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【高速域でも息切れ知らず】ポルシェ・タイカン・ターボへ試乗 EVの新基準

2020年はEVの年になる

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)

【画像】比較 タイカンとパナメーラ、GT63 全110枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


どうやらヨーロッパでは、2020年はEVの年になる。2019年も同じようなことをいっていたが、2020年は本当にそうなるだろう。

一方、コロナウイルスの影響で、数多くの自動車工場は生産を一時停止。株価の暴落も止まらない。2020年は激動の年にもなりそうだ。

欧州では、自動車メーカーが排出するCO2の平均値を定めた規則が、効力を発揮する。EVやプラグイン・ハイブリッドなど、CO2の排出量が少ないクルマを多く販売して、高額な罰金を避けようと動くことになる。

その反面、自宅待機を命じられ、経済は減速傾向。ディーラーも閉店しており、クルマを販売すること自体が難しい。今後数ヶ月、新車の販売台数は冷え込んだ数字となるだろう。もちろん、資金に余裕のないメーカーは、経営状態を悪化させる可能性もある。

暗くなっていても仕方ない。純EVの新星、ポルシェ・タイカンが英国にも上陸した。以前の試乗評価を考えれば、祝福すべき上陸だと思う。エンジン好きとしては、喜べないかもしれないが。

AUTOCARでは近いうちに、タイカンのベースグレードとなる4Sと最速のターボSで、詳細な比較テストを実施する予定。今回試乗するのは、中間グレードのタイカン・ターボだ。680psと11万6000ポンド(1566万円)は、中間には思えない数字だけれど。

高価格帯のクルマを購入するドライバーにとって、ターボとターボSとの価格差、2万3000ポンド(310万円)は支払えない額ではない。むしろ、82psという出力の差を気にして、ターボSを選ぶのかもしれない。

高速域でも息切れ知らずの凄まじい加速

ターボSがエクストラパワーを発揮できるのは、本気のローンチモードの時だけ。普通に走っている限り、得られる最高出力はターボでもターボSでも、同じ625psとなる。

今回は英国南東部の風光明媚な道を、4時間ほど走り込んだ。タイカン・ターボであっても、パワー不足を感じる瞬間は1秒たりともなかった。むしろ、過剰にすら思えた。

電気モーターとバッテリーの組み合わせだから、加速は瞬時的で凄まじい。一部のEVとは異なり、高速域での息切れ感もなかった。

一般道では、おそらくタイカン・ターボについて来れるクルマは、エンジンを積んでいても多くはない。まして4シーターとなれば、数はかなり限られる。

スポーツプラス・モードでブレーキペダルを左足で強く踏み込み、アクセルペダルを右足で踏めば、ローンチコントロールがスタンバイ。フルパワーを解き放てば、ドライバーはシートに強く押し付けられる。

ポルシェは、加速時に聴覚的な刺激も満たすため、唸るような電子サウンドもデザインしている。ターボSでは標準装備となる、オプションのエレクトリック・スポーツサウンドを使用すると、さらに未来的な響きが楽しめる。

違和感を感じそうにも思える。しかし、スピードメーターの数字が一気に増えていく眺めと重なり、音響的にも充足感を追加していると感じた。好みはわかれるだろう。

直線加速はテスラの方が上かもしれない。だがポルシェで秀逸なのは、シャシー設定にある。扱いやすい乗り心地と、コーナリングの安定性とを高次元でブレンドさせた足回りは、英国の路面でも驚くほどに機能した。

見事に隠された2.3tもある車重

乗り心地は、豪奢なパナメーラと意図的に引き締められた911との中間にある。アダプティブ・エアサスペンションが最も柔らかい設定になるノーマルモードでは、エグゼクティブ・サルーンとして通用するほどしなやかだ。

