超人気ミニバンのトヨタ ノアとシエンタ。納期も気になるところだが、最廉価グレードは果たして“買い”なのか? “コスパの鬼”こと自動車評論家 渡辺陽一郎氏がそれぞれの長所、短所を明らかにした上で、「最廉価グレードに向いてる人」「向いていない人」を指南!
※本稿は2022年9月のものです
監修/渡辺陽一郎、文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月26日号
※写真は当該グレードと異なる場合があります。
トヨタ 新型ノア&シエンタ 「最廉価グレード」はありなのか? 一番安いグレードがオススメな人・買っちゃダメな人
■トヨタ ノア(最廉価グレード:X 267万円)
家族や友達などを大勢乗せて安全かつ快適に走ることが求められるミニバンだが、ノアとヴォクシーの最廉価グレードは装備を簡略化して低価格を目指したものだ
ノーマルエンジンのノアXは、価格が267万円と安い。その代わりに両側スライドドアの電動機能やディスプレイオーディオはオプションで、ホイールはスチール製だ。
さらにXでは、一部の安全装備や運転支援機能のオプション設定も対象外になる。例えば安心降車アシストは、スライドドアが開きかけている時にほかの車両が接近すると、その作動を止めて降車時の事故を防ぐ。ミニバンには大切な安全装備だが、Xではオプション装着できない。
高速道路の渋滞時に、ドライバーがステアリングホイールから手を離しても運転支援が続くアドバンストドライブの渋滞支援も、Xはオプションの対象外だ。
ちなみにクラウンクロスオーバーでは、アドバンストドライブの渋滞支援が、2.5Lハイブリッドでは装着できない。2.4Lターボを使う上級のRSのみにオプション設定される。
つまり先進装備を装着できることは、ノア&ヴォクシーを購入する大切な価値だから、オプション対象外のXは選びにくい。そこで大半のユーザーは、予算がシビアでも30万円高いGを買う。
しかしこれらの先進装備を装着しない場合は、Xを選ぶ余地も生じる。基本的な衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能はXにも標準装着され、スライドドアの電動機能をオプション装着すれば、実用面の不都合は生じない。
諸費用まで含めて購入予算を300万円に抑えたい時などは、Xで商談する方法もある。
■トヨタノア
・最廉価グレード…「X」
・長所…運転支援は標準装備/先進装備を切れば選択の余地あり/予算300万円以内で購入可能
・最廉価グレードを買っちゃダメな人…渋滞支援など充実した先進装備や安心降車アシストなどの便利機能が必ず欲しい人
■トヨタ シエンタ(最廉価グレード〈7人乗り〉:X 199万円)
徹底的な低価格を目指したうえ、オプションも豊富なシエンタは非常に魅力的だ
ノーマルエンジンを搭載するシエンタXの価格は、3列シートの7人乗りでも199万円だ。200万円以下に抑えるため、Xは中級のGに比べると30万円相当の装備を省き、価格は35万円も安く設定した。渾身の低価格グレードだ。
しかも一般的には、装備を省いた低価格グレードは、コスト低減のためにオプション設定まで省いてしまう。ところがシエンタXではオプションが豊富だ。ディスプレイオーディオのセットオプション(15万5100円)、ブラインドスポットモニター(4万9500円)などを装着できる。
Xに用意されないのは右側スライドドアの電動機能(左側はXも標準装着)とエアコンのオート機能程度だ。予算を抑えたいならXを積極的に活用したい。
ただし今はGとXにメーカーオプションを加えると、生産開始が2023年4月以降になる。実質的に最上級のZ以外は選びにくい。
■トヨタ シエンタ
・最廉価グレード…「X」
・長所…200万円を切る低価格/オプション設定も充実//予算を抑えるならXは買い
・最廉価グレードを買っちゃダメな人…買うならオプションを全部揃えたい人/納期がかなり長引くのが嫌な人
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みんなのコメント
安全装備もブレーキサポート・ハンドル支援・クルーズコントロールなど、駐車機能以外はついているのでかなり安いと思う。
ハイブリットとガソリンでは減税入れても8年12万キロくらいで分岐点のようですが、15万キロくらいでハイブリットバッテリー交換が入ってしまうと更に4年必要。そもそも20万キロ走る人の割合がどれだけいるか?
ガソリン・寒冷地仕様で十分だと思う。