現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > [売り上げ絶不調車]の汚名返上!! 先代の失敗を見事リカバリーしたクルマたち

ここから本文です

[売り上げ絶不調車]の汚名返上!! 先代の失敗を見事リカバリーしたクルマたち

掲載 8
[売り上げ絶不調車]の汚名返上!! 先代の失敗を見事リカバリーしたクルマたち

 売り上げが不調に終わった車種がモデルチェンジで見事業績回復に成功した。今回は、そんな復活劇を実現してみせた国産車を紹介したい。彼らはなぜ復活できたのか? そして先代が失敗したワケは?

文/長谷川 敦、写真/ダイハツ、トヨタ、日産、マツダ、CarsWp.com

[売り上げ絶不調車]の汚名返上!! 先代の失敗を見事リカバリーしたクルマたち

【画像ギャラリー】名誉回復に成功したクルマをもっと見る (19枚)

■先代の迷走から逆転に成功したクルマ2選

現行型の5代目トヨタ プリウス。一時はプリウスの消滅やタクシー専用車への転身などもウワサされたが、大幅なモデルチェンジでさらなる人気を獲得した

●トヨタ プリウス(5代目)

 世界初の量産型ハイブリッドモデル・トヨタ プリウスは、ハイブリッドカーが当たり前になった現在でもカテゴリーを代表するクルマの地位をキープしている。

 だが、そのプリウスにも不調な時期はあった。

 2015年に登場した4代目モデルがそれで、3代目のイメージを引き継ぎつつも、厳つくなったフェイスデザインが賛否両論を招き、2018年のマイナーチェンジでこの顔つきを変えたものの、販売台数では先代を上回れなかった。

 そして2023年には完全新設計の5代目が登場。

 燃費性能の追求を第一にしてきた歴代プリウスに対し、この5代目はデザインの良さや充実した装備など、総合的なクルマの質を高めているのが特徴といえる。

 そんなメーカーの目論見は成功し、5代目プリウスは販売成績、評価ともに好調で、見事な逆襲を果たしている。

●マツダ ロードスター(4代目)

 現在の国産車では貴重なオープン2シーターのFRスポーツがマツダのロードスター。

 1989年発売の初代から2005年まで販売されていた2代目までは基本コンセプトを継承していたが、3代目のNC型ではボディの3ナンバー化など大幅な変更が行われた。

 しかし、ライトウェイトスポーツという印象が薄れてしまったのは否めず、ボディデザインを含めて3代目の評価はイマイチだった。

 そこで2015年デビューの4代目ND型では再び大幅なモデルチェンジを断行し、3ナンバーサイズはそのままながら、エンジンのサイズダウンなどで軽快感を強調した。

 このモデルチェンジは成功となり、4代目は現在でも高い人気を保っている。

 ちなみに、不人気に終わった3代目もクルマの完成度は高く、中古車市場では状態の良い個体が比較的安価で取り引きされるお得なモデルとして一部で人気を集めている。

【画像ギャラリー】名誉回復に成功したクルマをもっと見る (19枚)

■マイナーチェンジで起死回生! の2台

●ダイハツ タント(4代目)

 2022年、ダイハツは軽トールワゴン・タントのマイナーチェンジを行った。

 ラインナップのうちタントカスタムにはフェイスリフトが施され、新たなモデルのタントファンクロスも追加となった。

 さらに全車種でシートやラゲッジスペースの大幅改良が行われており、使い勝手が向上した。

 これらの変更は奏功し、マイナーチェンジ後のタントは販売台数を大きく伸ばすことに成功している。

●ホンダ インテグラ(3代目)

 インテグラはホンダが2007年まで日本国内販売を行っていたスポーティなFFモデルで、1985年に初代が発売され(クイントインテグラの名称で販売)、1989年登場の2代目(車名がインテグラのみに)も高い人気を博した。

 そんななか、1993年には3代目がリリースされるが、この3代目のヘッドライトは先代の角型から丸目4灯になり、イメージが大きく変わっている。

 だが、このイメージチェンジは裏目に出て、国内での販売は不調という結果になった。

 そこでホンダは1995年に行った最初のマイナーチェンジでヘッドライト形状を先代に近い横長のものに改めた。

 さらに高性能仕様のTYPE-Rも追加され、3代目インテグラは復権を果たしている。

【画像ギャラリー】名誉回復に成功したクルマをもっと見る (19枚)

