現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 高額値引きでも売れなかったセダンがあった!? 迷車・珍車セダン5選

ここから本文です

高額値引きでも売れなかったセダンがあった!? 迷車・珍車セダン5選

掲載 更新 7
高額値引きでも売れなかったセダンがあった!? 迷車・珍車セダン5選

■玉石混交だったころのセダンを振り返る

 近年、セダン人気が低迷したため、各メーカーともセダンのラインナップは減少傾向で、完全にセダンの生産から撤退してしまったメーカーもあります。

知っていたら相当なマニア! 超マイナーすぎる珍車3選

 しかし、かつてはセダンがパーソナルカーやファミリーカーとして活躍していたこともあり、各メーカーとも数多くのセダンを販売していました。

 そのなかには、個性的なモデルや奇抜なモデルも存在。そこで、いま振り返ると迷車・珍車といえるセダンを5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「アコード CA」

 1976年に発売された初代ホンダ「アコード」は「シビック」の上位に位置するモデルとして開発され、当初は3ドアハッチバックのみでしたが、後にセダンが追加され、ステーションワゴンやクーペもラインナップに加わります。

 そして、1985年に登場した3代目では、セダンとステーションワゴンタイプの3ドアモデル「アコードエアロデッキ」が設定され、注目されました。

 フロントフェイスは流行のリトラクタブルヘッドライトを採用したスポーティなフォルムで、2リッターと1.8リッターのDOHCエンジンを搭載。サスペンションを4輪ダブルウイッシュボーンとするなど、見た目以上に優れた走りを実現します。

 すべてが刷新されスポーティに生まれ変わった3代目アコードでしたが、派手な外観を好まない層に向けて、1987年に「アコード CA」を追加。

 アコード CAはリトラクタブルヘッドライトが廃され、欧州仕様で採用されていた固定式の異型2灯ヘッドライトに換えられた、シックな印象のルックスでした。

 シャシはアコードと同様で、当初はSOHCエンジンのみの設定でしたが後にDOHCエンジンが追加されます。

 やや高級感のあるイメージで販売されたアコード CAは、あまり人気とはなりませんでしたが一定の支持を得て、1989年のフルモデルチェンジまで継続して販売されました。

●三菱「エテルナ」

 1987年に登場した三菱6代目「ギャラン」は、スタイリッシュなデザインのフォルムと、高性能なフルタイム4WDモデル「VR-4」をラインナップしたことで、たちまち人気車となります。

 この6代目ギャランをベースに販売チャネル違いの姉妹車として、1988年に「エテルナ」が発売されました。

 エテルナ自体は1978年からギャランの姉妹車として販売されており、1988年モデルは4代目にあたります。

 ボディは5ドアハッチバックでしたが、三菱は「トランクゲート付4ドアセダン」と呼称しており、スタイリッシュな新しいセダンのフォルムを実現。

 トップグレードには、ギャラン VR-4と同じ205馬力を誇る2リッター直列4気筒ターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「ZR-4」が設定されるなど、スポーティさを強調しています。

 しかし、当時の日本市場では5ドアハッチバックのニーズが無く、販売は低迷。そのため1989年に、よりギャランに近いフォルムの4ドアセダン「エテルナSAVA」が発売されました。

●スバル「インプレッサ SRX」

 初代「インプレッサ」は1992年に発売され、ハイパワーなエンジンとフルタイム4WDを組み合わせた「WRX」が話題となり、新世代のセダン/ステーションワゴンとして人気を博します。

 また、WRX以外にも1.5リッターから2リッターエンジンを搭載したベーシックなモデルがラインナップされ、幅広いユーザーを獲得。1998年には、それまでに無かった自然吸気エンジンを搭載したスポーティなフルタイム4WD車、「インプレッサ SRX」が追加されました。

 エンジンは155馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒DOHCで、可変バルブタイミング機構と可変吸気システムにより低速トルクの増大が図られ、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。

 足まわりには、フロントブレーキに2ポットキャリパーと15インチベンチレーテッドディスクが装備され、前後サスペンションにスタビライザーを採用するなど、高い運動性能を実現しています。

 また、MOMO製本革巻ステアリングやホワイトメーター、専用クロスのスポーツシートが装備されるなど、内装をスポーティに演出。

 なお、SRXの価格はWRXよりも60万円ほど安価に設定されていましたが、人気グレードとはならず、いまでは非常に希少なモデルです。

■ロータリーエンジンを搭載したラグジュアリーセダンとは!?

