■現行「キックス」の国内導入は世界デビューの4年後だった
日産のコンパクトSUV「キックス」が、8年ぶりのフルモデルチェンジを実施しました。
まだ明らかにされていない日本仕様の新型キックスがどのようなクルマとなるのか、予想します。
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初代KIX(キックス)は2008年、三菱の3ドア軽SUV「パジェロミニ」のOEMとして登場しました。
現行モデルは2代目ですが、初代との直接的な関わりはありません。
車名表記も「KICKS」と変更され、5ドアのコンパクトSUVに生まれ変わっています。2016年にブラジルで初公開後、中国や北米など世界で展開されました。
国内では2020年に導入され、日産で最初の「全車e-POWER」(ハイブリッド)専用モデルとなりました。
そして2024年3月、アメリカで8年ぶりのフルモデルチェンジを実施。8月13日より北米向け2025年モデルとして発売が開始されました。
現行型のスタイリングが丸みを帯びたデザインなのに対し、新型キックスは直線基調のタフで精悍なイメージ。
内装の質感も大幅にアップし、もはや「小さな高級車」といった雰囲気に一新しました。
北米仕様は2リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載し、トランスミッションはCVT。
グレードはエントリーに位置する「S」と、中間グレードの「SV」、ハイエンドの「SR」と3種類を設定し、すべてのグレードでFFとAWD(4WD)を選ぶことができます。
価格はSで2万1830ドル(約320万円)から2万7680ドル(約390万円)となっています。
さて、気になる日本での新型キックスの発売は、いつになるのでしょう。
■北米仕様には設定がない「e-POWER」モデルはいつ追加されるのか
自販連の調べによると、2023年の日本の新車販売台数におけるパワーユニットの割合は、ガソリンエンジン車が35.8%なのに対し、ハイブリッド車が55.1%を占めています。
つまり売れている新車の2台に1台はハイブリッド車ということです。
このように日本の自動車市場はハイブリッド車が中心であり、日産も新型キックスを販売するならば、e-POWERモデルを用意したいところでしょう。
あらためて現行型キックスの歴史を振り返ると、前述の通りまず2016年にブラジルで発表され、1.6リッターガソリンエンジンを搭載したガソリンモデルとして発売されています。
e-POWERモデルの追加は2020年にタイで発表されたマイナーチェンジ版からで、日本仕様もタイからの輸入車です。
ブラジルでの販売開始から4年を経ての登場となりました。
日本で新型キックスのガソリンエンジンモデルが発売されるかは分かりませんが、e-POWERモデルの追加を待ってからになるのは間違いないところでしょう。
ただし新型キックスのe-POWERモデルが追加されるまで、現行型ほどではないにせよ、しばらく期間が必要になると推測されます。
日本では2024年6月、キックスに日産90周年記念車「90th Anniversary」モデルを設定。併せて全車に「インテリジェントアラウンドビューモニター」を採用するなど、総合的な製品力の向上を果たしました。
こういった動きからも、北米仕様の新型キックスを導入してすぐにモデルチェンジを行うことはまだおこなわれておらず、当面は現行キックスの販売を続ける方針であることが見て取れます。
※ ※ ※
新型キックスの力強いデザインは、SNSなどでも高く評価されています。
また世界的にハイブリッド車を見直す機運が強くなっており、新型キックスにもe-POWERモデルの開発は行われていることでしょう。
現行型のスケジュールにならうなら、日本での発売は4年後の2028年から2029年となってしまいますが、さすがにそれはあり得ないはず。
2024年中、遅くとも2025年早々には、新型キックス e-POWERの追加や国内導入を期待したいところです。
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