2022年4月10日、NTTインディカーシリーズ第3戦がロングビーチ市街地で開催され、チームペンスキーのジョセフ・ニューガーデンが、テキサスに続き連勝した。2位はアンドレッティのロマン・グロージャン、3位にアレックス・パロウが入った。佐藤琢磨はリタイアでレースを終えている。
まさかの本命の脱落
今回で47回目の開催となる伝統のロングビーチは85周で行われた。ポールポジションはレコードタイムを更新し圧倒的なスピードを見せたコルトン・ハータが獲得。2位には前戦テキサスで優勝を果たしたジョセフ・ニューガーデン、3位にアレックス・パロウが入った。佐藤琢磨はQ1進出ならず23番手から上位を目指す。
インディカーシリーズ2022第2戦、最終盤の接戦を制したニューガーデンが優勝!佐藤琢磨は悔しいリタイア【テキサス375】
スタートは波乱もなく落ち着いた展開に。そんな中ポールポジションスタートのハータがいきなり2位のニューガーデンに1秒以上の差をつけていく。6周目にダルトン・ケレットがターン1でクラッシュしてイエローコーション、10周目にレースがリスタートしてもハータの速さに変わりなく、ニューガーデンはついていくことができない。
各車1回目のピットストップを終える中、上位勢で最初に動いたのが3位のパロウ。パロウの2周後にピットに入ったトップのハータはレッドからユーズドのブラックタイヤに交換。コース復帰するとなんとパロウがハータの前に躍り出た。アンダーカット成功である。さらに31周目にピットインしたニューガーデンもパロウの後ろ、ハータの前でコース復帰を果たし、ハータは3位までポジションを落としてしまった。
トップのパロウは順調に後続との差を広げていく中、ハータのペースが上がらない。プラクティスから圧倒的な速さを誇ったハータだが、どうやらブラックタイヤとの相性がよくないようだ。その影響か、56周目にハータがまさかのクラッシュ。右フロントタイヤをロックさせ、ターン9で曲がりきれずウォールに激突してしまった。
これでパロウとニューガーデンのトップ争いとなり、58周目にニューガーデンがピットイン。コースに出るとギリギリでパロウの前に出たニューガーデンはアウトラップにもかかわらずパロウを押さえ込みトップに浮上した。
60周目にシモン・パジェノーが佐藤と接触しストップ、フルコースイエローに。65周目にリスタートされるが、直後に3位につけていたマーカス・エリクソンもクラッシュ。マシンはコース外で止まったため、ここではイエローは出なかった。変わって3位につけたロマン・グロージャンが2位のパロウをパスし2位に浮上。トップ3は0.5秒間隔で並びながらレースは最終盤へ。
残り10周、ジミー・ジョンソンとデヴィッド・マルーカスがターン9でクラッシュし、再びフルコースコーション。残り5周でレースはリスタートされ、好スタートを切ったグロージャンがトップのニューガーデンに襲い掛かるも順位は変わらず。残り2周で佐藤がリナス・ヴィーケイにインをつかれてアウト側にはらみターン9でクラッシュ。イエローコーションでレースはそのままの順位で終了した。
ニューガーデンがテキサスに続き連勝し、ペンスキーが開幕3連勝を達成。2位にグロージャン、3位にパロウが入った。ロングビーチでは初めての優勝となったニューガーデンはランキングトップに浮上。自身の悲願であるインディ500制覇に向けて弾みをつける結果となった。
初日から苦しんだ佐藤
佐藤にとってロングビーチはインディカーシリーズで初優勝を飾った思い出の地。しかし今週末は佐藤にとって厳しいレースとなった。プラクティスから調子が上がらず予選もQ1敗退、23番手からのスタートとなった。
それでも、スタートでブラックタイヤを選びファーストスティントを引っ張る作戦で徐々に順位を上げていく。終盤には13位まで順位を上げてトップ10も見えてきたのだが、残り2周で悔しいクラッシュ、リタイアとなった。
フレッシュタイヤに交換したヴィーケイが佐藤をイン側からオーバーテイクを試みたが、アウト側の佐藤はラインの外のマーブルに乗ってしまい壁に当たってしまったというわけだ。接触はなかったが、避けられないアクシデントと言える。
浮雲のような状態が続く佐藤だが、予選で苦しんでも決勝でしっかり順位を上げていけるのが2022年の佐藤の強みではないだろうか。次戦のアバラマで良い流れをつかみ、伝統のインディアナポリスに臨むことを願うばかりだ。
インディーカーシリーズ2022 第3戦ロングビーチ決勝結果
1位:J.ニューガーデン(TEAM PENSKE)
2位:R.グロージャン(ANDRETTI AUTOSPORT)
3位:A.パロウ(CHIP GANASSI RACING)
4位:W.パワー(TEAM PENSKE)
5位:P.オワード(ARROW MCLAREN SP)
6位:S.ディクソン(CHIP GANASSI RACING)
7位:G.レイホール(RAHAL LETTERMAN LANIGAN RACING)
8位:A.ロッシ(ANDRETTI AUTOSPORT)
9位:H.カストロネベス(MEYER SHANK RACING)
10位:K.カークウッド(A.J. FOYT ENTERPRISES)
リタイア:佐藤琢磨(DALE COYNE RACING WITH RWR)
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