現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > タイヤ&ホイールは大きくなるほどカッコいい! インチアップの良い点・悪い点とは

ここから本文です

タイヤ&ホイールは大きくなるほどカッコいい! インチアップの良い点・悪い点とは

掲載 更新 99
タイヤ&ホイールは大きくなるほどカッコいい! インチアップの良い点・悪い点とは

■ボディの大型化が大きく影響? 大径ホイール採用が増えたワケ

 ひと昔前までは17インチや18インチは高性能スポーツモデルの証で、18インチ以上のホイール&タイヤは「大径ホイール」というカスタム手法のひとつでしたが、最近では大径化されたホイール&タイヤを標準装着するクルマが増えているようです。

こうすれば車内はキンキンに冷える!?「炎天下+渋滞」で暑い車内を冷ます方法とは

たとえば、スズキ「スイフトスポーツ」は17インチ、トヨタ「GRヤリス」は18インチ、トヨタ「ハリアー」に至っては19インチを搭載するモデルまであります。

 さらに、2021年秋にデビューするレクサス新型「NX」には20インチを装着するモデルも登場予定と、純正で大径ホイール装着も当たり前の時代になりました。

 なぜ大径ホイールを装着することにメリットはあるのでしょうか。

 その理由は、年々大型化するクルマのボディと関係があるようです。

 タイヤの外径は負荷能力と比例関係にあり、大きくて重いクルマはホイールやタイヤもそれに見合ったサイズに大型化する必要があります。

 また大きくなったクルマに見合う制動力を確保するために、ブレーキローターの径なども大きくすることが必要になります。つまり、サイズに合わせて足元も大型化が必要ということです。

 ちなみに、日本が誇るスポーツカーである日産「GT-R」も20インチを履いていますが、ホイールサイズが大きく太くなるほどタイヤの接地面積が増え、パワーを路面に伝えやすくなります。

 また外周自体が大きくなると高速巡航でのタイヤの回転数も減り、燃費が良くなるともいわれていますが、大きくなることで重量も増えるので、市街地走行など低速のストップ&ゴーでは燃費が悪化するなど相反する面もあります。

 しかも昨今のクルマはタイヤ性能への依存度も増しているということもあり、やみくもに「インチアップ」したホイール&タイヤに交換すれば良いというものでもないようです。

 ちなみにインチアップとは、標準タイヤの外周を変えずにホイールのみ大きくすることです。

 ホイールのサイズを大きくさせるためには、扁平率(タイヤの厚み)が低い(薄い)タイヤを履いて標準の外周サイズに近づける必要があります。

 ホイール&タイヤの交換は、人間でいえば靴を履き替えるようなものです。スポーツ用シューズとタウン用スニーカーで、履き心地も運動への適性も変わってくるのと一緒で、スポーティなデザインのホイールに履き替えるだけでクルマの印象は大きく変わりますし、グリップ力の高いタイヤに履き替えれば走行性能の向上も狙えます。

 インチアップによってタイヤのたわみが減り、つまりそれだけタイヤの「ヨレ」が小さくなり剛性が上がるということでハンドリングのレスポンスも向上。同じクルマでもより俊敏にステアリング操作に反応するようになります。

 ただし、タイヤを履き替えたことによる性能差を体感するにはサーキットなどでスポーツ走行しても分かりにくい部分もあり、多くの人がインチアップしたホイール&タイヤに交換するのは、やはり見た目がスタイリッシュになる「ドレスアップ効果」を狙ったものが主流でしょう。

■燃費と乗り心地の悪化の可能性も インチアップの注意点とは

 インチアップするメリットは多く、何よりルックスも良くなるので満足度も高いカスタム手法だといえます。

 ただ、メリットばかりでないのがカスタムの難しいところ。インチアップにはデメリットもあるため、正しいサイズのホイール&タイヤを選んでも必ずしも自分が求めた方向性にいかないケースもあります。

 埼玉県にあるタイヤショップのスタッフ I氏に話を聞いてみました。

 I氏によると、インチアップ自体はメリットも多く、好みに合わせてタイヤの性能を上げることもできるのでおすすめする一方、やはりデメリットも考慮しなくてはいけないそうです。

「インチアップによって偏平率が下がると、タイヤのたわみが減る分、乗り心地が硬くなり、それまでは柔らかく乗り越えていた段差をガツンと感じるようになることもあります。