■イメージ回復には成功。しかしこれが最後のモデルに…「日産 シルビア(7代目)」

S15型日産 シルビア。先代の3ナンバーから5ナンバーサイズに変更され、外観デザインも含めて高い評価を獲得したが、残念ながらシリーズはこのモデルで終了

 1965年に登場した日産の2ドアクーペモデルが初代シルビア。

 以降は日産のスポーティクーペの主力モデルとして確固たる地位を築き、1988~1993年に販売された5代目S13型は、バブル景気を象徴するデートカーの1台にもなって、好調なセールスを記録した。

 そんな5代目の後を受けて登場した6代目S14型だが、これが想定外の売れ行き不振に陥ってしまう。

 S14型ではボディが大型化されてシリーズ初の3ナンバーモデルになり、豪華さを全面に押し出していたが、これが従来のシルビアファンには不評で、さらにバブル崩壊の影響もあって販売台数を減らしてしまった。

 こうした反省を踏まえて1999年には7代目のS15型がデビュー。

 ボディは再び5ナンバーサイズになり、デザインも少々野暮ったさのあったS14に比べると洗練されていた。

 シルビアの本流に戻った感のあるS15は高い評価を得たものの、クーペそのものがあまり売れなくなっていた時代背景も加わって人気ほどには販売実績を伸ばせず、2002年にシルビアシリーズの歴史とともに販売を終えている。

【画像ギャラリー】名誉回復に成功したクルマをもっと見る (19枚)

■番外編~しばしの休息から華麗なる復活「トヨタ シエンタ(初代)」

 トヨタの5ナンバーサイズミニバン・シエンタが発売されたのは2003年。

 この初代シエンタは3列シートで7人乗車が可能などの使い勝手の良さが好評で、決して失敗作ではなかったが、2010年8月に事実上の後継車であるパッソセッテに道を譲るかたちで生産が終了された。

 しかしこのパッソセッテの売り上げが思わしくなく、2011年5月にまさかの販売再開になり、結局2015年まで通算12年も生産されるロングセラーになった。

 その勢いで2015年にはフルモデルチェンジが行われ、この2代目も好調なセールスを記録。現在は2022年登場の3代目が元気に走っている。

 シエンタに関しては自身ではなく後継車種の失敗をリカバリーしたわけだが、少々珍しい経緯なので紹介させてもらった。

 自動車メーカーも失敗モデルと作ろうと思って作るわけではないが、狙いが外れることも意外に多い。

 そしてそんな失敗から名誉挽回できるかどうかでメーカーの底力を知ることができる。

【画像ギャラリー】名誉回復に成功したクルマをもっと見る (19枚)

