雨のF1第14戦ベルギーGPの予選でトップタイムを出したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対して、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼが無線でこう祝福した。
「すごい走りだった、マックス。ポール(ポジション)、おめでとう」
ペナルティのフェルスタッペン、予選最速で最善の11番グリッドを確保「運が良ければマクラーレンに挑戦できるかも」
すると、ペナルティにより10グリッド降格が決まっていたフェルスタッペンは笑って、こう返した。
「これって、ポールって言うの?? とにかく、今日は素晴らしいクルマだった。夜遅くまで仕事してくれたスタッフたちに感謝したい」
前戦ハンガリーGPではレース戦略を巡って、激しいやりとりをしていたフェルスタッペンとランビアーゼだが、ベルギーGPが開幕する前、チームはしっかりとコミュケーションをとってわだかまりを解消。そのことがよくわかる無線だった。
そのフェルスタッペンは金曜日のフリー走行2回目から土曜日にかけて、大きくセットアップを変更した。変えたのは、リヤウイングだった。金曜日のフリー走行2回目でフェルスタッペンはチームメイトのセルジオ・ペレスとは異なり、ロー・ダウンフォース仕様のリヤウイングを装着していた。
しかし、土曜日のフリー走行からはペレスと同じミディアム・ロー・ダウンフォース仕様のリヤウイングを搭載していた。その理由を予選後の会見でフェルスタッペンはこう説明した。
「フリー走行1回目のリヤウイング(ミディアム・ロー・ダウンフォース仕様)のほうが、コーナーで自信を持って走ることができて快適だったんだ。フリー走行2回目ではマクラーレンが薄いリヤウイングを使用していたので、僕も試してみた。彼らにとってはうまく機能しているようだけど、昨日の僕にとってはうまくいかなかった。日曜日は天気が回復し、気温も高くなるだろうから、タイヤのグリップも下がる。だから、元に戻したんだ」
そのダウンフォースをつけ気味のリヤウイングが、土曜日のウエットコンディションで、さらにフェルスタッペンのマシンを安定させ、予選でトップタイムをマークする結果となった。
しかし、日曜日のレースでフェルスタッペンは現時点で11番手からスタートすることが決まっている。オーバーテイクするためには、ロー・ダウンフォース仕様のリヤウイングのほうがいいのではないか。そういう疑問にフェルスタッペンはこう答えた。
「スパでは空気抵抗の影響はもちろん大きいけど、タイヤをうまく使うことのほうが僕は重要だと思う。タイヤの状態がよければ、コーナーの立ち上がりで加速して追い抜くことができるからね」
果たして、11番手からフェルスタッペンは、どこまで追い上げることができるのか。夏休み前、最後の一戦に相応しい熱いバトルに期待したい。
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