橋に車線増やすには「いよいよ拡幅するしかない」
NEXCO中日本は2024年7月26日、東名高速の最混雑ポイントである横浜町田IC 海老名JCT間の「大和トンネル」前後で、渋滞対策工事を実施すると発表しました。
【4年半の大工事!】東名「大和T前後の長期車線規制」(地図/画像)
大和トンネルとその前後区間は慢性的に混雑が発生していますが、2021年に付加車線が設置され片側4車線となりました。その付加車線をさらに、横浜町田IC側へと延ばす工事が進められています。今回、その一環として本線の橋を拡幅することになったのです。
これまでの対策では、大和トンネル本体や土工部を拡げつつ、車線幅を見直すなどして、1車線分を捻出してきました。
今回の延伸区間についても、土工部ではすでに工事が行われていますが、橋梁部はもともとの幅員が限られているため、どうしても「橋を拡げるしかない」のだとか。
拡幅対象は道路をまたいでいる「大和高架橋」「大東橋」そして小田急江ノ島線をまたぐ「小田急高架橋」の3つ。すでに高速道路下では、追加の橋脚が施工されているところもあります。
工事は2024年11月9日から、2029年3月までの4年半をかけて行われます。車線幅を3.6mから3.25mまで狭め、現在の車線数(6車線)を確保しつつ工事を実施。上下線の橋とも、路肩側、中央側へそれぞれ順番に追加の橋桁を設置して拡幅していくため、その都度、工事エリアを避けるように車線が切り回されていきます。
これに伴い渋滞の悪化が懸念されています。11月から2026年2月までのSTEP1期間では、「日常的に発生する渋滞長よりも約1km程度長くなる」「渋滞が発生する日数が年間で約60日程度増える」とのこと。平日の最大時は最長で約20km、通過に約100分程度かかる渋滞が発生するとの予測です。
ちなみに、施工ステップの切り替え時には、夜間に走行可能な車線が「1車線」になる期間もあり、相当な渋滞が懸念されます。
増える交通量 14万台突破しちゃった…
横浜町田IC 海老名JCT間は前出の通り、これまでも渋滞対策で車線が増やされてきましたが、依然として解消に至っていません。
これは、渋滞が発生しやすい「サグ」と呼ばれる下り坂から上り坂に変わる箇所が連続する地形もありますが、単純に、交通量がどんどん増えているのだとか。
コロナ禍の2020年にはいったん交通量が減ったものの、以降、2022年には同区間の1日平均交通量がコロナ前を上回り、2023年には1日14万台を突破。日本屈指の重交通区間となっています。
ただ、2021年の大和トンネル前後の付加車線完成で、上り線については大和トンネル自体が渋滞の先頭ではなくなってきました。交通容量が増加したことで一定の渋滞緩和効果も発現しています。
しかし、その手前、付加車線がいったん途切れて片側3車線に戻る綾瀬スマートIC付近にボトルネック箇所がずれて、ラジオの渋滞情報でも「綾瀬スマートIC」の名を頻繁に聴くようになりました。
この、上り線の綾瀬スマートIC付近の付加車線の欠落を“埋める”工事についても、現在、調査設計が行われています。この部分は全て土工部だそうです。
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