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個性派プチバン「シエンタ」は車中泊にも便利なファンベースがオススメ【最新ミニバン車種別解説】

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個性派プチバン「シエンタ」は車中泊にも便利なファンベースがオススメ【最新ミニバン車種別解説】

2列仕様と3列仕様を用意 ファンベースは趣味性も高い

シエンタはコンパクトカーの手軽さとミニバンの利便性を兼ね備えた、超実用的なコンパクトミニバン。全長4260mm、全幅1695mmの扱いやすいボディサイズでありながら、大人も座れる3列目シートを装備し、 燃費に優れたハイブリッドも用意されている。3列目シートを使用しないときは小さく畳まれて、2列目の座席下に魔法のように格納されるので普段は荷室の広いハイトワゴンのように使えるのが魅力。スライドドアも装備されているから2~3列目シートの乗降性も良好だ。

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エクステリア

ライトと連続性のある黒のガーニッシュを配することでアクセントにしている。ホイールはスチールが標準で、写真のアルミはオプション。LEDリヤコンビランプを標準化する。コンパクトサイズと広いキャビンやラゲッジを両立しながら、単なる2ボックス系スタイルに見えない工夫が配されている。特にブラックルーフのツートーン仕様はよりアクセントが効いている。ステップ高、シート高、地上からの開口高も抑えられていて、乗降性、積載性ともに良好だ。室内高も1280mmと高く、子どもなら立ったまま着替えなどもできる。もちろん短い全長で優れたパッケージングを成立させているので弱点がないわけではない。3列目シートは2列目の下に格納するためにサイズが小さい。居住性に不満はないのだが、座り心地がイマイチなのだ。2列目シートも3列目シートを格納するスペースを確保するのでクッションが薄く、平面的なデザインのため身体の収まりが良くない。

乗降性

前席後席前後ドアともに大開口で、段差のない低床設計により乗降性は良好。センターピラーに乗降グリップを備えており、子どもにも優しい。写真は2列仕様だが、3列仕様は2列目シートをタンブルさせて乗り込むため、足元には広めの乗降空間を確保できる。どうしても2列目の快適性を重視 したいなら2列仕様の「FUNBASE」を選ぶという手もある。定員は5名となるが、2列目シートの座り心地が良くなり、座席も少し広がっているから快適性が高い。「FUNBASE」なら後席のバックレストを倒せば、荷室長が2列シート車よりも635mmも長い、2065mmになる。これだけ荷室が広ければ自転車を積むこともできるし、車中泊も楽勝なのでアクティブ派の人には「FUNBASE」がお薦め。

インストルメントパネル

複雑な面と線で構成されたインパネは、センタークラスターにエアコンパネルやシフトレバーを配置する。メーターは二眼式で、アウトホイールにより視線移動を抑制できる。2015年にシエンタが発売され たときには、ヤングファミリーを意識した派手な外観デザインに賛否両 論あったが、18年のマイナーチェンジからはフロントマスクが落ち着きを増したので現在は幅広い年代の人から人気を集めている。インテリアも小物の収納スペースが多く、子育て世代の女性から高齢者まで使い勝手が良い。ステアリングの上から見るメーターも最初は少し戸惑うが、慣れてしまえば視認性は良好だ。

居住性

後席前席着座位置は低いが前方左右の視界は良く、頭上にも余裕がある。シートサイズは平均的で、座り心地もまずまずだ。運転姿勢は、シートハイトとチルトステアリングで調整する。写真は2列仕様で、座面は厚みがあり、背もたれの天地高なども平均点をクリアしている。なお、3列仕様の3列目はシートが薄く、頭上も足元も狭いため、非常用の域を出ない。パワートレーンは1.5lのガソリンと先代アクアと同じ1.5lハイブリッドを設定。2名程度で街なかを流すぐらいなら、どちらのパワートレーンでもスムーズに走れるが、4名以上乗って山道を走るようなシーンではエンジンの唸りが大きくなる。ハイブリッドの方が街なかでは静粛性が高く、加速も滑らかだが、登坂路では加速とエンジン音がリン クしなくなり、排気音が大きく感じる。加速のレスポンスも少し緩慢だ。 このあたりは、ひと世代前の1.5 lハイブリッドなので我慢を強いられる。ガソリン車の方がエンジンノイズや排気音は大きくなるが、高回転域になれば加速の伸びがあり、スムーズに走ることができる。

うれしい装備

ワンタッチで開閉できる電動スライドドアには、スマートキーの予約操作後に車両に近づくと自動で解錠してオープンする機能、クローズ時の予約ロック機能を用意。「G」、「G Cuero」系に標準装備する。リッド付きアッパーボックスは、助手席から届きやすい位置にあり、小物を収納するのに便利。下にもオープントレー、グローブボックスを備えるほか、助手席側にコンソールサイドポケットを配置。オプションの「FUNBASE セット」は、フックやシステムバー、アッパーボード / ボックスなどからなり、荷室を有効活用できる。ハイブリッドは、エコに加えて EV モードを用意。バッテリー残量によりモーター走行も可能で、静かに走りたいときに助かる。冬場やエンジンの冷間時などでもすぐに身体を温めるシートヒーターは、ステアリングヒーターなどとのセットオプション。ハイブリッドのオプション「アクセサリーコンセント」は、車内と荷室に AC100V の差込口が備わり、計1500Wまでに対応する。月間登録台数   4125台(21年6月~11月平均値)現行型発表    15年7月(一部改良21年6月)WLTCモード燃費 22.8km/l ※ハイブリッド車

ラゲッジルーム

後席格納時通常時積載性を最も重視するなら写真の 2 列仕様が適任。平らな床面が広がり、3列目格納の手間も省ける。2列仕様の荷室容量は通常時551l、最大時は1068l。3列仕様は通常時152l、 3列目格納時576l、最大 時は 936l。3列目は床下格納式で、3 列仕様の 2列目は、5対5分割式のタンブル式(折り畳み)を採用する。2列仕様の後席は、床下格納式。ファミリー向けのミニバンゆえに乗り味は、至って穏やか。荒れた路面では細かい突き上げ感があるが、全体的なサスペンションの設定はソフトだ。ステアリングの応答性もマイルドだから、ほのぼのとしたドライブを楽しむことができる。カーブでは車体のロールが大きくはなるが、タイヤの接地感は高いので不安定な挙動が出ることはない。ACCの設定がないなど、先進安全装備に古さが目立つのが弱点だが、コンパクトカー感覚で乗り回せる、誰にでもフレンドリーなミニバンだ。

※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.139「最新ミニバンのすべて」の再録です。掲載データは作成時点での参考情報です。

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