて選んだ理由は、グループAと呼ばれる当時の全日本ツーリングカー選手権において、勝利することが至上命題として課せられていたからだ。
スカイラインGT-Rが参戦を予定していたクラスでの優位を確保するため、車両の最低重量やタイヤの最大幅、過給器に対する係数を加味したうえで、もっともアドバンテージがあると判断したのが2600cc(正確には2568cc)という排気量だったのだ。
2JZ-GTEと同じくカタログにおけるパワーは280psに抑えていたが、ノーマルで300psを超える個体も珍しくなかったと噂されており、グループAでは「GT-RのライバルはGT-Rだけ」といった状況を生み出した。タービンやインタークーラーは純正で600psのキャパシティがあると言われ、6連スロットルによる鋭いレスポンスもライバルと目されたエンジンにはない武器だ。
またブロックが頑強な鋳鉄製であることに加え、補強リブなど耐久性を高める工夫が随所に見られ、純正タービンのままで480psも可能。そして排気量アップのメニューにも事欠かない。2800ccや3000ccなど、予算や目的で選択でき、1000psを超えるチューニングカーも多く見かける。
他車へのスワップも昔から盛んに行われており、同じRB系エンジンを搭載するGT-R以外のスカイラインをはじめ、セフィーロやローレルへの搭載もドリフト界で人気だった。RB26DETTはR32からR34までのスカイラインGT-Rに搭載され、モデルチェンジを重ねるごとにタービンや内部パーツを進化させ、パワーは280psと変わらないがトルクはR32の36kg-mから最終的にR34で40kg-mへ。後継モデルとなるR35型のGT-Rがデビューした後も、RB26はチューニング界の主役のひとつであり続けている。
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一応後継とされるVQ、GRには無理。