●日産「レパードJ.フェリー」

 1980年に登場した日産初代「レパード」は、斬新なスタイリングの4ドア/2ドアハードトップで、1986年に発売された2代目では、当時大人気だったトヨタ「ソアラ」を意識した2ドアクーペに一新。TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたこともあり、若者を中心に人気を博します。

 しかし、1992年に登場した3代目にあたる「レパードJ.フェリー」は、先代の2ドアクーペとは異なりエレガントな高級サルーンに変貌。

 最高出力270馬力を発揮する4.1リッターV型8気筒エンジンを搭載するなど、北米市場を主戦場として開発されたため、アメリカのラグジュアリーカーに多く見られた、トランクが後方に向かって下がる「尻下がり」なデザインが採用されました。

 しかし、国内市場では高額な価格設定と尻下がりのリヤデザインが不評で、一気に不人気車となってしまい、ディーラーではひと声数十万円の値引きが当たり前だったといいます。

 その後も販売は好転しなかったため、1996年に4代目が発売されると車名がレパードに戻され、「セドリック/グロリア」をベースとした比較的オーソドックスなデザインのセダンに一新されました。

●マツダ「ロードペーサー」

 マツダには1970年代に大衆車から高級車まで、ロータリーエンジン搭載車のフルラインナップを完成させるという目標がありました。

 そこで、1975年にトヨタ「センチュリー」や日産「プレジデント」に匹敵するような高級セダン、「ロードペーサー」を発売します。

 当時のマツダには大型セダンを自社で生産する設備が無かったため、オーストラリアのメーカーであるホールデンにOEM供給を打診。

 ロードペーサーはホールデン「プレミアー」の車体をベースにロータリーエンジンを搭載し、マツダのフラッグシップカーとして販売が開始されました。

 搭載されたエンジンは654cc×2ローターで135馬力を発揮。しかし、もともとは5リッターを超えるV型8気筒エンジンが搭載されることを想定していた車体は重く、ロータリーエンジンの燃費の悪さに拍車がかかったといいます。

 スタイリングは当時のアメ車(ホールデンはGMの傘下)そのもので、スタイリッシュでしたが日本人には馴染めず、さらに高額な車両価格のため販売は低迷。

 一方で、騒音や振動が少ないロータリーエンジンならではの静粛性による、上質な室内空間は高く評価されました。

 そして、1977年に「ルーチェ」の上位モデル「ルーチェ レガート」が発売されたことにより、ロードペーサーは販売を終了。いまでは非常にレアなモデルで、まさにマツダ屈指の迷車といえます。