投稿 [売り上げ絶不調車]の汚名返上!! 先代の失敗を見事リカバリーしたクルマたち は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ車体が提案! 斬新ドア採用の「クロスバンギア」は市販化する? ノアヴォク派生ぽい「“SUVミニバン”コンセプト」はどうなるの?
トヨタ車体が提案! 斬新ドア採用の「クロスバンギア」は市販化する? ノアヴォク派生ぽい「“SUVミニバン”コンセプト」はどうなるの?
くるまのニュース
「えっ!?」スクーターメーカー「ベスパ」製の4輪車なんてあったの?  65年前に登場した4人乗りの“マイクロカー”を発見 どんなクルマ?
「えっ!?」スクーターメーカー「ベスパ」製の4輪車なんてあったの? 65年前に登場した4人乗りの“マイクロカー”を発見 どんなクルマ?
VAGUE
タクシー・ライドシェアに「チップ文化」は根付くか? 配車アプリ普及で、月収アップに追い風? その効果と課題を考える
タクシー・ライドシェアに「チップ文化」は根付くか? 配車アプリ普及で、月収アップに追い風? その効果と課題を考える
Merkmal
買うなら今よ! 3代目[トヨタ・ヴィッツRS]走りが楽しすぎる件
買うなら今よ! 3代目[トヨタ・ヴィッツRS]走りが楽しすぎる件
ベストカーWeb
金属の塊から削り出したよう! 新型BMW X3のシンプルかつ迫力ボディをデザインのプロが分析
金属の塊から削り出したよう! 新型BMW X3のシンプルかつ迫力ボディをデザインのプロが分析
WEB CARTOP
“釣り業界最大級のイベント”過去最大!227社が出展する“釣りの祭典”『釣りフェス2025 in Yokohama』開催
“釣り業界最大級のイベント”過去最大!227社が出展する“釣りの祭典”『釣りフェス2025 in Yokohama』開催
AutoBild Japan
日産とビームスのコラボレーションモデル、ついに登場!──GQ新着カー
日産とビームスのコラボレーションモデル、ついに登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
【欧州】トヨタ“2代目”「C-HR」なぜ日本で売らない!? 最新版は“プリウス顔”の超カッコイイ「クーペSUV」に! 初代「大ヒット」でも未導入な理由とは
【欧州】トヨタ“2代目”「C-HR」なぜ日本で売らない!? 最新版は“プリウス顔”の超カッコイイ「クーペSUV」に! 初代「大ヒット」でも未導入な理由とは
くるまのニュース
三菱ケミカルの植物由来プラ、ホンダ『X-ADV』に初採用
三菱ケミカルの植物由来プラ、ホンダ『X-ADV』に初採用
レスポンス
これが新型プレリュードの市販型!?マジカルシフト「Honda S+ Shift」をひっさげて、北米には2025年後半、欧州市場には2026年初頭から投入
これが新型プレリュードの市販型!?マジカルシフト「Honda S+ Shift」をひっさげて、北米には2025年後半、欧州市場には2026年初頭から投入
Webモーターマガジン
日産の軽&コンパクトカー!! [ルークス]と[ノート]買うならどっちだ!?
日産の軽&コンパクトカー!! [ルークス]と[ノート]買うならどっちだ!?
ベストカーWeb
1/22申込締切【Season3】中西孝樹の自動車・モビリティ産業インサイトvol.2「水素社会実現に向けたトヨタの取組み」
1/22申込締切【Season3】中西孝樹の自動車・モビリティ産業インサイトvol.2「水素社会実現に向けたトヨタの取組み」
レスポンス
“ランクル顔”のトヨタ「ルーミー」が完成!? まるで本格四駆な「ランドクルーミー」ESBのカスタム仕様! 東京オートサロン2025で公開へ!
“ランクル顔”のトヨタ「ルーミー」が完成!? まるで本格四駆な「ランドクルーミー」ESBのカスタム仕様! 東京オートサロン2025で公開へ!
くるまのニュース
「ミニバンなんて一生乗るかよ」なライターが一瞬で虜に! 15年落ち16万kmのヴォクシーを買ったらあまりの快適さに感動不可避だった!!
「ミニバンなんて一生乗るかよ」なライターが一瞬で虜に! 15年落ち16万kmのヴォクシーを買ったらあまりの快適さに感動不可避だった!!
WEB CARTOP
ブガッティの新境地! スーパーカーを飾る超ラグジュアリーなガレージ「ブガッティ・エディションFG-01ガレージ」が発売
ブガッティの新境地! スーパーカーを飾る超ラグジュアリーなガレージ「ブガッティ・エディションFG-01ガレージ」が発売
VAGUE
スズキ スイフトスポーツの最終モデルを2025年に発売
スズキ スイフトスポーツの最終モデルを2025年に発売
Auto Prove
「ネオクラシック」バイクの傑作! カワサキ「Z900RS」“フルカスタム”車両登場! 漆黒ブラック×鮮烈イエローボディが”渋い”! ストライカーワークスから発売
「ネオクラシック」バイクの傑作! カワサキ「Z900RS」“フルカスタム”車両登場! 漆黒ブラック×鮮烈イエローボディが”渋い”! ストライカーワークスから発売
くるまのニュース
日本でのMotoGP人気を上げるために「これまでできなかったこと」をやりたい。中上貴晶が考える”開発ライダー”以外の新たな役割
日本でのMotoGP人気を上げるために「これまでできなかったこと」をやりたい。中上貴晶が考える”開発ライダー”以外の新たな役割
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

8件
  • トム
    ロードスターは存続すら危ぶまれた。フォードに助けられ経営はどん底状態、趣味車で生産数も限られるオープンスポーツなんて他のメーカーだったら絶対に生まれて来なかった。そういう意味ではNCの功績は物凄く大きいし間違っても失敗作なんかでは無い。
  • *****
    絶不調かどうかは知らんけど、個人的にNCはデザインが受け付けなかった。ライトを囲うバンパーデザイン。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村