C8は革新の存在。すべてが新しく、驚きの連続
新型C8コルベットは、新たな1ページの始まりである。最大のトピックは、歴代で初めてミッドシップ・レイアウトを採用したこと。大英断に打って出たのは、トラクション能力や俊敏なハンドリングなど、従来のFRレイアウトではブレークスルーが難しいさまざまな課題を一気に乗り越えるためだ。
新型シボレー・コルベットの高性能バージョン「Z06」が本国デビュー
ドライバーズシートに収まる。パッセンジャー側と明確に仕切られた「1+1」キャビンは特徴的。センターディスプレイは完全にドライバー側に振られたデザインである。なお日本仕様はコルベット初の右ハンドルだ。
2人のためのシート背後に8速DCTとの組み合わせでマウントされるのは、502ps/637Nmという大出力を発揮する、6.2リッターの自然吸気V型8気筒ユニット。「OHVだから、あまり上までは回らないんでしょ」と思われるかもしれないが、予想に反してオーバー6000rpmまでピュンピュンと威勢よく回ってくれる。
どんなシーンでも太いトルクが得られ、アクセル操作に対するレスポンスがシャープなことは大いに歓迎したい。もちろん、そんな強心臓に安心してムチを入れられるのは、トラクション能力に優れたミッドシップ・レイアウトを採用した恩恵でもある。
軽やかなハンドリングを実現、GTとしても使える
新世代コルベットの走りで「これはいままでとはまったく違うな」と感じる点は、ステアリングを切り込んだ際の挙動の軽やかさ。これはもう、画期的といえるほどに印象が異なる。
ハンドリングは「軽快」という形容がふさわしい。6.2リッターという大排気量エンジンを積むモデルを 連想するのが不可能なほどである。
予想を上回ったのが、全般的な快適性の高さ。日本仕様は、電子制御式の可変減衰力ダンパー「マグネティックセレクティブライドコントロール」を標準で採用する。ランフラットタイヤを装着するにもかかわらず、最もコンフォート志向の「ツーリング」はもとより、ハードな「スポーツ」を選択しても、乗り味は快適そのもの。路面をなめるように走り抜けてくれる。
実用性もハイレベル。トランクは前後に用意される。フロントはさほどではないが、リアは思った以上に広い。ミッドシップ・レイアウトながらGTカー的要素も備えている。
C8コルベットはすべてが新世代。FRスポーツカーとして長い歴史の持ち主ゆえ、余りの激変ぶりに当初は戸惑いの声も聞かれるかもしれない。しかし、走り込み、チェックを重ねるほどに「満を持してのミッドシップ化」だったことを実感した。何とも気合の入った1台である。
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みんなのコメント
国内で乗るのに左ハンドルはデメリットが多すぎて選択肢にすら入らなかったので、次回買い替え時は是非購入してみたいです。
30年くらい前に叔父からもらってカマロに乗ってましたが道路を走るには不便だったので、その後は輸入車だとしても必ず右ハンドルが設定されているものを選んでいます。