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【最新モデル試乗】旅に出たくなる7シーター、シトロエン・ベルランゴ・ロングの際立つ個性と存在感

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【最新モデル試乗】旅に出たくなる7シーター、シトロエン・ベルランゴ・ロングの際立つ個性と存在感

3列目は取り外し自在。まさに自由空間!

 ルノー・カングーのモデルチェンジを迎え撃つように、ライバルのシトロエン・ベルランゴとプジョー・リフターに、3列シート/7人乗りのロングボディが追加された。試乗車はベルランゴである。

シトロエン・ベルランゴの3列シート7名乗りロングボディバージョンが日本上陸

 ロングのグレード展開は2タイプ。装備充実のシャインと、これをベースにバンパーやサイドプロテクションモールのアクセントをオレンジとし、バンパーにアンダーガード風のディテールを追加したシャインXTRパックが選べる。

 ボディはスライドドアまでは2列シート/5人乗りと同じだが、後方が伸ばされている。ホイールベースは190mm長い2975mm、全長は365mm長い4775mmだ。実車を前にすると、たしかにボディ後半が長くなったことがわかる。だがスタイリングのバランスは崩れていない。ベルランゴらしいスタイリッシュな印象はそのままだ。

 インテリアはオシャレで実に広い。セパレート形状の3人掛けセカンドシートまではこれまでと共通。ただしルーフが長くなったこともあり、スケルトンのブリッジを渡したガラスルーフやリアのシーリングボックスは省略されている。

 2人掛けのサードシートはセパレートタイプ。身長170cmのパッセンジャーが楽に座れる広さだ。日本のミニバンと異なる点は、3列目が取り外せること。一般的なミニバンユーザーは年間に数回しか3列目を使用していないと聞く。着脱が可能な構造を好ましいと思うユーザーは多いのではないだろうか。

 サードシートを取り外せるメリットは、ユーティリティの向上。ベルランゴの低いフロアとワイドな室内幅がフルに使えるようになる。3列目を取り外して2列目をたためば、荷室長は2mを超える。車中泊などさまざまな用途に活用できる。リアゲートはガラスハッチを内蔵しているので、リアゲート全体を開けるのが難しい場所で便利に感じるはずだ。

 パワートレーンは従来どおり、最高出力130ps、最大トルク300Nmを発生する1.5リッター直4ディーゼルターボと、8速ATの組み合わせである。2列シート仕様と比べて車両重量の増加は60kg、つまり大人ひとり分ぐらいに抑えられているので、加速に不満はない。

 ライバルとなる新型カングーのディーゼルと比べると、トランスミッションがトルコン式の8速ATということもあり、レスポンスは穏やかに感じた。これをシトロエンらしいと思う人もいるだろう。

 ゆったりした揺れを伴う乗り心地は実に快適。ホイールベースとボディの延長で、持ち前のキャラクターがいっそう強調されていた。フットワークは「後輪がいままでより遠くにある」とわかるほど、全体的におっとりした身のこなしはこのブランド独特の味わいだ。

 ベルランゴ・ロングは、軽快なフットワークを得た新型ルノー・カングーとは対照的に、穏やかな走りがさらに強調されていた。そのキャラクターは日本製ミニバンとも一線を画している。3列シートならではの高いユーティリティとともに、シトロエンらしさにこだわるユーザーに最適な選択肢が登場した。

シトロエン・ベルランゴ・ロング主要諸元

グレード=ロング・シャイン・ブルーHDi
価格=8SAT 443万3000円
全長×全幅×全高=4770×1850×1870mm
ホイールベース=2975mm
トレッド=フロント:1555/リア:1570mm
車重=1660kg
エンジン=1498cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=96kW(130ps)/3750rpm
最大トルク=300Nm(30.6kgm)/1750rpm
WLTCモード燃費=18.1km/リッター(燃料タンク容量50リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:14.5/18.2/20.2 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=205/60R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=7名
最小回転半径=5.8m

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