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大型トラックの“屋根”に大変化!? 三菱ふそう新型「スーパーグレート」快適性が爆上がり キャビンで立てる!着替えできる!

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大型トラックの“屋根”に大変化!? 三菱ふそう新型「スーパーグレート」快適性が爆上がり キャビンで立てる!着替えできる!

エンジンラインナップは3種類

 三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下、三菱ふそう)は2023年10月25日(水)から開催されているジャパンモビリティショー2023で、同社のトラック「スーパーグレート」の新型モデルを世界初公開しました。

【画像】新型「スーパーグレート」を見る

 今回のモデルチェンジは前回の2017年から6年ぶりとなるもので、運転席を含めたキャブ周りのデザインと内装のエクステリアが一新され、その見た目が大きく変化しています。特にフロントグリル周辺には新たな「ふそうブラックベルトデザイン」を採用したことで、従来の「スーパーグレート」とは異なるフラットで整ったフォルムとなっています。

 ニューモデルの開発コンセプトは「経済性、安全性、快適性、そして操作性の向上」とのことで、デザイン以外にも随所がリニューアルされています。

 まず、トラックとしての根幹部分ともいえるエンジンは、従来モデルの6R20エンジン(総排気量1万700cc)および6S10エンジン(総排気量7700cc)に加え、より大排気量・高出力な新型6R30エンジン(排気量1万2800cc)も新たにラインナップ。このエンジンの燃費向上によって「2025年度重量車燃費基準(JH25モード)」にも適応しています。

 エンジンには出力に合わせた2つのターボチャージャーが設定されたことで、特に低速トルクでの走行が最適化。これによってトラックとして重要な強いトルク、良好なレスポンスによる優れた加速性、長い坂道でも余裕あるけん引性能といったトラックとしての基本的な能力の向上だけでなく、ドライバーに対しても振動や騒音に伴う身体的な負担の低減に繋がっています。

 また、近年の自動車では標準的になりつつある運転支援システムに関しても、衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト6(ABA6)」、衝突防止「アクティブ・サイドガード・アシスト2.0」、低速走行時前方衝突警報装置「Front Blind Spot Information System(フロント・ブラインドスポット・インフォメーション・システム)」を新たに全車標準装備としています。これら運転支援システムは、他のトラックや一般車両だけでなく、歩行者や自転車にも対応しているのが特徴で、大型トラックの交通事故で多い弱者の巻き込み事故の低減にも貢献するでしょう。

 この他にスマートキーの「FUSOイージーアクセスキー」と、電動パーキングブレーキも全車標準装備しています。

 燃費の向上を実現したのは、エンジンの改良だけではなく、架装や外観の変化も大きく影響しています。この一環で、長距離トラックの“屋根”にも変化が生じました。

ドライバーの寝室さよなら

 ドライバー視点で新型モデルを見た時、見逃すことができない新要素となるのが「スーパーハイルーフ」です。今回のモデルのために新開発されたもので、具体的には室内高が300mm上がったことで室内上部の空間が大幅に広くなっています。これにより運転席の居住性が向上しただけでなく、着替えなども容易に行えるようになり、長距離ドライバーなどにとっては大きなメリットです。

 さらにキャビン内の上方には「スーパートップシェルフ」や「オーバーヘッドコンソール」といった収納空間(容量約50リットル)が設けられています。書類や備品などの業務品だけでなく、着替えや日用品といった個人の荷物を入れるスペースも新たにでき、パーソナルスペースの拡充、居住性の向上が図られました。もちろん、シート後ろには仮眠をとることのできる空間が用意されています。

 一方で、これにより不要となったのがキャブの屋根上の“寝室”を兼ねたパーツです。

多くのトラックでは、キャブ上部に傾斜のついた屋根のようなエアロパーツを追加しています。これは内部がドライバーの寝室にもなっていますが、本来はキャブとその後ろのコンテナの段差を埋めるためのモノで、この部分の段差が露呈していると、走行中に大きな空気抵抗が生まれて走行の障害となり、それは最終的に商業車としては致命的な燃費低下に繋がります。

「スーパーハイルーフ」ではキャブ自体が高くなっており、さらに前上部を滑らかな流線形のデザインとすることで、エアロパーツと同等の空力抵抗の低減を実現しています。先に説明した燃費改善の指標となる「2025年度重量車燃費基準(JH25モード)」適応についても、その理由は新型エンジンの採用だけでなく、このような空力的な改善といった新型モデルの全般的な要素もあって実現できた模様です。

シートもいいぞ!

 今回の展示車両では、座席が標準品ではなくドイツ・イスリングハウゼン社製の高機能シートになっていました。同社のシートは体へのフィット感の良さと負担軽減から欧州を中心に多くのトラックで採用されています。

今回の新型モデルに搭載されたシートも、座席下部に衝撃吸収機構が内蔵されており、停車状態で座ると体重に合わせ上下に動きましたが、これが走行中だと車体の振動を吸収してドライバーの負担を大きく低減してくれるでしょう。

 イスリングハウゼン社のシートを設置したのは今回のイベント用の参考出品という形だそうですが、このことはトラックメーカーが車両の性能だけでなく運転するドライバーの環境改善にも注目していることの表れだと筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は考えます。

 三菱ふそうの新しい「スーパーグレート」は年内発売予定とのこと。なので、この新しいビジュアルのトラックが街中で見られるようになるのも、もうすぐでしょう。

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みんなのコメント

40件
  • kam********
    小排気量をターボでカバーするより、大排気量の方が運転は楽です。
    環境負荷対策でどんどん低排気量化していたので、これは朗報ですね。
  • NEXTGEAR
    他国の長距離トラックをYouTubeなんかで見てると、助手席のシートと運転席のシートの間には遮るものがなくフラットな床だけ、、、運転手は運転席から真横にスッと立てて、そのまま助手席にスッと座れるような作り。
    後ろのベッドにも腰を掛けられる。
    要は、キャンピングカーの要素が取り入れられていて、長距離運行での「生活」を含む車内泊がとても快適そうに見える。

    日本のトラックはどれもこれも疲労が溜まって行くばかり。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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