2023年のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権に向け、今季もファクトリー体制のチームBMWとして参戦する名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)と、共通ハイブリッド機構の導入初年度を制し、自身初タイトルを獲得したトム・イングラム擁するエクセラー8モータースポーツが、ともに2023年仕様の新リバリーを披露。また、ヴォクスホール・アストラBTCCを走らせるパワー・マックス・レーシング(PMR)は、今季より3台体制に拡充することを表明し、同時にそのドライバー陣容もアナウンスしている。
長年トヨタの“一匹狼”的な存在として活躍を演じ、2021年に移籍した新天地でヒョンデi30ファストバックNパフォーマンスの熟成を進めて来たイングラムは、新たにブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8トレードプライスカーズ・ドットコムとして参戦した昨季に、念願のドライバーズタイトルを獲得した。
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そのイングラムにとって重要なミッションとなるタイトル防衛に向け、僚友トム・チルトンとともにアンベイルした2023年仕様車は、チーム主要パートナーのカラースキームを踏襲しつつ、使用するカラーの微調整やフロントドアに入れられた稲妻のフラッシュ、そして「NASCARスタイル」のナンバーが特徴に。正常進化とも言えるカラーでありながら、ディフェンディングチャンピオンとしての立場を反映するべく、イングラム車にはゴールドのディテールが追加された。
「計画がまとまり始め、レースカーの新しいカラーリングを初めて見るこの時期をいつも楽しんでいるんだ」と笑顔を見せたイングラム。「今年はさらに特別だ。これまでキャリアを通じて80号車を走らせてきたが、初めて1号車を背負うんだからね。それ自体が非常に名誉なことさ!」とイングラム。
「ヒョンデは昨年も、グリッド上で最も見栄えの良いクルマの1台だったが、パートナーの継続的なサポートのおかげで、今季のカラーリングはそれを進化させたものになった。2023年版も素晴らしいと思うし、ゴールドのナンバーやゴールドのウイングミラーのように、ディフェンディングチャンピオンとして自分のクルマに少し手を加える方法が気に入っている。ドニントン・パークが待ち遠しいし、コースに出て仕事に取り掛かる準備はできているよ!」
一方、今季もサテライト的立ち位置で参戦する新生レーザー・ツールズ・レーシングのジェイク・ヒルを除き、本家たるWSRの3台も2023年仕様車をお披露目し、エースのコリン・ターキントンと、引き続きその僚友を務めるステファン・ジェリーのBMW 330e Mスポーツは、新たに『Mパフォーマンス・パーツ』のバナーを掲げ、活動休止のシシリー・モータースポーツより新加入アダム・モーガンは、新たに『BMW プロテクトXパワード・バイ・ガードX』と『アリアンツ・アシスタンス&エンタープライズ』のブランド名を掲げてシリーズを戦う。
■PMRは3台体制に拡充。「逃すわけにはいかないチャンスだった」と代表
「イギリス・ツーリングカー選手権で、こうしてBMWを代表し続けられることを非常に誇りに思う」と語ったWSR代表のディック・ベネット。
「2023年シーズンは、これまで以上に競争を近づける一連のレギュレーション変更により、最も厳しいものになるだろう」
「しかし我々にはBMW UKという素晴らしいパートナーがいて、このBMW 330e Mスポーツの製作に役立った素晴らしいベース車両と、パドックの羨望の的であるドライバーラインアップを有する」
「いつものように、我々の目標はドライバーズ、チーム、マニュファクチャラーのタイトルを獲得することだが、BMWのマニュファクチャラーズチャンピオンで記録的な10回目を獲得することができれば、これは8年連続という記録にもなる。最高のキャンペーンにしたいと思っているよ」
そして追加の参戦枠『TOCA BTCCライセンス』を取得したことを先週明らかにしたPMRは、新シーズンに向けシリーズルーキーとして起用を発表済みだったアンドリュー・ワトソンと並び、通算4勝を記録するアーロン-テイラー・スミスとも契約。チーム・ハードから移籍となったスミスも「今季の目標は表彰台の頂点に戻ること」だと意気込む。
さらに最後のシートには、地元ジネッタGT5チャンピオンのマイキー・ドーブルを抜擢し、こちらもタイトルを獲得したBMWコンパクト・カップと合わせて年間12勝を挙げた24歳に、3台目のヴォクスホール・アストラBTCCを託す。
「逃すわけにはいかないチャンスだった」と明かしたのは、そのPMR代表を務めるアダム・ウィーバー。「ドライバーからは多くの問い合わせがあり、充分な広さの施設と、別のマシンを走らせるためのすべてのキットが揃っていたんだ」と続けるウィーバー代表。
「規模の経済はそれ(3台体制拡充)を実行可能にし、BTCCでの長期的な将来を確保するのにさらに役立つはずだ。見習いからエンジニアまで、何年にもわたって多くのスタッフを育成してきたし、タイミングはちょうどよかった。彼らはステップアップしてより多くの責任を負い、キャリアの成長を続けることができるんだからね」
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