 また、インチアップのときにタイヤの幅も少し太くする人が多いのですが、接地面が増えるため路面の凹凸を拾いやすくなり、轍にハンドルが取られやすくなることもあります」

 同じクルマでも17インチが標準で、オプションで18インチ装着車がある場合、乗り心地的には17インチのほうが柔らかく感じるケースが多いようです。

「偏平率が下がるほど、タイヤのたわみを利用した衝撃吸収性は低くなります。サスペンションへの負荷は増えることになりますので、中古車の場合は、劣化したダンパーやサスへの負担を減らす意味でも偏平率の高いタイヤのほうが乗り心地もクルマに対しても優しいといえます」(タイヤショップのスタッフ I氏)

 またインチアップすることで意外に気になるのが、タイヤとホイールハウスとの隙間です。

 ホイールが大きくなりタイヤが薄くなることで、それまでは黒いタイヤで隠れていたホイールハウス内が見えるようになります。そうなると、インチアップでカッコ良くなったはずなのに、足元がスカスカしているような錯覚に陥ることも。

「タイヤとホイールアーチとのクリアランスが目立つようになってしまうのもデメリットのひとつかもしれません。そのまま乗っても問題ありませんが、クリアランスの幅を狭めるためにはローダウンサスなどで車高自体を調整する必要があります」(タイヤショップのスタッフ I氏)

 そしてインチアップで避けて通れないのが燃費の悪化です。タイヤが大きくなって接地面が増えるほど、そのぶん抵抗も増えているということになります。

「どうしても摩擦抵抗が高くなってしまうので、燃費が悪化してしまうケースが多いようです。エコカーの標準タイヤに細めのものを採用しているのも、転がり抵抗を減らすためでしょう」(タイヤショップのスタッフ I氏)

 また、偏平率を下げたタイヤは、標準装着タイヤより空気圧を高めにする必要があります。

 さらに「ロードインデックス」と呼ばれるタイヤの最大負荷能力を示す指数も標準より高いものを選ばないと、負荷によってタイヤの損傷を早めてしまうといいます。

「あとは、インチアップしたホイールとタイヤがフェンダー内にしっかり収まっているのかもチェックが必要です。大径ホイールで見た目は格好良くなっても、ハンドルが十分に切れにくくなると運転にも支障が出てしまいます。

 ただ闇雲にインチアップすればいいというわけではなく、走行性能を高めたいのか、乗り心地を重視したいのか、ドレスアップ効果をどれくらい狙いたいのかによって、サイズやホイールデザインを選ぶといいと思います。分からないことは専門店のスタッフなどに相談してみていただければと思います」(タイヤショップのスタッフ I氏)

※ ※ ※

 ホイール&タイヤの交換はすぐに効果が実感できるし、見た目にも大きく影響する手軽にできるカスタムですが、適正サイズ以上に大きくしたり太くすると、せっかくのクルマのポテンシャルを発揮できなくなる可能性があります。

 ただ、「乗り心地や燃費を犠牲にしてもルックスにこだわりたい!」というのも立派なカーライフ。

 ただ見た目にこだわるなら、我慢も必要になるということを理解したうえで、カスタムを楽しみましょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

