EVクロスオーバーのワンオフ・スペシャル
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
【画像】マスタング・マッハE、テスラ・モデルY、日産アリア、アウディeトロン、メルセデス・ベンツ EQC【ライバル比較】 全109枚
フォードは、EVクロスオーバーマ「スタング・マッハE」の1台限りの特別バージョンを発表した。7基のモーターと「超高性能」バッテリーを搭載し、1400psを発揮する。
このマスタング・マッハE 1400プロトタイプは、フォード・パフォーマンス部門とドリフトスターとして知られるヴォーン・ギッティン・ジュニアによって設立されたチューニング会社、RTRビークルによって開発された。
フォードが、1万時間以上を開発に費やしたと述べるこのワンオフモデルは、「サーキット、ドラッグ・レース専用コース、またはジムカーナ・コース」での使用が想定されている。
フォード・パフォーマンスのモータースポーツのトップ、マーク・ラッシュブルックは、マスタング・マッハE 1400は「電気自動車で実現可能な技術の結晶」であると語っている。
北米で市販されているマスタング・マッハEのトップグレードは2基のモーターを搭載しているが、マッハE 1400は7基のモーターを備える。
そのうち3基はフロント・デファレンシャルに、残りの4基は連なるようにリアに取り付けられている。
単一のドライブシャフトが、モーターとディファレンシャルをつなぐことで、パワートレインの調整の幅を広げている。
シャシーは、さまざまなレイアウトに応用できるマスタング・マッハE GTのホワイト・ボディをベースとしており、前輪、後輪、または全輪駆動に対応。
すべての動力を一方の車軸に供給、もしくは両方に均等に分配することができる。
パフォーマンス重視のEV
マスタング・マッハE 1400は、ABSおよび横滑り防止装置と組み合せた、電気ブレーキブースターにより、減速時のエネルギーを回収する。
電力は、フォードが超高性能と高放電率を提供すると言う、ニッケル・マンガン・コバルト・ポーチセルを使用した56.8kWhのバッテリーから供給される。
このシステムは、充電中に誘電電流によって冷却されるよう設計されており、充電時間が短縮されている。
マスタング・マッハE 1400のボンネットには、新素材である軽量の有機複合繊維が採用され、残りのボディ部分はカーボンファイバーが多用される。
フォードは257km/hの速度で1000kgを超える高レベルのダウンフォースを発生すると述べている。
コントロールアームやステアリングなど、フロントエンドの構成がそれぞれ異なる、ドリフトおよびサーキットの両方のセットアップが利用可能となっている。
また、ドリフトを楽しめるように、油圧ハンドブレーキを作動させるとリアモーターへのパワー供給を遮断する機能を搭載する。
マスタング・マッハE 1400は、近日開催予定のNASCAR「カップシリーズ」で、一般公開される。
マスタング・コブラ・ジェット1400に続いて登場した、フォードが誇るパフォーマンスEVがどのような反響を受けるか楽しみにしたい。
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