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カイル・ラーソンがハーフマイル初制覇。僚友チェイス・エリオットも“トップ10”復帰/NASCAR第9戦

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カイル・ラーソンがハーフマイル初制覇。僚友チェイス・エリオットも“トップ10”復帰/NASCAR第9戦

 2023年のNASCARカップシリーズ第9戦『ノコ400』が4月14~16日にマーティンスヴィル・スピードウェイで開催され、前戦ブリストルで遺恨を残す接触劇を演じたライアン・プリース(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)とカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がふたたび主役を演じ、今度は対照的な結末を迎えることに。

 予選でカップキャリア初ポールを獲得し、そのまま初のステージ制覇も成し遂げたプリースはまさかのペナルティに散り、終盤“2タイヤ”のピットストップ戦略を成功させたラーソンは、王者ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)らを振り切り今季2勝目を獲得。

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 この2戦ぶり勝利ですぐさま失地挽回を果たすとともに、今週末からケガの療養より戦線復帰した僚友チェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)もトップ10に食い込むなど、盟主ヘンドリック・モータースポーツ(HMS)にとっては「大満足」の週末となった。

 約7週間前となったラスベガスのレースウイークを目前に控え、コロラド州でスノーボード事故に見舞われたエリオットは、そのまま脛骨の緊急手術を受けた後、直近6レースの欠場を強いられていた。

「それは不運なアクシデントだったんだ」と、豊富な経験を誇るスポーツでのアクシデントを振り返った元カップ王者。「脛骨のいくつかの異なる場所で手術を受けたが、その上部にはまだネジとボルトがいくつかある。それは下肢(スネ)よりも実際にはより膝に近い部分に位置しているんだ」と、復帰表明の現状でも“万全の回復”とはいっていないことを明かす。

 その影響もあり、予選ではチームメイトのアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)の背後24番手としたが、長い午後となった決勝序盤から「クルマも良いバランスとは言えない」状態のなか奮闘。さすがの集中力で粘りのドライブを続けると、ボウマンの前10位で復帰戦の400周を走破した。

「最後のセットを除いてすべての走行に苦労したが、最終的にはそこに到達し、いくつかのパスを作り始め、自分ができるとは思っていなかったことができた。だから(トップ10フィニッシュは)うれしい驚きで、ガッカリすることはまったくない」と満足げに振り返ったエリオット。

■レース終盤はロガーノとラーソンが一騎打ち
「僕が自宅のソファで座っていた6週間もの間、ちょうど気候も暖かくて、何よりもそれが(動けない)僕を傷つけた。正直なところ、同僚からチームメイトまで、ここにいる全員の競争力を確認できて、今はより良くなりたいという気持ちしかない」と続けた2020年チャンピオン。「戻ってこられて本当にうれしいし、今週末のみんなの温かい歓迎に感謝している。僕はこの現実と気持ちを真摯に受け止めているし、決して見過ごしたり忘れたりしないさ」

 そして公式練習最速をマークしたタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリ)に代わり、週末を牽引する存在に躍り出たのがスチュワート・ハース・レーシング(SHR)陣営で、予選では今季よりカップ復帰のプリースが自身初のポールポジションを射止めて見せる。

 そのまま決勝でも好調を維持したSHRは、所属する4名のドライバーのうち3名が協力し、日曜の400周中264周をリード。プリースはカップ初のステージウィンを獲得し、チェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)は109周、そしてこちらも2020年以来となるステージ2制覇を記録したケビン・ハーヴィック(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)も20周をリード、そしてプリースはこの日最多となる135周のリードラップを刻んでいく。

 しかし2度目のコーション発動でピットに向かったプリースは、ここでスピード違反を犯し、続く134周目に無念のペナルティを宣告されてしまった。

「それは最終的にトラックポジションを犠牲にした」と、レース後に肩を落とすプリース。「僕らは非常に速いレースカーを持っていたけれど、後方に追いやられたら何もすることができず、とても困難だった。それは僕の責任だし、その負債は自分で負うしかない。そこまでの僕は彼らを打ち負かそうとしていたが、最終的に不用意なスピード違反に巻き込まれてしまったんだ……」

 これ以降、終盤に向けてはピット戦略がレースで大きな役割を果たす展開となり、残り56周時点でコーションの判断が分かれたロガーノとラーソンが、最終ステージでの一騎打ちを繰り広げる。

「最後に全員がピットインしたとき、僕らは最前列に並び、レースに勝つチャンスがあった」と、その瞬間にステイアウトを選択した4名のうちのひとりとなり、終盤25周を牽引した2位ロガーノ。「僕もできる限りラーソンを遠ざけようとした。でも全体として腹立たしい2位の日もあるが、今日はそうじゃないよ」

■「僕がドライブしたクルマのなかでも最高のレベル」と喜ぶラーソン
 一方、同じタイミングで“2タイヤ”を選択していたラーソンは、残り30周時点でロガーノとのサイド・バイ・サイドの競り合いに勝利。最終的に4.142秒の快適なマージンを築き、自身初のハーフマイル・オーバル制覇、そして僚友ウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)に並ぶシーズン2勝目を手にした。

「今日は誰もがピットロードで良い仕事をしてくれ、適切なコールを行い、素晴らしいピットストップを行ったように感じている」と、自身2戦ぶりの勝利を喜ぶラーソン。「僕らは素晴らしいクルマを持っていた。それは僕がドライブしたクルマのなかでも最高のレベルだったよ!」

 この2台の背後には、マーティン・トゥルーエクスJr.とデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリ)が3位、4位で続き、ジョー・ギブス・レーシング(JGR)のふたりにとってはこれが今季初のトップ5フィニッシュに。さらに5位ブリスコの背後には、同じく力強い走りを披露していたSHRの僚友アリック・アルミローラ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が続いている。

 併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第8戦『コール811ドットコム・ビフォー・ユー・ディグ250』は、土曜の決勝250周中198周を制したジョン-ハンター・ネメチェク(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)が今季2度目の勝利を手にし、同じくNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第7戦『ロング・ジョン・シルバーズ200』は、コーリー・ハイム(トリコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRDプロ)が今季初優勝。

 ジョージア州出身の若干20歳は、金曜の悪天候によるコーションでのディレイや短縮に“恩師”カイル・ブッシュ(カイル・ブッシュ・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)の猛攻もしのいで、今季新生なったチームに勝利をプレゼントした。

 そして服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライズ(HRE)の16号車タイラー・アンクラム(トヨタ・タンドラTRDプロ)は、雷雨のコーションやレインタイヤでのスタートなど、不確定要素にも翻弄され27位となっている。

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