いくらなんでも速すぎる!!! レースカーの血統を受け継ぐバカッ速[スーパーサラブレッド]5選
いくらなんでも速すぎる!!! レースカーの血統を受け継ぐバカッ速[スーパーサラブレッド]5選
ベストカーWeb
【遂にプレリュード・プロトを試乗】ホンダ次世代技術『S+シフト』採用!  e:HEVが全方位で進化
【遂にプレリュード・プロトを試乗】ホンダ次世代技術『S+シフト』採用! e:HEVが全方位で進化
AUTOCAR JAPAN
この先どうすればいいのでしょうか!? [スバル・レヴォーグレイバック]さんの自分さがし!!
この先どうすればいいのでしょうか!? [スバル・レヴォーグレイバック]さんの自分さがし!!
ベストカーWeb
レッドブルのホーナー代表、今季限りでの離脱が決まったペレスに感謝「来季我々のチームでレースに参加することはないが……ありがとうチェコ」
レッドブルのホーナー代表、今季限りでの離脱が決まったペレスに感謝「来季我々のチームでレースに参加することはないが……ありがとうチェコ」
motorsport.com 日本版
レッドブルから離脱決定のペレス、F1復帰を「決して諦めない」
レッドブルから離脱決定のペレス、F1復帰を「決して諦めない」
motorsport.com 日本版
レッドブルF1がセルジオ・ペレスの離脱を発表。後任は明かされず……ローソン、それとも角田裕毅?
レッドブルF1がセルジオ・ペレスの離脱を発表。後任は明かされず……ローソン、それとも角田裕毅?
motorsport.com 日本版
アウグスト・フェルナンデス、ヤマハとテストライダー契約を発表。1月末のシェイクダウンで走行予定
アウグスト・フェルナンデス、ヤマハとテストライダー契約を発表。1月末のシェイクダウンで走行予定
AUTOSPORT web
[マニア]向け狙い? [クルマ]は販売台数より継続した需要が大事説
[マニア]向け狙い? [クルマ]は販売台数より継続した需要が大事説
ベストカーWeb
[心臓バクバク]過激なホットハッチが正式に復活へ サンクターボがEVになって帰ってくる!!!!
[心臓バクバク]過激なホットハッチが正式に復活へ サンクターボがEVになって帰ってくる!!!!
ベストカーWeb
EVの車両火災は火葬場よりも温度が高い1200℃…万が一のためにドイツでは「レスキューカード」を車内に積むことを推奨しています【みどり独乙通信】
EVの車両火災は火葬場よりも温度が高い1200℃…万が一のためにドイツでは「レスキューカード」を車内に積むことを推奨しています【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ホンダが「凄い新型プレリュード」を世界初公開! 25年発売決定! 斬新「S+シフト」で俊敏なスポーツカー誕生!? 新たな次世代技術は何が凄いのか
ホンダが「凄い新型プレリュード」を世界初公開! 25年発売決定! 斬新「S+シフト」で俊敏なスポーツカー誕生!? 新たな次世代技術は何が凄いのか
くるまのニュース
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストがスタート。初日は小林利徠斗がトップタイム
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストがスタート。初日は小林利徠斗がトップタイム
AUTOSPORT web
阪口晴南セットベースで「糸口が見えてきた」大湯都史樹。2台データ共有で戦力アップを狙うCERUMO・INGING
阪口晴南セットベースで「糸口が見えてきた」大湯都史樹。2台データ共有で戦力アップを狙うCERUMO・INGING
AUTOSPORT web
マセラティ、GEN4導入予定の2026/27年までフォーミュラE参戦継続へ。スパルコとの提携も発表
マセラティ、GEN4導入予定の2026/27年までフォーミュラE参戦継続へ。スパルコとの提携も発表
AUTOSPORT web
「改造車にガラの悪い人」「暴走族のサーキット場」 苦情殺到の道の駅 市などが対策へ
「改造車にガラの悪い人」「暴走族のサーキット場」 苦情殺到の道の駅 市などが対策へ
乗りものニュース
70万ダウンロード突破のパイオニアナビアプリ「COCCHi」 最新アップデートでスケジュール管理に役立つ「仕事オプション」追加
70万ダウンロード突破のパイオニアナビアプリ「COCCHi」 最新アップデートでスケジュール管理に役立つ「仕事オプション」追加
くるまのニュース
ダッシュボードはラジカセ風! モビライズ・デュオへ試乗 航続160km クラス最有力の選択肢に?
ダッシュボードはラジカセ風! モビライズ・デュオへ試乗 航続160km クラス最有力の選択肢に?
AUTOCAR JAPAN
どうりで“いい道”だ! 実は「もと有料道路」関東甲信の神ルート5選 無料化で地域の動脈に/知る人ぞ知る抜け道に!?
どうりで“いい道”だ! 実は「もと有料道路」関東甲信の神ルート5選 無料化で地域の動脈に/知る人ぞ知る抜け道に!?
乗りものニュース

みんなのコメント

99件
  • 安物に大径タイヤホイールはブカブカの靴履いたホームレスみたいでみっともない
  • 性能を求められるスポーツカーのカテゴリなら致し方ないと思うが、最近はインチ上げるメリットが薄い車種ですら18インチ以上装着している。
    どっかの偉い車評論家共も同じ車でインチアップしている方としていない方と比べ、デメリットをしっかり説明せず「乗り心地やロードノイズの違いがわからない」と説明している始末で、本当かよと思ってしまう。
    さすがに素人でも2インチも違うもの乗り比べればかなり違いがはっきりするぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村