※ ※ ※

 今回、紹介した5台のセダンを振り返ってみると、各メーカーとも試行錯誤を繰り返していたことがわかります。

 近年は合理的な開発手法や、徹底的なマーケットリサーチがおこなわれているため、極端に販売が低迷するモデルや、奇をてらったようなクルマは少なくなりました。

 一方で、個性が光るクルマも少なくなってしまったので、物足りなさを感じてしまう人もいるのではないでしょうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ミケーレ・ピロ、第20戦ソリダリティGPにディ・ジャンアントニオの代役で出場「GP23でレースをするのは興味深い」
ミケーレ・ピロ、第20戦ソリダリティGPにディ・ジャンアントニオの代役で出場「GP23でレースをするのは興味深い」
AUTOSPORT web
FRJ王者の小川颯太「去年一緒に戦ったドライバーたちの思いも背負って」/第71回マカオGPプレビュー
FRJ王者の小川颯太「去年一緒に戦ったドライバーたちの思いも背負って」/第71回マカオGPプレビュー
AUTOSPORT web
最近スズキのデザイン良すぎない? [新型ディザイア]のスタイルがイケすぎな件
最近スズキのデザイン良すぎない? [新型ディザイア]のスタイルがイケすぎな件
ベストカーWeb
父と同じ道を進む佐藤凛太郎「早く慣れてQ1から攻められるように」/第71回マカオGPプレビュー
父と同じ道を進む佐藤凛太郎「早く慣れてQ1から攻められるように」/第71回マカオGPプレビュー
AUTOSPORT web
EVだけは無理ない? ”300万円超え”予想の[新型ハスラー]登場か!! ガソリンモデルはどうなるの!?
EVだけは無理ない? ”300万円超え”予想の[新型ハスラー]登場か!! ガソリンモデルはどうなるの!?
ベストカーWeb
【制限速度は350km/h!】マクラーレン史上最速モデルW1が日本初お披露目!
【制限速度は350km/h!】マクラーレン史上最速モデルW1が日本初お披露目!
AUTOCAR JAPAN
クルマ買うなら[ハイブリッド]? [PHEV]? いったいどっちがいいのだろう?
クルマ買うなら[ハイブリッド]? [PHEV]? いったいどっちがいいのだろう?
ベストカーWeb
約2890名が受講した「ラリー教室」が無事に全行程終了! 最終回には新井選手が登場して校庭でデモランを披露…「開催リクエストが増えているみたいです」
約2890名が受講した「ラリー教室」が無事に全行程終了! 最終回には新井選手が登場して校庭でデモランを披露…「開催リクエストが増えているみたいです」
Auto Messe Web
TC2000王者ペーニャがプジョーで2勝目、僚友カルドゥソも選手権首位を奪還/TCR南米第9戦
TC2000王者ペーニャがプジョーで2勝目、僚友カルドゥソも選手権首位を奪還/TCR南米第9戦
AUTOSPORT web
ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
AUTOCAR JAPAN
マフラーで有名な「ロッソモデロ」がなぜモータースポーツ部門を?…「全日本ラリー」「筑波タイムアタック」「eスポーツ」で次世代のクルマファンを増やしていきます
マフラーで有名な「ロッソモデロ」がなぜモータースポーツ部門を?…「全日本ラリー」「筑波タイムアタック」「eスポーツ」で次世代のクルマファンを増やしていきます
Auto Messe Web
農機のヤンマー「やけにかっこいいトラクター」を発表 部品共通化で“建機”に “船”にもできる!?
農機のヤンマー「やけにかっこいいトラクター」を発表 部品共通化で“建機”に “船”にもできる!?
乗りものニュース
F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒが辞任。FIA F2などで同職を担うルイ・マルケスが後任に
F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒが辞任。FIA F2などで同職を担うルイ・マルケスが後任に
AUTOSPORT web
絶対王者は予選ヒート時点で“7冠”達成。決勝では両日ともに初優勝者が誕生/WorldRX最終戦
絶対王者は予選ヒート時点で“7冠”達成。決勝では両日ともに初優勝者が誕生/WorldRX最終戦
AUTOSPORT web
EVのBMW「3シリーズ」を発見! 2026年発売の "i3" テスト走行か 先鋭的なデザイン
EVのBMW「3シリーズ」を発見! 2026年発売の "i3" テスト走行か 先鋭的なデザイン
AUTOCAR JAPAN
フロントガラスが飛び石被害はなぜ起こる? 温度差で割れることもあるので早急なリペアが大切…DIYで修理しても大丈夫?
フロントガラスが飛び石被害はなぜ起こる? 温度差で割れることもあるので早急なリペアが大切…DIYで修理しても大丈夫?
Auto Messe Web
ドゥーハンのプライベートテストにガスリーが急きょ参加。アルピーヌの思惑に憶測広がる
ドゥーハンのプライベートテストにガスリーが急きょ参加。アルピーヌの思惑に憶測広がる
AUTOSPORT web
『ジャガーXJR-8(1987年)』スピードで打倒ポルシェを果たした殊勲車【忘れがたき銘車たち】
『ジャガーXJR-8(1987年)』スピードで打倒ポルシェを果たした殊勲車【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

7件
  • 売れなかったセダンで選ぶなら、レパードJフェリー、ロードペーサーはまだしも、アコード、エテルナ、インプレッサは違うんじゃないか?
    たった1年で販売終了した日産バイオレットリベルタ、販売がずっと低空飛行だった三菱トレディア、新聞社が欠陥車とレッテルを貼ったために浮上のきっかけさえ無くしたダイハツアプローズ、この辺りを選んでもらいたかったねえ。
  • マツダロードペーサーを出すのであれば、いすゞステーツマン、三菱クライスラーにも触れていただきたかったですね。3車種ともオーストラリア向け車両を流用したという点が共通しているのですから。
    それと、1977年に販売終了とあるが、正確には生産終了であり、1979年まで在庫車販売が続けられていましたよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

358.0469.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

82.082.0万円

中古車を検索
レパードJ.フェリーの車買取相場を調べる

日産 レパードJ.フェリーの中古車

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

358.0469.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

82.082.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村