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バイクに装備されている負圧燃料コックの仕組みとは

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バイクに装備されている負圧燃料コックの仕組みとは

■バイクの負圧コックの仕組みとは

 負圧コックは、燃料タンクに給油されたガソリンをキャブレターを通しエンジンに送り込むパーツのひとつで、バイクを動かすうえでは欠かせないパーツです。

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 負圧コックはいわば燃料が永続的に流れ込むのを防ぐ蓋のような役割を担っており、必要なときだけ開いてエンジンにガソリンを送り込んでくれます。負圧コックは手動で開閉をするものではなく自動で開閉が行われるのですが、エンジンがかかったときだけ負圧コックが開き、停止しているときに閉まるものです。

 原理として、バイクは燃料タンクから送り込まれてきたガソリンをバイク内で爆発させることによってピストンが動いてバイクの原動力になりますが、このピストン運動によってキャブレター内にある圧力に変化が起こります。

 2ストロークのエンジンであればピストンが上がった際に、4ストロークであればピストンが下がったときに負圧(マイナスの圧力)の力によって負圧コック(蓋)が開くので、ピストンが動いていないときは圧力の変化がないので閉じたままなのです。

 身近なものを例にしますと注射器に液体を吸引させるときがイメージしやすいでしょう。注射器内に液体を吸引させたい場合はまずピストンをシリンダーの奥まで押し込み、そこから液体に注射器先端をつけ、ピストンを引くことで注射器内に液体が入ってきます。つまり注射器が液体を吸い込む力こそが負圧なのであり、負圧コックも同じように引っ張られる力によって蓋の開閉がエンジンの駆動によって行われるといえましょう。

■故障した際の修理方法とは

 万が一、エンジンがかかりにくい、走行中にエンジンが止まってしまう、もしくはバイクからガソリンが漏れている症状を見かけた場合は負圧コックの不調が疑われるので、負圧コックそのものを新しいものに交換しましょう。やり方に先立って必要なものとして新しい負圧コック本体、ガソリンを保存できる容器、灯油ポンプをご用意ください。

 負圧コックは、前述のとおり燃料タンクからガソリンを送り込むのを阻止する蓋であり、燃料タンクにガソリンが残ったままで負圧コックの交換作業に臨むとガソリンが垂れ流し状態になるため燃料タンクからガソリンを別の容器に移し替える必要があります。

 灯油ポンプでも別容器に移すことは可能ではありますが、ガソリンは引火しやすいので危険物取扱者の資格をもつガソリンスタンドのスタッフに任せた方がよいでしょう。ガソリンを適切に他の容器に移したら、古い負圧コックに接続されているホースを外し、新しい負圧コックに取り外したホースに接続します。

 接続が完了したら燃料タンクに移行したガソリンを入れ直して、新しい負圧コックをPRI(燃料が自動落下)の位置に回してガソリンがエンジンに供給されるか状態を確認します。ガソリンの漏れや垂れなどがなければ正常に接続されていると想定されますので、負圧燃料コックをONの位置に切り替えてエンジンが正しく稼働するかのチェックをしましょう。従前どおりにバイクが動けばこれで負圧コックの交換は完了です。

 なお、エンジンのかかりが悪く負圧コックの不調を疑っても特に異変が見られないような場合は負圧コックそのものではなく負圧コックに使用されているOリングに問題がある場合も考えられ、Oリングの交換で問題が解決する場合があります。

 負圧コックのOリングは負圧コックの内部(カバー下)にある小さなパーツで、コックに使われているもの、ダイヤフラム側のものを、グリスを塗った新品のOリングに取り替え負圧コックを元の形に組み立て直して接続すれば完了です。

 手順と作業内容はそこまで複雑ではありませんが、慣れていない最初のうちはガソリンをこぼしてしまうなどの思わぬトラブルに見舞われるおそれもありますので、ご心配であればお近くのバイクショップにご相談されるとよいでしょう。

※ ※ ※

 バイクの負圧コックとは、バイクを動かす原動力を生む際に伴う圧力を使って、ガソリンをエンジンに流し込む・阻止する、を自動でおこなってくれるパーツであるため、バイクを動かすうえでは重要な機構です。

 もしエンジンの不調が疑われ負圧コックの異変が怪しい場合であっても、負圧コック自体の交換はそこまで複雑ではなくメンテナンス初心者であっても比較的取り組みやすいので、焦らず、落ち着いて取り組めば駆け出しのライダーでも成し遂げられます。

 ただし、よくイメージができないまま取り組むと更なるトラブルの元になりますので、「自分ならできる」と過信せず、時には専門家に任せるという選択肢を検討できる判断力も大切です。

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