2021年F1第14戦イタリアGP土曜日午後に行われたレース形式のスプリント予選で、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは3番手スタートからひとつ順位を上げ、2番手でチェッカーを受けた。首位のバルテリ・ボッタス(メルセデス)が4基目のパワーユニット投入により最後尾スタートとなるため、フェルスタッペンは決勝レースをポールポジションで迎える。レースでのオーバーテイクはかなり難しいサーキットゆえに、非常に大きなアドバンテージと言っていい。
この週末、一発の速さではライバルのルイス・ハミルトン(メルセデス)に大きく差をつけられてきたフェルスタッペンだったが、スタートで抜き去って一矢報いた形だ。今季のレッドブル・ホンダは、なぜ今まで以上に素晴らしいスタートを決められているのか。「様々な要素が複雑に絡み合っている」レーススタートにおいて、パワーユニット側の対処の肝は、「ドライバーの要求に、いかに従順に応えるかが重要」と、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは語っていた。
レッドブル代表「スタートを決めて確実に優勝を。マクラーレンにも警戒」/F1第14戦スプリント予選
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──明暗の分かれる結果となりました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):はい。マックス(・フェルスタッペン)は予選グリッドからひとつ上げて2番手。首位でチェッカーを受けた(バルテリ・)ボッタスが最後尾スタートになりますので、ポールポジションスタートになる。いい形でレースを終えてくれればと思います。対照的に(ピエール・)ガスリーは6番手からスタートしながら、1コーナーの混乱で接触し、高速コーナーでフロントウイングを落としてバリアにクラッシュ、リタイアとなってしまいました。
今日レース形式の予選では、いろいろ学んだこともありました。それを決勝レースに反映させて、タイヤ交換も義務付けられていますから、抜きにくい展開とはいえ、ホンダ勢4台がいい結果が得られることを望んでいます。
──フェルスタッペンは前戦オランダに続いて、素晴らしいスタートを決めました。今季のスタートのよさについて、エンジン側としてはどんな改善を施してきたのでしょう。
田辺TD:スタートというのは、様々な要素が複雑に絡み合っています。タイヤ、ギヤボックス(クラッチ)、パワーユニット(PU)、ドライバー、それぞれが与えられた要求に対してベストを尽くすことが求められるわけです。パワーユニットについていえば、その時点のコンディションに合わせた、最適なセッティングを施すこと。そしてドライバーがミスのない確実な操作を行って、初めてスタートは成功します。
──パワーユニット側の対処を、もう少し具体的にお願いします。
田辺TD:PUとしては、ドライバーのスロットル操作に対して、いかに従順に応えられるか。それが一番の肝と考えています。要はスロットル操作への応答性のよさですね。それはドライバーの操作へに応える速さだけでなく、要求値ということです。
──フェルスタッペン自身、今季のスタートのよさについて、「エンジンの回転数の出方が、去年に比べて正確で、スタートの調整がやりやすい」と言っていました。「速さだけでなく要求値」というのは、そういうことですか。
田辺TD:そうですね。
──その改善は、今季投入された新骨格エンジンのおかげで成し遂げられたのですか? あるいはコンディションに合わせたセッティングの賜物なんでしょうか。
田辺TD:去年と今年のスタートを比較しても、今季の新骨格エンジンゆえにということはないですね。マックスが「コントロールしやすい」とコメントしていたということですが、昨年はそこで、「え、何が起きてる?」と思わせてしまうような、今ひとつ安定していないところがあった。そうするとタイヤスリップを誘発したり、逆にトルクが落ちてタイヤグリップが優って食いついてしまったりした。エンジンとドライバーはスロットルペダルだけで繋がってるわけですが、そこが今季はドライバーの意思に従って、エンジンが出力を出せるようになってると思います。過去の失敗例を全部見直して、何が欠けていたのか、どこをどうすれば改善されるのか、それを見つめてきたということです。
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みんなのコメント
F1記事などはタイムリーが重要だと思いますがいかがでしょうか。
それとコメントを書かせていただいたものを自分で見直す時に探せません。
これはぜひ改善をお願いしたいですね。