この記事をまとめると
■スズキ・エスクードの歴代モデルを振り返る
100年の間には冒険したクルマも! 「名車」だらけのスズキが生んだ「迷車」6台
■2021年秋に一度販売を終了
■2022年春、ハイブリッド仕様の登場を機に復活した
2代目はアメリカンなスタイリングに
乗用車感覚で乗れるコンパクトSUVを生み出したパイオニアというと、多くの人はトヨタRAV4の名前を挙げるかもしれない。でも実際はその6年前に、同様のチャレンジをしたスズキ・エスクードがあったことを忘れてはいけない。
ただしエスクードは、ジムニーの上級車という意味も込められており、ボディとは別体のラダーフレームを持ち、パワートレインは縦置きで、4WDシステムはパートタイム式、リヤサスペンションはリジットアクスルであるなど、ヘビービューティSUVに近い内容を持っていた。
ゆえにオフロード性能は、横置きパワートレインのライバルより一段上だったけれど、当時のSUVとしては異例のブリスターフェンダーを採用したスタイリングは洗練されており、多くのユーザーが新しいジャンルのクルマだと感じたはず。
初代のバリエーションは豊富で、ボディは当初3ドアのハードトップとソフトトップだったが、のちにホイールベースを伸ばした5ドアのノマドも登場。1.6リッター直列4気筒ガソリンのみだったエンジンも、2リッター4気筒や2/2.5リッターV型6気筒のガソリン、2リッター4気筒ディーゼルターボなどが追加された。
このうちディーゼルエンジンはマツダ製。そのためかエスクードはマツダにOEM供給され、プロシードレバンテとしても販売された。日本では1000台ちょっとしか売れなかったという2シーターSUVのX-90も、この初代エスクードがベースだ。
2代目も同様の成り立ちを持つが、当時提携を結んでいたGMの意向が働いたのかアメリカンなスタイリングになり、ノマドをベースにさらにホイールベースと全長を伸ばして3列シート7人乗りにしたグランドエスクードが用意された。
一方でコンバーチブルは日本では当初から販売されず、3ドアハードトップも途中でカタログ落ちしている。
ハイブリッド仕様の登場を機に復活!
続く3代目はビルトインフレームボディにフルタイム4WD、4輪独立懸架サスペンションを組み込むなど大幅に刷新。グランドエスクードは北米専用車種として独立し、我が国では当初5ドア5人乗りのみとなった。
欧州テイストを取り戻したボディは全車3ナンバーとなり、直列4気筒エンジンは前期型が2リッター、後期型が2.4リッターと拡大。先代グランドエスクードから継承した2.7リッターV6は途中で3.2リッターになった。
この世代のニュースは、途中で3ドアが復活したこと。英国向けをベースとしており、1.6リッター4気筒はプレミアムガソリン仕様、変速機は5速MTのみだった。ジムニーからの乗り換えのために用意されたと言われる。
これに続いて登場したのが現行型。モノコックボディの横置きパワートレインとなり、やや小柄になり、大幅な軽量化を果たした。そのため3代目もしばらく、エスクード2.4として販売が続けられた。
エンジンも当初は1.6リッター4気筒自然吸気、その後1.4リッターターボとダウンサイジングされている。ただしトランスミッションはCVTではなくトルコン式6速ATだった。悪路走行や牽引のことを考えているのだろう。
ハンガリーからの輸入車になったことも特徴になるこの現行型、2021年秋に一度販売を終了するが、今年春にハイブリッド仕様の登場を機に復活した。
ハイブリッドシステムは排気量以外はスイフトに似ていて、1.5リッター自然吸気エンジンにロボタイズドMTの6速AGS、スタータージェネレーター、駆動用モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせている。
経済性を考えればこのハイブリッド仕様がイチオシになるけれど、個人的には最後の縦置きパワートレインとなった3代目にも惹かれる。とりわけ気になっていたのが1.6リッターMTの3ドア。一度試してみたいと思ったが広報車両は用意されなかった。いまでもちょっぴり気になる1台だ。
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みんなのコメント
CHRやXVに比べても、走りでは勝ってたと思うのですが。
だいたい、あんな「売れればなんでもあり」トヨタを象徴する車を持ち出すとは、エスクードに失礼だ。