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RB20の縁石問題を解決するためフェルスタッペンがイモラでテスト。旧型マシンを“参考資料”に弱点を探る

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RB20の縁石問題を解決するためフェルスタッペンがイモラでテスト。旧型マシンを“参考資料”に弱点を探る

 先週末のF1第10戦スペインGPを前に、レッドブルがイモラでマックス・フェルスタッペンとプライベートテストを実施したことがバルセロナで明らかにされた。今季のマシン『RB20』の特定の弱点を解決するためだったという。

 チームは旧スペックのマシンで若いドライバーを走らせることが多いが、タイトルを獲得した2022年型マシン『RB18』を使用するイモラでのテストにフェルスタッペンを起用することは、非常に珍しいことのように思われた。しかしこのテストには、最近のレースでRB20のパフォーマンスを妨げる要因となり、苦戦を強いられている縁石の使い方を理解する目的があった。

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 空力効率の副産物であるサスペンションの適合性の欠如は、イモラ、モナコ、カナダなど、スピードを出すために縁石のナビゲートが重要となるコースで、特に悪影響を及ぼしている。レッドブルはこの弱点を経験済みで、現在影響は大きなものになっている。以前はコンマ1秒や2秒を犠牲にしても、首位の座が危うくなることはなかった。しかし今、それは勝つか負けるかの違いになる可能性がある。

 フェルスタッペンによる2022年型マシンでの走行は、レッドブルの基準点となった。最近イモラでRB20をドライブしていることから、縁石の問題が少ないマシンでコースに戻ることで、貴重な洞察がもたらされる可能性があった。この比較は、レッドブルが問題の深刻度を理解し、改善が必要な領域を特定するのに役立っただろう。

「我々はマックスに、以前のマシンを参考にしてもらおうとした」と、レッドブルのチーフエンジニアを務めるポール・モナハンはバルセロナで説明した。

「現在のマシンの長所と短所を見極めようとするとき、彼が参考にするのは現在のマシンだ。そして、『ああそうか、過去数年間はこれもあったし、あれもあった』などと言うかもしれない。だが、本当にそうだろうか? なぜなら、それらを同時に走らせたことはないからだ」

「だから、あのマシンを走らせるにあたり、マックスに判断基準を与えようとした。そして、彼はそこからフィードバックを我々に与えることができた。今、それをどうするかは我々次第だ」

 モナハンは、このテストの主な目的は、マシンのハンドリングに関するフェルスタッペンのフィードバックの源を解明すると同時に、マシンの現在のパフォーマンスを評価するためのより明確なベンチマークを、フェルスタッペンに提供することにあったと説明した。

「彼のフィードバックはそのままでは変わらないが、彼に別の参考資料を与えることはできる」

「マシンの長所と短所は、我々がマシンをどう捉えるかということだ」

「もちろんライバルたちと比較して判断はできるが、それを彼のコメントやチェコ(セルジオ・ペレスの愛称)のコメントと合わせると、『我々はうまくいっているか? いっていないのか?』という話になる。データを見て、自分たちが他と比べて優れているとか劣っているとか言うことが妥当なのか考えよう。彼はどう認識しているか? 彼はなぜそう言っているのか? では、一体どうすればいいのか?」

 レッドブルは、縁石を使うのにそれほど不利にならないバルセロナを含む今後の開催地で、トップ集団の地位に戻ると予想されている。しかしモナハンは、レッドブルの競争力の可能性を認めながらも、有利なコースを活かすためには、パフォーマンスを完全に最適化する必要性があることも強調している。

「日曜日にわかるのではないだろうか? でも、普通のコースだ。ここは比較的高速で、空力の感度が高い。この後、3つのストレート、3つの低速コーナー、3つの高速コーナー、または急なコーナーがある海抜1000メートル(オーストリア)の場所を走り、その後のシルバーストンでは、大部分を全開で走ることになる。したがって、それぞれのコースに独自の課題がある。自分たちの仕事を熱心に、そしてうまくやれば、競争力のあるマシンを持つことができると思う」

「他の人たちが何をしようと、我々は影響を与えることも、コントロールすることもできないし、彼らと比較して評価される」

「ハンガリーでは、あらためてダウンフォースを最大に戻すだろうし、その1週間後にはスパにいる。つまり、今年最も細いリヤウイングを使うのは、おそらくジェッダのような場所以外でのことになるだろう。そのため、通常のレースではダウンフォースをシャッフルして冷却を変え、モンツァでは最大限にする。どれも似たようなコースだったら、私の考えは甘いかもしれないが、楽しむことはできるだろう」

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みんなのコメント

1件
  • まろまろ
    違ったライン取りで、更に進化する可能性も出てくるかもしれませんね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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