エルトン・ジョンが新車購入 フェラーリ365GT4 BB オークションへ

もくじ

ー グッドウッドのオークションに登場
ー 懐かしきリトラクタブルヘッドライト
ー 365GT4 BBとはどんなクルマ？
ー このクルマを購入した頃といえば
ー 2台のフェラーリがある人生
ー 予想落札価格は？

グッドウッドのオークションに登場

この素晴らしい1台を見れば、サー・エルトン・ジョンが現在行っている引退ワールドツアーチケットの値段の高さも忘れるだろう。

何せ、この45年モノのフェラーリが来月のオークションに登場する際は、落札価格はかなりの額に達すると予想されているからだ。

ひとびとの目を引くこのフェラーリ365GT4 BBは1974年にあの有名なアーティスト、エルトン・ジョンが新車で購入したものだ。

最高速度273km/hに達するエルトンの思い出の品を是非ともあなたのガレージに招き入れてみてはどうだろうか？

懐かしきリトラクタブルヘッドライト

1971年のトリノにタイムスリップしてみよう。ちょうどフェラーリが新たなモデル、365GT4 ベルリネッタ・ボクサーを発表した時だ。

ピニンファリーナのレオナルド・フィオラヴァンティが手がけたこのクルマは、アルミ、スチール、そしてガラス繊維が織りなすダイナミックかつ落ち着きのあるエクステリアが特徴的だ。

リトラクタブルヘッドライトのハードなエッジと独特な薄いグリルが、カーブを描く車体全体のデザインをより一層引き立たせる。

365GT4 BBとはどんなクルマ？

もちろんパフォーマンスも妥協はない。365GT4 BBはフェラーリ初のベルリネッタ・ボクサーであった。水平対向12気筒エンジンを搭載したこのモデルは、跳ね馬の印を授けられたクルマたちの新たな歴史を築いた。

多くのひとはこれがフェラーリが初めて世に送り出した純粋なスーパーカーだと主張する。そしてまた、別のひとたちは1つ前の365B/4デイトナがその称号にふさわしいと対向する。

その性能は確かなものだった。出力385psのこのスーパーカーは、0-97km/h加速を6.5秒で行い、最高速度は約274km/hに達する。

運転性能も非常に優れたものだった。ミッドシップのセッティングは非常に素晴らしいバランスを提供し、チューブラーフレームもその釣り合ったフィーリングを実現させた。

スーパーカーの名にふさわしい性能を見せつけたのはストレートで、ランボルギーニ・カウンタックとも真のパフォーマンスを巡って戦いあった。

そして最高峰のスーパーカー同様、このクルマは非常に希少だ。プロトタイプがローンチされた2年後の1973年に販売が開始されたが、たったの387台のみが生産ラインを通過した。そしてそのうちの58台が英国の地にその足を踏み入れた。

このクルマを購入した頃といえば

才能溢れる成功者であるアーティストが1台欲しがるのも説明がつくだろう。エルトン・ジョンが7番目のアルバム、「黄昏のレンガ路」をリリースした1973年に彼は365GT4 BBをオーダーした。

ロンドンにあるH.R.オーウェンを通して購入されたこの個体は翌年にエルトンの手元に届けられた。それまでの間、彼はエルトン独自のレーベル、ロケット・レコードを立ち上げた。

2台のフェラーリがある人生

オプションのエアコンとヴォクソン製のラジオを装備したこの個体は、1974年にエルトンの元へと届けられた。その年はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでジョン・レノンとコラボした圧巻のパフォーマンスが披露された年でもあった。

そしてサー・エルトンのサリーにある自宅のガレージではもう1台のフェラーリとともに過ごした。エルトンは1973年にフェラーリをもう1台購入したのだが、なんとそれはより希少な365GTB/4デイトナであった。

どれほどエルトンがツアーの合間やスタジオとの行き来にフェラーリに乗ったかは不明だが、現在の状態を見れば、エルトンはさほど乗らなかったのだろうと推測できる。

エルトンは跳ね馬よりもピアノのキーの方を好んだのだろうか。

98 BOXのナンバープレートを装着したこのフェラーリは非常に良い状態を現在まで保っている。ノーマルのまま維持され、走行距離はたったの約1万5600kmとなっている。2012年には全体的な整備点検を受け、オークションには万全の状態で臨む。

工場とディーラーの当時の請求書も一緒に付属し、1977年に受けたMoTテスト（英国における車検）から始まる一連の整備に関する書類も残っている。

予想落札価格は？

最低でも25万ポンド（3632万円）の値段が予想されているが、ボナムスの担当者はフェラーリやエルトンのファンのおかげで30万ポンド（4359万円）まで価格が跳ね上がることを予想している。

そしてもしこの価格が高いと思うのなら、2年前にオークションに出品され、55万ポンド（7991万円）で落札されたデイトナ公演のチケットに入札しなかったのは幸いだろう。

興味がある方は4月7日に開かれるボナムス・グッドウッド・メンバーズ・ミーティングに足を運んでみよう。そして何よりも、貯蓄を始めた方が良いだろう。