現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「世界最小のV6エンジンをMTで愉しむ!」 バブル期のミツビシは相当にブッ飛んでいた【ManiaxCars】

ここから本文です

「世界最小のV6エンジンをMTで愉しむ!」 バブル期のミツビシは相当にブッ飛んでいた【ManiaxCars】

掲載 更新
「世界最小のV6エンジンをMTで愉しむ!」 バブル期のミツビシは相当にブッ飛んでいた【ManiaxCars】

実用性とスポーツ性のバランスに優れる6A10型エンジンは日本の宝だ!

低速トルク不足はローギヤードファイナルで補う…!?

「世界最小のV6エンジンをMTで愉しむ!」 バブル期のミツビシは相当にブッ飛んでいた【ManiaxCars】

取材したくて探しているのに、なかなか巡り会えないクルマがある。記憶が正しければ、これまで実車を目撃したのは千葉の国道沿いのガソリンスタンドで1回だけ、ネットの中古車情報サイトでも数回しか見かけたことがなく、「もう取材できないんじゃないか?」と思ってたのがランサーV6だ。

なんてったって当時、世界最小をうたった排気量1.6LのV6エンジン、6A10型を搭載して大きな話題にもなっただけに、ミツビシ特集をやるのにコイツをハズせるわけがない。逆にハズしたら、ミツビシ特集をやる意味がなくなるとさえ思っていた。

まさに、背水の陣。そこで独自に構築した情報網を駆使して捜索にあたると、ひょんなところから取材車両にたどり着くことができた。上級グレードのMXリミテッド、しかも5速MT車が現れたのだ。手前ミソだけど、これはもう執念の勝利かもしれない。

ランサーV6は1991年10月に登場した4代目CB/CD系ランサーの1モデルで翌92年2月発売。MXリミテッドとMXサルーンの2グレードで展開し、MXリミテッドには運転席2ウェイパワーシートや空気清浄機付きフルオートエアコン、リヤ間欠ワイパーなどが標準装備されていた。

4代目ランサーの発売直前、91年7月にマツダからユーノスプレッソが登場。ボンネットの下に収まる1.8L V6のKF-ZE型は、その時点で世界最小排気量を持つ市販車用V6エンジンとして注目を集めた。が、それからわずか3ヵ月後、その下を見事にくぐり抜けたのがミツビシ。ランサーV6に搭載された6A10型が、世界最小V6エンジンの称号を手に入れたのだ。

排気量1.6Lの6気筒でショートストローク型ということから想像がつくように最高出力を7000rpmで、最大トルクを4500rpmで発生する高回転型ユニット。マルチシリンダー化はスムーズな回転フィールを得られる反面、構成パーツの点数が増えて構造が複雑化し、フリクションロスも増大する。さらに、排気量1.6Lでは気筒当たりの排気量が270cc弱と小さく、結果、十分な低速トルクを得られず扱いにくいエンジン特性になることも考えられる。それでもV6にこだわり、カタチにしたミツビシの開発陣には敬意を表したい。

室内を見てみると、ダッシュパネルはメーターナセルからセンターコンソールまで連続性が持たされ、ドライバー中心のデザインとされている。いまや日本全国をくまなく探してもランサー6そのものがもはや絶滅状態なだけに、5速MTモデルに巡り合えたのは奇跡としか言いようがない。

また、メーターはスピードメーターの左側にタコメーターを、右側に水温計と燃料計を配置。9000rpmフルスケール、7500rpmからレッドゾーンが始まるタコメーターが高回転型ユニットを搭載するなによりの証だ。

センターコンソールは上からハザードスイッチ、エアコン吹き出し口、フルオートエアコン操作パネル、2DIN分のオーディオスペース、引き出し式カップホルダー、シガーライター&灰皿が並ぶ。フルオートエアコンはV6 MXリミテッドのみ空気清浄器を内蔵。写真のオーディオは標準装備のAM/FM電子チューナー付きカセットデッキだ。

バンパー上部から開くトランクリッドにより、開口部が大きいラゲッジルーム。荷物の出し入れがしやすく、全長4.3m弱のセダンボディとして車内空間を確保しながら十分なラゲッジ容量も誇るなど、パッケージングはなかなか秀逸と言える。

ランサー6はスチールホイールにフルカバーが標準だけど、取材車両は純正オプションとして設定されていた14インチアルミを装着。タイヤはブルーアースで標準同サイズの185/65R14が組み合わされる。

リヤからの眺め。マフラーカッター付きデュアルエキゾーストはV6 MXリミテッドと、4G93ターボ搭載のGSR/RSのみが採用。オプション設定されていたハイマウントストップランプ内蔵リヤスポイラーも装備する。さらに、前後マッドガードやサイドウインドウバイザーなども、もれなく装着。

試乗前、「1.6Lの6発なんて、どうせ下がスッカスカだろ」なんて思ってたことを先に白状しておく。

ところが、6A10型は良い意味で予想を裏切ってくれた。正直2000rpm以下の領域は心許なかったけど、2500rpmも回ってれば実用面で過不足ないトルクを実感できる。少なくともゴマカシが効く5速MTで乗るなら、低速トルクに物足りなさを覚えることはなさそうだ。これが4速ATだと、また印象も変わってくると思うけど。

それより感心したのがマルチシリンダーらしい滑らかかつシャープな回転フィールで、タコメーターの針は軽快に跳ね上がる。レッドゾーンが始まる7500rpmまで引っぱってみたところ、メーター読み1速55km/h、2速90km/hを確認した。体感的にはだいぶローギヤードな印象で、低速トルクをギヤ比で補ってるに違いない…と思ってカタログを開くと、全グレードを通じてファイナル比が最も低く、それとギヤ比を掛け合わせたオーバーオールレシオも同様だった。1.5L直4モデルよりも低いんだから、悪く言えばギヤ比でごまかしてるわけだ。

だからといって6A10型の評価が下がることはない。だって市販車に搭載された1.6LのV6エンジンは、後にも先にもコレしかないのだから。

<スペック>

■SPECIFICATIONS

車両型式:CB6A

全長×全幅×全高:4270×1690×1385mm

ホイールベース:2500mm

トレッド(F/R):1450/1460mm

車両重量:1060kg

エンジン型式:6A10

エンジン形式:V6DOHC

ボア×ストローク:φ73.0×63.6mm

排気量:1597cc 圧縮比:10.0:1

最高出力:140ps/7000rpm 最大トルク:15.0kgm/4500rpm

トランスミッション:5速MT

サスペンション形式(F/R):ストラット/マルチリンク

ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤサイズ:FR185/65R14

PHOTO&TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
くるまのニュース
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
全長3.4m切り! ダイハツ「斬新軽トラ」がスゴい! “カクカク”デザイン×「超画期的なユニット」搭載! ファンキーだけど「まじめな発想」で披露された「新時代モデル」とは
くるまのニュース
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
態度を改めないと「免許返納です」傍若無人な“若者運転”が危険すぎる「5つの理由」って!? 事故を起こすのも当然! 未成熟な「ヤバすぎる運転」とは
くるまのニュース
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
ベストカーWeb
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
BMW「S 1000 XR」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
快適さと使いやすさの最適解! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
ベストカーWeb
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

125.8157.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

34.4390.5万円

中古車を検索
ランサーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

125.8157.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

34.4390.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村