さすがに舗装の剥がれたような区間では、車内へ不規則に振動が伝わってくる。だがメルセデスAMG E63より、低速域での落ち着きは上だろう。タイヤは20インチのミシュラン・パイロットスポーツ4Sだが、タイヤノイズは911より遥かに抑えられている。

タイカンはスポーツカーと呼べるだろうか。確かに、これまで試乗してきたEVの中で、最も説得力のある仕上がりは得ている。

見事に隠された2.3tもある車重に気付くには、走り慣れたワインディングを10分くらいは走り込まなければならない。300kgもパナメーラより重いのに、ターンインはシャープ。姿勢制御も安定している。

試乗車にはオプションのダイナミック・シャシーコントロールが装備され、アクティブ・アンチロールバーが有効に機能していたこともあるはず。よほど極端に進行方向を変えなければ、大きな質量が横へ移動することは感じ取れない。

トルクベクタリング機能付きの4輪駆動で、一般道でトラクションを失わせることはほぼ不可能。コーナーの出口では、リアタイヤが強くクルマを押し出してくれる。ステアリングはクイックでクリア。重み付けも良く一貫性がある。

日常の足として利便性にも優れる

前方視界にも優れ、ドライビングポジションも素晴らしい。後方視界は良くないから、カメラ映像が役に立つ。4輪操舵システムを搭載し、小回りも効く方だった。

ブレーキペダルの感触も良好。だが、多くの回生ブレーキと同様に、踏み込み量と実際の制動力とが完全には一致していないようにも感じられた。

滑走時の回生ブレーキの効き方は穏やかだが、ドライビングモードによって変化する。ポルシェとしてはワンペダルではなく、ブレーキペダルとアクセルペダルとの両方を用いたドライビングを想定している。

確かにポルシェ911ほど運転が楽しいわけではない。スポーツカーとしてのベンチマークに届いているともいえない。しかし、750kgは軽量な911に近いとすら感じさせるフィーリングを獲得した事実は、シュツットガルトの技術者の優秀さを示している。

タイカンの素晴らしさは、走りだけではない。日常的な足としての利便性にもある。

引き締められた滑らかなボディシェイプだから、テスラ・モデルSほどの車内空間は得られていない。それでも190cm近いドライバーに不足ないフロントシートを備え、平均的な身長の大人なら、リアシートにも不満なく座ることができる。

インテリアも典型的なポルシェ。目立った豪華さはなくても、質感は高く操作もしやすい。大きなモニターで多くの機能を動かすことになるが、すべてのメニューが論理的に配置され、わかりやすい。モニターによるメーター類の可読性も良い。

純EVサルーンとして動的性能の新基準

ポルシェ・タイカンの場合ライバルも少なく、航続距離や充電時間に関しては比較が難しい。電圧800Vのシステムを採用し、数は少ないが350kWの容量の充電器を用いれば、80%までに要する時間は22分程度。

ポルシェは449kmの航続距離を主張しているが、試乗の結果からもおそらく現実的な数字だと思える。ちなみにテスラ・モデルSの航続距離は、141kmほど長い。

価格やエンジンモデルとの航続距離の差を考えれば、タイカンは手放しに受け入れられるクルマではないだろう。それでも、純EVのパフォーマンス・サルーンとして、動的性能の新しい基準を作り上げたことは間違いない。

多くの人はポルシェ・タイカン4Sで充分に満足できるはず。試乗車にも積まれていた、93kWhの大容量バッテリーを選ぶこともできる。何より動的性能を最優先したいというドライバーは、ターボSに惹かれるのかもしれないが。

ポルシェ・タイカン・ターボのスペック

価格:11万5858ポンド(1564万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1381mm
最高速度:259km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.0秒
航続距離:449km(WLTP複合)
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:2305kg
パワートレイン:交流同期モーター2基
バッテリー:93.4kWhリチウムイオン
最高出力:625ps(オーバーブースト時:680ps)
最大トルク:86.5kg-m
ギアボックス:シングルスピード(フロント)/デュアルスピード(リア)

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