2025年に初の市販EV導入へ
米国の自動車メーカーであるクライスラーは、電動化の未来を示すコンセプトモデルとして「ハルシオン(Halcyon)」を公開した。
【画像】米クライスラーが電動化へ向けた新たな一歩【次世代EVコンセプト「ハルシオン」を写真で見る】 全9枚
現在、ミニバンのパシフィカのみを販売しているクライスラーは、2028年の完全電動化に向けて改革を行い、新しいデザイン言語とともに、高度な自動運転や先進的なコネクティビティなど、次世代技術の数々を導入する。
ハルシオン・コンセプトは従来車と大きく異なる新しいモデルであり、2022年に公開されたクロスオーバータイプのコンセプト「エアフロー」とも似ていない。今後発売されるEVの姿を予告するものだが、ハルシオン自体の量産化が計画されているかどうかは不明だ。
クライスラーは、2025年にブランド初の市販EVを発表する予定である。
ハルシオンは親会社ステランティスの大型車用プラットフォーム「STLAラージ」を使用する。STLAラージは最長航続距離800kmを実現するバッテリーと、0-100km/h加速を最短2.0秒で走破する高性能パワートレインを搭載可能とされる。
ハルシオンには、ニッケル、コバルト、マンガンを使用しない800Vバッテリーが搭載され、「現在のクラス最高のバッテリー」よりもカーボンフットプリントが60%低いと言われている。また、バッテリーはワイヤレス充電に対応しており、将来の対応道路では走行中に電力を得ることができるという。
未来感あふれるコックピット
低く構えたシルエットは、明らかに空力効率にこだわって形成されたもので、空気の流れをスムーズにするために巨大なフロントスクープが車体前部を貫通している。この大きな通気口が車内から見えることで、「ドライバーに性能と機能性を実感してもらうことができる」という。
フロントエンドを横切るLEDライトバーや、イルミネーションで飾られた新しいクライスラーのロゴも特徴だ。
シルバーの塗装は、持続可能性への取り組みを強調するため、クルマ全体がリサイクル金属で構成されているように見せるものだ。また、キャビンの95%は持続可能素材で仕上げられ、トリムのさまざまな部分にリサイクルCDが使用されている。
両開きのサイドドアに加え、ルーフのガラスパネルも羽ばたくように上下に開閉する仕組みとなっている。「臨場感ある体験」と乗り降りのしやすさを向上させる目的だが、いずれも量産車に採用される可能性は低い。
同様にコンセプチュアルなのは、格納式のヨーク型ステアリングホイールとペダル、そしてフルリクライニングのフロントシートである。これはステランティスの次世代車載OS「STLAブレイン」によって実現するレベル4の自動運転機能をアピールするものだ。
回転式15.6インチ・タッチスクリーン、ARヘッドアップディスプレイ、ガラス製のセンターコンソール、生体認証機能付きの電動折りたたみ式リアシートなどは今後の新型車でも見ることができるかもしれない。
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