現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > これがVW初のスーパーカー! 20年前に数々の世界速度記録を樹立した「W12ナルド」とは?

ここから本文です

これがVW初のスーパーカー! 20年前に数々の世界速度記録を樹立した「W12ナルド」とは?

掲載 更新 2
これがVW初のスーパーカー! 20年前に数々の世界速度記録を樹立した「W12ナルド」とは?

 フォルクスワーゲン(VW)の米国子会社、VWアメリカは2022年2月24日、20年前の2002年のこの日、イタリア・ナルドサーキットで世界速度記録を更新したスーパーカーを振り返るリリースを発表しました。

 W型エンジンと聞いて思い浮かべるスーパーカーは、2005年に市販化されたブガッティ「ヴェイロン」です。

これがVWのスーパーカーだ! 20年前に登場したコンセプトカー「W12ノルド」を画像でチェック!(13枚)

 ヴェイロンは8リッターW型16気筒クワッドターボ(4ターボ)エンジンを搭載。そのエンジンは1000馬力・1250Nmというとてつもない性能を発揮、0-100km/hは2.5秒、最高速度407km/hというパフォーマンスを誇る、歴史に残るスーパースポーツカーでした。

 VW独自のW型エンジンを搭載した初めてのスーパーカーは、じつはヴェイロンではないといいます。ヴェイロン登場の8年前、1997年に開催された東京モーターショーで世界初公開されたVW「W12コンセプトクーペ」でした。

 W12コンセプトクーペは、イタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインした空力的なスタイリングを持ったモデルで、VWから最高級のラグジュアリーモデルやパフォーマンスモデルへの道を切り開きました。

 このW12コンセプトクーペは、コンパクトで軽量な2.8リッター「VR6」エンジン2基を共通のクランクシャフトで結合した5.6リッターW型12気筒エンジンを搭載、VWのシンクロ4WDと6速シーケンシャルトランスミッションが組み合わされ、414馬力を発生していました。

 このコンセプトモデルは量産化、市販化には至りませんでしたが、コンセプトモデルとしてはヒット作となり各国でのモーターショーで人気を集め、1998年のジュネーブショーではロードスターモデルも発表されました。

 その3年後の2001年、VWは南イタリアのナルド・リング(全長約12.5km)でW12コンセプトクーペによる24時間耐久のスピード記録に挑戦することを発表しました。W12エンジンは排気量を6リッターに拡大、最高出力は591馬力にアップされ、車両重量は約1200kgと軽量化されました。

■2002年2月23日に7つの世界記録を樹立

 2001年10月、W12コンセプトクーペは4402マイル(約7084km)の走行で平均時速183.5マイル(約295.31km/h)を記録、当時の世界記録を塗り替えました。

 VWグループのW型エンジンの実走行による初のトライアルであることを考えると、これも驚異的な偉業でしたが、W12コンセプトクーペはさらに進化を続けます。

 4か月後の2002年2月23日、「W12ナルド」がさらに24時間耐久のスピード記録にチャレンジ。結果、4809マイル(約7739km)の走行で平均時速200.6マイル(約322.83km/h)という記録を打ち立てました。これは当時の7つの世界記録と12の国際クラス記録を樹立したことになります。

 W型エンジン搭載車はまだ市販化されておらず、その耐久性には当時、疑問を持たれていたようですが、このチャレンジにより高い耐久性が証明されました。

 その後、1998年にVWグループになったばかりのハイブランド、ブガッティから2005年に「ヴェイロン」が登場、W16エンジンを搭載しました。その後W型エンジン(W12=W型12気筒)はVW「フェートン」や「トゥアレグ」、アウディ「A8」やベントレー「コンチネンタルGT」「コンチネンタル フライングスパー」などに搭載されています。

※ ※ ※

 このW型エンジンは、1993年から2002年までVWAGのCEOを務めたフェルディナント・ピエヒ博士の発想で開発されました。

 当時のVW車に幅広く用いられ、そのコンパクトさから「ゴルフ」にも搭載されていたV型6気筒「VR6」エンジンをふたつ組み合わせ、「V+V=W」と名付けられたこの発想は、じつは1997年に東京から名古屋に走る新幹線の中で誕生したといいます。

 当時VWのパワートレイン開発担当者だったカール・ハインツ・ノイマン氏と会話していたピエヒCEOは、封筒を手に取り、頭の中にあったW型エンジンのアイデアをスケッチしたそうです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
AUTOCAR JAPAN
走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」に!
走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」に!
くるくら
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
くるまのニュース
【ヤマハ】Netflix の新作SFアニメ「Tokyo Override」にヤマハがデザインしたバイク「Y/AI(ワイエーアイ)」が登場!
【ヤマハ】Netflix の新作SFアニメ「Tokyo Override」にヤマハがデザインしたバイク「Y/AI(ワイエーアイ)」が登場!
バイクブロス
キャンプ・災害に備える手のひらサイズの携帯浄水器「Greeshow GS-288」のセール実施中!
キャンプ・災害に備える手のひらサイズの携帯浄水器「Greeshow GS-288」のセール実施中!
バイクブロス
クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
バイクのニュース
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
くるまのニュース
ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ベストカーWeb
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
Auto Messe Web
フィアット125周年をイタリアが国をあげて祝福、2つの特別展示会をトリノで開催
フィアット125周年をイタリアが国をあげて祝福、2つの特別展示会をトリノで開催
Webモーターマガジン
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
くるくら
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
くるまのニュース
文化を身近に。BMWが贈る特別イベントに名門ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が登場!
文化を身近に。BMWが贈る特別イベントに名門ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が登場!
OPENERS
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
くるまのニュース
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web

みんなのコメント

2件
  • ヴァイロンって発売から17年も経つの?
    そんな前からあった感じがしない
    VWグループはW型の多気筒エンジンが多いよね
  • ワーゲンにもミッドシップのスーパーカーあったのか
    すごいな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村